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「ピロピロピロ!目を覚ましたか!」

『…………。』


さて問題。
何故俺は縛られている?

目を覚ましたらとりあえず反射的に近かったピエロみたいな顔を蹴り飛ばしていた。いや不可抗力だ、かと言って申し訳ないと思うわけではないけど。


「俺様の名前はDr.インディゴ、優秀な科学者だ。」

『(自分で優秀って言ったよこいつ)……嘉識だ。』

「まあよろしく頼む。」

『…いや、手を差し出されても俺今縛られているから握手出来ないんだけど。何で縛られているわけ?』

「さあ?」

『知らないのかよ。』


さて、困った。
一応仲間になったから自由かなと思っていたが甘かった、この待遇だ。
とりあえず俺は仲間になったフリでいるつもりなんだが、それは見透かされていた、と考えるのが妥当だろう。
とはいえ、この程度なら隙をみて逃げ出せる……はずだ。
とにかくそのためにもやるべきこと、出来ることはやっとかなきゃならんわけで。


『…あのさー、頼みがあるんだけど、』


脱走するにもこの建物の構造を見ておかなければならない、というわけで仮にも仲間になるのだから案内してくれてもよくないとお願いをした。
そしてあわよくば隙を見て逃げたい。
どうせ、下見であるということがバレているのだから出来るだけ早く。
…ってか正直こいつ何喋っているか分からねえんだけど、何で翻訳つけてくれなかったんだ。人間語喋れやこのゴリラ野郎。
いや悪口とかじゃなくて本当にゴリラなんだって。


歩くこと…1時間ぐらいか、分からない、まあいいや。
知っている通路に出た、俺はどうやらまたあの閉鎖的な空間にぶち込まれるらしい。これはもう戻るルートだ。
見た限りこのゴリラはかなり馬鹿だと分かったし、正直チャンスは今しかないだろう。


『(電伝虫には見つからないようにする、そして俺の武器回収すること)…ね、ゴリラ、』

「ウホ?」


これは俺としてはやりたくない方法だ、めちゃくちゃはずいし羞恥心でいっぱいになるし。
でもこれしかないし逃走という点においては油断させることが大事だ。双兄の太鼓判もあるんだよな…、複雑。
手頃な部屋に入ってとりあえずしゃがみこむと不思議がってゴリラはこちらに顔を向けた。
がんば俺。


『その…、血で汚れちゃったから、……着替えたいん、だけど、……いい…?』


はい、上目遣いと潤んだ目のコンボです(真顔)
不本意ながら、大変不本意ながらもこれが効いちゃったりする、らしい。お墨付きもらったし。

…って、あ、食事中だったはずの電伝虫に見られた、ヤバい恥ずかしい羞恥プレイか。
自然と頬に熱が集まるのが分かった。はずい。
で、案の定こいつも引っ掛かってくれて(喜んでいいのか微妙である)、縄を外して違う着替えがある個室に案内してもらった。
やはり豪華な造りになっておりこれなら多少の音は聞こえないだろう。
個室に入れてもらうやいなや行動は早く、天井にある蓋を、唯一持っている武器のナイフで開けて天井裏に入り目的の武器庫まで駆け出した。
行動は迅速に!



猫撫で声がお好きでしょう?


(親分鼻血がひどいです!)(うるせぇ、チョコ食い過ぎただけだ!(女かと思った!))





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