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「#幼馴染」のBL小説を読む
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過去メモにつき今と設定が違うものがチラチラあります。

161049


生意気な奴。腹が立つ奴、気にくわない年下

つまり、大嫌いな相手

なのに。こうしてたまに、なんの前触れもなく現れては、俺にちょっかいをかけてくる


「‥今回は何しに来たんだ。つか、とっとと帰れよ」

「何故だい?たまの客人くらいもてなそうという気すら起きないのかい、君という奴は」

「テメェじゃなかったら、茶の一杯くらいは入れてやってたかもな」

「嗚呼、成る程。私だからそういう態度という訳か‥全く、何であれ君から特別扱いされるというのは気持ちが悪い」

「‥殴るぞ」


招ねかれざる客であるアイツは、勝手にやって来たくせに。俺の許可なくソファーの上に無断で座り、くつくつと笑ってやがる

そんなに俺に絡むのが楽しいのか、と。喉まででかかった言葉を。ギリギリの所で口には出さなかった


アイツは本当に、見ているだけで苛々してくる。


(本気で一発殴ってやろうか)

そう思って、左の手をぎゅっと握ったのと同時に。奴は、奴らしくない

弱々しい笑みを浮かべて俺に言った


「‥体調が優れなくてね。すまないが、少し此処で休ませてはくれないだろうか」

それを聞いて、言われてみれば確かにアイツの顔色が良くないと漸く気がついた俺は

握った手からゆっくりと力を抜く

「休むなら、自分の部屋で休めば良いだろう」

「あの部屋でゆっくり休めると思うのかい?」

「‥無理だな。悪趣味過ぎてちっとも休める気がしねぇ」

すると奴は、俺の部屋も大概変わらないじゃないかと言って、声を殺して小さく笑った


「なぁ‥」

「何だい?」

「熱、は‥」

「‥っ、」

笑っている奴を無視して、その額にスッと手を伸ばし。押し当てると、手袋越しに伝わってくる奴の体温が、何時もより高い気がした

「‥辛いのか」

「‥少し、ね」

「‥ったく。テメェは昔っから体弱ぇな」

額に当てていた手を離して、そのまま軽く小突いてやれば。

痛いじゃないかと抗議の声が上がったけれど。それに対して一言、煩ぇ

と、だけ返しておいた


「熱あんなら、さっさと寝‥あ、ちょっと待て。お前何か食ったのか?薬は飲んだか?」

「生憎と、食欲がなくて‥」

「馬鹿、少しで良いから何か食え。そんなんじゃ、治るモンも治らねぇだろ」


はぁ、と。呆れて溜め息一つ。

すると『君は私の親か何かだったかな。』

そんなふうに、わざとらしく奴は言って、ソファーから立ち上がると

これまた勝手に人のベッドに潜り込んで、おやすみ。なんて言ってきた

「待てよ、何か食ってから‥じゃなくて!おいコラ勝手に人の寝床奪ってんじゃねぇよ!」

「起きたら食べるよ」

「‥ったく、本当だろうな。ちゃんと食えよ?」

「嗚呼。分かっている」

「好き嫌いしないで、ちゃんと食うんだぞ」

「‥‥はぁ、君は私の事を何だと思ってるんだい。私は子供ではないのだが‥」

「年下は皆餓鬼だ」


アイツが続きを喋れないよう、ピシャリと話しを遮ってやれば。眼鏡のレンズ越しに、奴の真っ赤な目がパチクリと瞬く

普段は偉そうにしているくせに。たまにこういう子供っぽい一面も見せてくる年下のアイツ

(俺の、)

すると不満そうに。けれど、何処か満足したように

アイツは言った。



「君は、何時まで私の“兄貴”面をしている気なんだい。ミラーマン?」

「ずっとに決まってんだろ。テメェは何時まで経ったって、俺より年上にはなれねぇんだから」


んな事より、寝て起きたら直ぐに薬飲んで、一秒でも早く体調元に戻せよと

アイツの頭を、今度こそ一発。パシンと叩いてやったら不貞腐れた餓鬼みたいな面して、アイツは。

ゴールドは、俺を見て。それから直ぐに、困ったかのように苦笑して見せた


(テメェは何時まで経ったって、俺の‥可愛げのない弟みたいなモンなんだよ)


