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過去メモにつき今と設定が違うものがチラチラあります。

161048


車輪「先輩、これあげます」

車「‥アップルパイじゃないか、どうしたんだ?」

車輪「別にどうもしませんけど、あんた好きでしょう?林檎」

車「うん。有り難な、大好きだ」

車輪(‥林檎に向けた言葉、林檎に向けた言葉。俺じゃない、俺に言った訳じゃない)

車「タイヤ?」

車輪「‥何でもないですよ」




車輪「あの‥すいません‥食い方が、汚いんですけど。ボロボロこぼれてる」

車「あー‥アップルパイって、美味いんだけど食べるの難しいんだよなぁ」

車輪「面倒ですね。まるで、あんたみたいだ」

車「え?何だそれ、どういう意味だよ」

車輪「そのまんまの意味ですよ。面倒臭い奴は嫌いです」

車「ひ、ひど‥」


2012/08/11 11:06



「‥可哀想な死体はん‥こんな、こんなぐったりして‥」


森の中にある墓場。その墓地の一つから、悲しそうな声が聞こえてくる

それは聞きようによっては日本にある関西方面の言葉のようで、けれど。完璧ではない、何処か胡散臭さの漂う話し方


「‥‥ぼくなら大丈夫だよ。ただの風邪だから」

「ただの風邪なんて、あなどったらあかんよ。へたに拗らせてもうたら、えらい事になるかもしれん‥」


普段は冷たいはずの体が。温かい

一般的に考えれば、体が温かいというのは当たり前だけれど。彼、干からびた死体にとっては異常な事態

名前の通り、死体である彼には体温がない。しかし、死体であるはずなのに生きている

故に、風邪を引けば熱が出る。


「あんさんが、あったかいんは‥おかしいやん」

そう言って、怪しげな口調で話す彼。死神はベッドの中から死体の手を取り

そっと握った。


顔に奇妙な面をしていて、表情が分からない死神だけれど。彼の声は震えていて、もしかしたら

悲しい顔をして、涙を流しているのではないかと

死体は思った。



「体温があるぼくは、嫌いかい?」

「何馬鹿な事言、っ‥はぁ‥あんさんは阿呆かいな‥そんなんで、わしが死体はんの事嫌いになる訳ないやろ」

「だと思ったよ」


ふふ、と。柔らかい笑みを浮かべる死体とは裏腹に

死神は未だ、とても悲しそうな声で話している。何時も、死体の事を守ってやれない。と

それに対して、幾ら君が“神”だからといって。風邪から誰かを守る事が出来るとは思えない

そう、呆れたように口にすれば。大切な人だからこそ、風邪からだって守ってあげたいのだと

死神は、何とも無茶な事を言う。


「全く君は、神のくせに本当に神らしくないよね。そんな事で落ち込まないでよ」

「そんな事て‥わしにとっては、重大な問題なんやけど‥」



好きな人を一人、満足に守れなくて何が神だ。自分が全知全能な神ならば、

と、ぽつりと呟いた死神に、死体は言った


「全知全能な神なんて、つまらないよ。君は、不完全な神だからこそ、何処か人間らしくて、親しみやすくて‥」

ふぅ、と、一呼吸おいてから

「そんな君だからこそ。ぼくは君を好きになったんだ」


熱があるせいか、体調を崩しているはずなのに。健康そうに見える死体がにこりと微笑む

「‥なんやそれ、今言う事ちゃうやん‥‥ほんま可愛いなぁ‥ああ、もう‥死体はん‥めっちゃ大好きや」


ベッドに居る死体に、死神が覆い被さるようにして。

生きているのだと、実感出来る程に、温かくなった死体の体をぎゅっと抱きしめ。室内に灯された蝋燭の明かりが、重なる二人の影をゆらりとうつした。




(カミサマどうか。死体はんの風邪が、早く治りますように)
(神が神頼みしてどうするの?君って、時々本当におかしな事を平気でするよね)


