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この世界に生を授かって早五年、本当早い。

今ではもう皆に会えないって諦めている、いや戻れるわけないのは分かっていたけど。
そんなどこぞの哀川潤さんや神様みたいななんかもう何でも出来るという人ではないので、ね。

と、家賊がいない世界だが、身内は一人いる。


「嘉識っ!ニパァッ」

『おにいちゃん!』


今誰だと思ったやつ出て来なよ、俺も重々自覚してる上でやっているんだ恥を忍んでやっているんだから分かれよというわけで殴ってやるから(真顔)
…お兄ちゃん呼びとか双兄とかがすごーくこだわっていた、人識とかに聞かれたら笑われそうである。
ああそうそう、驚いたことに俺の名前、嘉識。
見た限りここは外国なのに、嘉識。
この名前は俺をどう表しているのか、人識みたいな生まれながらの殺人鬼って言いたいの?なにそれ傑作すぎて一周回って笑える。
裏世界すらないこの世界で、殺人鬼はただの殺人鬼にしかなりえないのに。
本当、誰もいない、でも嬉しかった、まだ繋がりがある。
同時にぼっち殺人鬼ということが悲しくなった。

まぁ、何はともあれ、この世界のたった一人の俺の身内のお兄ちゃんです、はい拍手。
きっかけは両親から吐きそうになるほどいらない愛情もらっている俺がうんざりしてたら(精神年齢17+3の時)それすら吹き飛ばす超天使な笑顔を浮かべて何も言わずに手をぎゅって握ってくれた。
癒しの力すごい、アンチ癒しの類とは大違い。
バカらしいかもしれないけど俺の気持ち、考えを感受してくれた初めての人間がいたのが嬉しくて大好きになった。
ほら、両親優しいっちゃ優しいけどうざったい俺の気持ち察しろよ的なKY行動が多かったから、両親もお兄ちゃんほどじゃないが結局愛してくれるので、嫌いじゃない。


とりあえず今日も素晴らしいスマイルだぜお兄たん←


あ、ちなみにお兄ちゃんは現在11歳です、六歳上。そんなお兄ちゃんがお買い物に行こうと誘ってくれたので勿論着いていきます、もし何かあったら俺が護るし。
しかし、5歳なので足がいかんせん、短い。
そんな俺の歩幅に合わせてくれるとか何なの俺のブラコン度が増しちゃうでも仕方ないよね。



酸素と水と貴方

(俺が俺であるための必要不可欠)





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