なんて、口が裂けても絶対に言ってやらねぇけど。


2012/08/07 00:07



電話「オレ思ったんだけどさぁ」

車「うん?」

電話「タイヤってタクシーに調教されてんの?」

車「‥へ?」

車輪「はい?」

電話「いや、タイヤってその似非敬語タクシーに無理矢理させられてるらしいじゃねぇか。だから、タクシー好みに変えられてんのかなーって」

車「ち、違うよ!無理矢理っていうか、接客業だから仕方なく‥」

電話「けど。タイヤって接客しなくね?」

車輪「‥た、たまに‥なら‥‥っていうか言われてみれば確かに‥え。先輩、俺ってあんたの好みに変えられたんですか?」

車「お前まで何言ってんだよ!」

電話「まーまー、デカい声出すなって。つかタイヤの元々の話し方ってどんなんなんだ?」

車輪「知りたいですか?あんた、俺に興味あるんですか?」

電話「‥う、嬉しそうな顔すんな!お前に興味なんかねぇよ!」

車「フォン‥お前、タイヤに興味あったのか」

電話「おいコラ話し聞けよ。テメェの耳は只の飾りか」




むしろ興味があるのはタイヤがフォンにたいして。

タイヤの気持ちが報われる日は何時になるのか‥っていうか。いや、報われる日は来ないな


車輪「煩いです。黙って下さい」


2012/08/04 21:33



原型クラッシャーを一発描き。タクシーの従兄弟



2012/08/03 23:42



ぼくの恋人は俗にいう『ヘタレ』だ。一緒に居て落ち着くけど、でも、たまに物足りなさを感じてしまうのもまた事実

「ぼくに、魅力が足りないんだろうか」

「そんな事はございませんよ。死体殿は、十分に魅力的です」


何の気なしに呟いた独り言。それに対して返事をくれたのは、ぼくの護衛

名前は落武者。彼は、ぼくの恋人を殿と呼び仕えている。このヒトは他の落武者とは違い、ぼくの恋人だけを殿と呼ぶ

他の落武者達は、自分を倒した相手であれば誰であろうと殿、姫と呼び。仕える相手をコロコロ変える

だけど、ぼくに護衛としてついてくれている落武者は、大きすぎる力影響を受けたのか。

詳しい事は良く分からないけれど、ぼくの恋人

死神だけを、殿と呼び、死神の命令のみを聞き入れる


「ねぇ落武者。君の殿は、恥ずかしがり屋さんだ‥悪く言えば、消極的というのかな?」

「‥消極的といえば、確かに聞こえは悪いですが。殿は、それだけ死体殿の事を大切になさっているのですよ」

「‥大切に、ねぇ‥‥」


大切にしてくれているのは良くわかる。でも、ぼくは強欲な死体だから

今よりもっと、もっと沢山。彼の事が欲しくなる


(もし‥こんなにも余裕がないのがぼくだけだったら、そんなの‥不公平じゃないか)


テーブルを挟んで向かい側に座る落武者に一度、手にしたワイングラスを軽く傾け。それからグラスの中身を口に含んだ


(あのね、落武者。もし、君の殿が今のままだったら、何時かぼくは落武者と浮気するって、彼に伝えてよ)
(せ、拙者と‥ですか!?い、いけませぬ!そのような事態になったら拙者、殿に合わせる顔が‥っ、!)
(‥ふふ、冗談だよ。ごめんね落武者)


2012/07/26 22:38



くるくる、くるくると

まるでダンスでも踊るように、彼は回る。両手を広げ、それはそれは楽しかそうに

「雨降りって、気分良いよな。元気が出る気がする」

「‥あんただけですよ。そんなの」

「そうかなぁ」


くるくる、パチパチ

彼が回るのに合わせて、体から火花が飛び散る。それは彼の体質であり、能力の一部

雨音に紛れ遠くで鳴り響く雷に、体内の電気が同調し、内から外へと漏れだしているのだろう。


パチパチ、パチパチ、くるくる。レインコートも着ずに、雨の中をパシャパシャと彼は子供の様に走り回る


「なぁ、なぁ、お前も来いよ。楽しいから」

「俺は遠慮しますよ。だって、濡れたくな‥」

「良いから良いから、ほら!」

「え、ちょっと‥!?」


止めてください。そう講義する間もなく、屋根があり、濡れない所に居た青年が

雨の下へと引っ張り出される。勢いこそは大した事はないけれど、それでも雨は雨

体に当たった雫が、ピシャリと跳ねて。髪や服を濡らしていく

吸収されなかった水滴は、頬や腕を伝い、体の体温を奪っていく

(冷たい‥体温が下がって、寒さで頭が冴えてくる‥)


強制的に、濡らされてしまった青年は、パチパチと弾ける電気に感電する事なく、平然と

そして、呆然と。呆れましたとでも言いたげに、電気を放つ方の青年を見つめた


「相手が俺じゃなかったから、あんたに触られた時点で感電死してますよ」

「そうだな、でも。お前は電気を通さないから、俺と一緒に居たって感電死しないだろ?」


クスクスと笑い、青年は、もう一人の青年の手を引き再びくるくると回りだす


「俺、雨の日はずっと独りぼっちだった。俺の傍は危ないからって、皆逃げて行ってたから」

だから、今こうして、雨の中を誰かと共に居られる事がとても嬉しいのだと

青年は陽気に笑う


降りやまない雨の中、彼はとても幸せそうに微笑んでいる

こんな俺と一緒に居てくれて、有り難う、と。


2012/07/26 00:26


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