2012/08/10 00:28



鏡2「君は何時になったら俺と入れ替わるんだ」

鏡1「あ?何言ってやがる。入れ替わる気なんかねぇよ」

鏡2「どうしてだよ。君は誰にも必要とされてないのに」

鏡1「‥はっ、うっせぇよ黙っとけ偽物。俺が誰かに必要とされてるか、されてないか。それはテメェが決める事じゃねぇんだ」







車「‥‥なぁ、ミラー‥」

鏡「‥何だよ。何か文句あんのか」

車「いや、ない。全然ない。寧ろ嬉しいよ。お前の方が俺の所に来てくれるなんて」

鏡「‥お前は、俺が来ると嬉しいのか‥」

車「え。当たり前だろ?友達が来てくれたら、誰だって嬉しいに決まってるじゃないか」

鏡「‥‥へぇ?友達か‥」

車「友達だろ?」

鏡「嗚呼。そうだな」

車「俺にとってお前は、なくちゃならない存在で。凄く大事な友達だよ、ミラー」

鏡「‥‥あ、そ。」

車「うん」

鏡「‥俺も、お前と同意見だ」

車「え‥ほ、本当に?どうしよう俺、今どうしたら良いか分からない位嬉しいんだけど」

鏡「ははっ、何だそりゃ。阿呆か」



唐突に思い出す。二人目のミラーマンの存在


アニメの二人称が“君”なミラーが可愛すぎて作っちゃった二人目。二人目だけど、一人目と何も変わらないよ。裏と表みたいな、そんな奴等だから


2012/08/09 22:13



ぱちり、と目を開けば。何時もの見慣れた車の中ではなくて

そこは余り見慣れない部屋の中。初めて見た訳ではないけれど

それでも、片手で数えきれる回数程にしか訪れた事のない所


「はよ。良く寝れた?」

「‥‥あれ、‥俺‥」


寝惚けた眼に映り込んだ鮮やか過ぎる赤い色に。それと同じ色の瞳を、ゴシゴシと擦ったのはタイヤだ。

彼の記憶は、タクシーと一緒に居た所で途切れてしまっていて

その先は覚えていない。



どうして“こんな所に?”という。タイヤの疑問を理解したのか、鮮やかな赤色をしたタクシーの従兄弟

パブリックフォンが。タクシーが連れてんだよと言って、タイヤが横になっているベッドへ、ギシリと腰掛けた。


「先輩、が‥」

「ああ、タクシーにおぶられてるお前。格好悪かったぜ?」

ケラケラと笑うパブリックフォンに、タイヤは横になっているにも関わらず。くらり

と、目眩を覚えた


「‥忘れ、て、くださ‥」


幾ら意識がなかったとは言え、好きな相手に“格好悪かった”など記憶される失態をしてしまっていたなど

そんな過去は消し去ってしまいたい。


それなのに、忘れて下さいと言う。たった一言すらも最後まで言い切る事が出来ず、タイヤはゴホゴホと咳込み出した


「おいおい、大丈夫かぁ?」

「大、丈‥っ、」


大して心配そうでもない表情で、パブリックフォンがタイヤの顔を覗き込んで来た為

咳を無理矢理押し殺そうとしたタイヤが、酷く、苦しそうにきつく目を瞑る


「‥は、っ‥あんま‥近づか‥な‥」

何度も深く、息を吸い込むタイヤは。どうやら咳を出さないよう、自分なりに呼吸を調節しているらしい

辛いくせに。無理して我慢する必要などないだろうに

そう思ったパブリックフォンが、我慢なんかするなと言ってやれば。ゆっくりと、時間をかけてタイヤは言った


あんたに風邪はうつしたくないのだと

「けど、風邪はうつしたら治るんじゃなかったっけ?」

「あんたに、うつして‥治ったって、嬉しくない‥ですよ」

第一、そんなの嘘に決まってるじゃないですか。タイヤが正論を口にすれば

やってみたら分かるんじゃないか。と、タイヤをからかう様に、にやにやと意地の悪い、厭らしい笑みを浮かべるパブリックフォン

彼はタクシーと瓜二つの顔で、タクシーが絶対にしない表情をして見せる。

時折それは、とてつもない違和感となり。見ている側としては、妙に落ち着かない


「なぁ‥風邪、オレにうつしてみろよ」

「‥いや、です」

「あ、そ。んじゃ、勝手に試させてもらうわ」

「‥電話、さ‥」


ベッドのスプリングが軋む音と同時に、パブリックフォンの顔が近づいたかと思えば。彼は、タイヤの口に自分の口を押し当て言葉を遮った

「ッ、‥!」

突然の出来事に、タイヤがパブリックフォンを引き離そうと

彼の服を掴み、力いっぱい投げ飛ばそうと試みた所で。タイヤの手から、ふっ、と力が抜ける


(嗚呼、駄目だ‥力の加減が分からない‥今、この人を力ずくで引き離したら‥)


タイヤの力は尋常ではない。彼がその気になれば、地面だって割れてしまう

純粋に、暴力的な意味だけでの力だけならば

この世界にいる誰よりも強いであろう。


そして、風邪で力の感覚が狂ってしまったタイヤが、パブリックフォンを自分から引き離せば

加減を知らない。つまり、力をもて余した状態になっているタイヤは

パブリックフォンを“壊して”しまう可能性がある。


「‥ん」

それを避ける為に力を抜いたタイヤの左手が、行き場を失いパタリとベッドの上へと落とされた


「‥タイヤ?」

負けず嫌いな彼には、珍しく。無抵抗でされるがままとなっていたタイヤを不思議に思い

パブリックフォンが自ら離れてタイヤを見た。

「苦しい?」

「‥苦し、い‥ですよ」

「へぇ、素直だな」


正直に答えたタイヤに気を良くしたのか。自分が優位に立てた事が楽しかったのか

パブリックフォンは、再びタイヤに口付けをする。


「‥は」


ちゅ、と。啄む様な口付けが、深い物へと変わっていく

こんな事までしているのに。好意を抱いているのはタイヤの方だけ

その筈なのに。何故パブリックフォンの方から迫ってきたのか。ぼぅとする頭では、上手く思考がまとまらない


(苦しい)

舌を絡め取られ、ぴちゃり、と粘着質な音が聞こえてくる中

咳が出ないよう、息を止めていたタイヤに限界が近付いたのか。今の今まで無抵抗だった彼の手が、再びパブリックフォンへと伸ばされる

けれど、その手はパブリックフォンを引き離そうとはしていなかった。只、弱々しく赤いパーカーを握るだけ


タイヤの限界が近いと分かっていながら。パブリックフォンは、それでも離れようとはせず

それどころか、貪るかの如く。貪欲に、タイヤを求める


「‥‥っ、ぅ‥」

苦しい、一刻も早く離れたい、酸素が足りない


ギリギリまで追い詰められて、苦しくて堪らなくて。タイヤには、もう何かを考えるだけの余裕は残されてはいなかった

頭の中は、酸素を取り込む事でいっぱいで。


組み敷かれる形でパブリックフォンに主導権を握られていたタイヤが

ぐるり、と。身を翻し、気が付けばいつの間にやら組み敷かれているのはパブリックフォン


「っ、ゲホッ‥は、‥ッ‥はぁ‥はぁ‥‥ざけんな」

「‥げっ」


咳込んで、呼吸を整えながらタイヤに見下ろされたパブリックフォンが。不機嫌なんて言葉では片付けられない程に、怒りの色を隠す事なく身に纏った彼に

ぞくり、と。恐怖心からくる悪寒のような物を感じ


慌てて視線を逸らしたけれど。時、既に遅し


「俺に‥“手を出す”なんて‥良い度胸、ですね‥」

「え、いや‥それほどでも」


褒めてませんよ。と、冷たい笑みを浮かべたタイヤが、この後パブリックフォンをどうしたのかは

知るよしもなかった。



(ごめん!ごめんなさいオレが悪かった‥!)
(そうですね。あんたが悪いんです。だから、‥許しませんよ?)


2012/08/08 20:08



車輪「先輩は、顔残念で気は強くないし。格好良さに至っては欠片も持ち合わせてないですよね」

車「俺って顔残念なのか?そんなに酷い顔してるのか?」

車輪「鏡見て自分で確認してみれば良いじゃないですか」

車「‥‥鏡‥」

鏡「俺を見るな。俺を」



そして突然ですが、今日は私の地元の七夕なのです。鏡文字は、役に立たない私の特技(?)小学生の頃から、鏡なくても反転文字書けます。字は残念過ぎますが!

だから何って、まさか無駄な特技的なのがミラーの鏡文字しか書けない(上に読めない)設定に役立つ日が来るとは







車「タイヤの短冊から殺意しか感じられない‥」

車輪「電話さん電話さん、金なんかより。俺いりません?」

電話「いらねぇよ。つか、誰だこの変な‥逆文字書いたやつ」

審判「親分の短冊‥自分に厳しくってこれ、願い事じゃないっすよね」

G「願い事は、自分で叶えるからこそ価値があるとは思わないかい?」






鏡部屋

鏡「ははっタクシーの短冊、タイヤの短冊の下敷きになってるじゃねぇか‥何々‥ずっと『皆』で‥か。俺も、そう思うぜ‥その願い、叶うと良いな」



ミラーが皆の短冊を読めた理由は、‥七夕の奇跡かなにかです←適当


追記はタクシーとタイヤ


追記
2012/08/07 23:05


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