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八百屋、魚屋、とメモを見ながら小難しそうな顔をして買い物をする兄がものすごく可愛い件について。
健気だなァとか年寄りくさいことを考えてみる、実際精神年齢大分上だし。
兄の可愛さは万国共通の常識かもしれないとまで思うようになった、身内ラブ!例えば、今まで行った店皆値引きしてくれたりおまけくれたりしてるし、ね。
皆兄を可愛がっているだろう?

街とは言えない町、ちょっとこじんまりとしているようなこの町だが、悪くない。
皆笑顔だからいいんじゃね、とか他人事みたいに思っちゃったりして、…笑顔の裏とかあったりどうなっているのかなんて知らないのに、疑ってもしょうがない、疲れる。

そしてそんな買い物道中で最後に辿り着いたのは、


『…おにいちゃん、ここ、なに?』

「雑貨屋、だよ。ちょっと待っててね!」

『うん』

「ふふ、偉い偉い。」


撫でられた、照れる。
ってか俺の滑舌悪いなー(まだ五歳児)。
全部平仮名じゃん、しかも言葉遣いは子供らしくしなきゃならねぇし。
いやする必要ないかもしれないけど、まだ五歳児だから生きていくにはそんな今から異端児とか言われてポイされたくないんだよ………、いや嘘です本音はお兄ちゃんと離れたくないからです、はい、ブラコン乙。
にしても雑貨屋とか何で、とか思っていると


「おまたせ!」

『おかえりー』

「嘉識、おてて出して。」

『(お て て !)あい。』

「はい、どーぞ!」

『?』

「髪紐だよ、嘉識の髪、伸びてきたからね。」

『わ!ありがとお兄ちゃん!』

「どういたしまして!!ニパァッ」


まだ紐長いかもしれないけど、嘉識が大きくなっても使ってくれたらいいなって思って…、と照れくさそうに言う。本日二回目のスマイルご馳走様です。
ってかちょっと聞け!髪紐だって髪紐、お兄ちゃんからのプレゼントっ!(壊)
紺と白の二本が織られていて、先の方にターコイズブルーのビーズが留めてある、何これかっこいい状態。
金は今まで買い物行った後に貰っていたお釣りという名のお小遣い、俺なんかの為に使っちゃいけないと思う。
なんか前々から目をつけていたらしいんだけどさ…、お兄ちゃんが将来天然のタラシにならないか弟は今から心配です。
でも好意は素直に受け取る派(決してお兄ちゃんの「嫌だった…?」と言いながら潤んだ瞳を見て頷くしかなかったとかそんな馬鹿な)なので確と受けとったとも。
結ってほしいと言ったら喜ばれた、超可愛い。



貴方を求める許可をください

(若干双兄のシスコンが分かった気がする、)(いや分かりたくなかったんだけど)






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