01




タライ海流に乗って海軍本部に目指している中、俺はクロコダイルさんとジンベエさんがいる甲板にいた。


「魚と話が出来るのは人魚族の特殊能力かと思ってたが、お前がサメを呼べるとは…。魚人が魚と仲良くするとは常識外れではあるな、粗暴な種族のハミ出し者ってことか。」

「それは褒め言葉と受け取ろう。魚人が粗暴というのも否定できん…!」

『へえ。俺が会った魚人は今まで悪人らしいやつはいなかったからピンと来ない話だね。』

「本来魚人はそういうもんだ。」

『そういうもんね。』

「そもそも、てめェもだ。」


何がだと思い、視線をクロコダイルさんに合わせると何者だと問われる。


『名前は嘉識。今はルフィのところにいさせてもらってる。』

「それだけ動けているにしては、聞かねェ名だな。」

「ワシもだ、聞いたことがない。」

『だってまだ島から出て間もないし、賞金首ですらない。』


知名度はほぼゼロだからlevel1にいたのと言ったら、いずれすぐ上がると言われたが、いや別にどうでもいい。
こんな広い世界ですぐ上がれるとかもう何言ってんのという考えが見透かされたのか、ハッと鼻で笑われた。 そう言いながら全世界が注目する舞台に乗り上がろうとしてんだから説得力ねェ懸念だと言われ、ぐうの音も出ない。
鼻で笑うことすら様になっているダンディな彼は置いといて、いつのまにかいたルフィとジンベエさんの方を向いたらなんとジンベエさんは元七武海という事実が聞こえてきた。
そりゃ納得、強いわけだ。


「おい海軍本部ってのは何だ!?まさかこの船海軍本部に向かっているんじゃねえだろうな!?」


突如バギーがすっとんきょうな声を上げて抗議をしてくる。


『言ってなかったっけ?』

「首かしげんじゃねぇ!!聞いてねぇぞ!」


囚人にもパニックが伝わってどよどよとしているところに、電伝虫が鳴り響いた。 というか鳴き声がすごい。
ルフィがそれを取ると出んのかよとつっこみが入る。 海軍本部からの通信らしい。 威圧的な声で偉そうな言い方である。


「今回の大脱獄劇の主犯は、麦わらのルフィと道化のバギーの2人。道化のバギー、我々は貴様を甘く見ていた。貴様が海賊王ゴールド・ロジャーの元クルーである事、さらには四皇赤髪のシャンクスの兄弟分である事の調べはついている!そんな男が今までよくも水面下に潜んでいたものだ。その船には、ジンベエ、クロコダイル、イワンコフを初め、曲者200人以上の脱獄犯が乗船していることも確認済み。忠告しておくが正義の門が開かない限り、マリンフォード到達は出来ない!お前たちは泳げる海もなければ、生きる道もない…以上だ。」

「エースは必ず助け出す!!お前ら芋洗って待ってろ!!」

『芋!?』

「首だよ麦わらさァん!」


見事にバカを発揮したが海軍本部にナチュラルにケンカを売ったルフィは、鼻息荒くしながらがちゃんと電話を切る。
いやそれよりもだ。


『あんたそんなすごい人だったの。てか何歳。』

「おいテメー!歳はどうでもいいだろうが!」

『ああごめん。』


しかしバギーは、ふと考える様子を見せたと思えば、何かひらめいたような顔をし、一気に悪人顔になった。 そしてどよめく囚人たちに顔を向ける。


「男なら、俺といっしょに夢を見ねぇか…!?俺は今日、白ひげの首を…、即ち世界を取る!!」


そのありありとした自信と頼りがいのある様子に、海軍本部行きを阻止しようとしていた囚人たちに熱が入って団結した。 天下の海賊王の元クルーだもんで、大船に乗った気分なんだろう。


「なんだかまとまったぞ。」

「こういう才能はあるようじゃのう。」

『カリスマってやつ?』

「うむ。」



君宛の果たし状

(知られている者たちへ)(知られざる者にはない)





78/224

 back



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -