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『……あ?』


大きな音をたてながら突然日が沈みそうな空を覆う暗闇に上を向く。
瞳孔はまだ興奮しているようで爛々と開きっぱなしで、渇いた口を少しでも潤すように唾を嚥下する。暗闇がなんだかわかった瞬間、口がぽかんと呆気にとられるを体現したように開くのが分かった。


『…………は、島?』


そう理解できた時の俺は周りの風景にミスマッチな表情をしていただろう、いやだってありえないし。
島が浮いているよ何それ笑えない、いや、飛行船とかなら分かるが、島って…ええええ…。
どうやって移動しているんだろうかこの島は。
とりあえず唖然とするしかなかった。


その不思議な島…ラピュタ(仮)とでも言っておこう。ラピュタ(仮)はこのまま上空をスルーしてくれればよかったのに、なぜかゆっくりと停止した。降られたらまずい、一発でこの島が海底に沈められてしまう。この島をすっぽり暗闇に覆うほどの大きさの島。ひとたまりもない。


「ジハハハハハ!」


島全域に突如上空からスピーカーを通して響き渡る笑い声。
島の民もチラホラ出てくる様子がこの丘から見えた、そして海軍もソヴェル屋敷が燃えている件か、此方に向かってくるのが見えた。なんだめんどくさそうだから撤退するか。どうせすぐ足がつくだろうから、この島からもそのうち出る必要があるだろう。
今、誰しもが島を覆う暗闇を見上げるのにならい、俺も見上げながらそんなことをぼんやり考えていた。


「俺は金獅子のシキ!世界を統べる男だ!」


そう声が響いたと同時に、何か、巨大な何かが、上空から降ってきた。
徐々に姿形がはっきりしてくる、それは、


「喜べ、これより計略の海へ向かう前の実験をこの島で行ってやる!!」


見たこともない巨大な動物たちだった。
そいつらが島に放たれ、島が一気に崩壊していくような様子が目に焼き付く。
なんて呆気ない、脆い。
次々と踏み潰される家々、叫び声を上げる人々、破壊される軍艦、燃え上がる炎。
ラピュタ(仮)やべぇ。バルスかよ。滅びの呪文でも唱えたのか。


『……どうでもいいっちゃどうでもいいんだが、易々と殺られるのは悪くないとは言えねーな。』


呟き、こちらに向かってくる巨大で獰猛な獣を斬り捨てる。
ズシン、と音をたてて崩れ落ちたそいつには一瞥もくれてやらず、燃え上がる町に繰り出した。



終末知らずのメリィ

(終わりなんて)(まだ見えないよ)





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