03




テゾーロに勝利した余韻につかる間も無く、明け方いたるところで爆発が始まり、町中のモニターにカウントダウンが映し出される。サイレンも鳴り出した。なんだなんだと皆んなが戸惑っている。


「みんな!急いで逃げて!テゾーロは道連れにする気よ!」


カリーナが叫ぶように放ったその言葉を聞くやいなや島中の人間が一斉に撤退し始める。俺もサンジに横抱きにされながら船へと運ばれていく。もはや運んでいただいている身で、何も言うまい。ただ、ガタガタ揺れる感覚に眉間にシワが寄るのが分かる。


『うっ…何も言うまいと思ったけど嘘…もっと丁重に…』

「ったく、ちっとは我慢しろ!」


とは言いつつもホールドがよりがっちりされて振動が伝わりにくくなったのを感じる。なんだかんだ優しい。
ナミはその場から動こうとしないカリーナに声をかけた。


「いそいで!カリーナも!」

「…先に行って。私はこの船を遠ざける。」

「何言って…!?」


カリーナがしようとしていることは正しいことだ。誰かがやらなきゃならないことを彼女がすると言っているだけ。カリーナは固まるナミに抱きつき、楽しかった、最後にあんたたちとやれてよかったと言う。そして、ジェネラル将軍モードのフランキーにナミを連れて行かせた。


船はすっかり遠ざかり、とうとう島中のモニターに映し出されたカウントダウンがゼロになる。


「おいナミ!あいつは!?」

「カリーナは、」


その瞬間、カウントダウンがゼロになって、島から花火が打ち上げられた。あれ、大爆発は?
誰もがどうなってんだとい戸惑う中、ウソップが望遠鏡を取り出して確認すると、驚きの声をあげた。


「怪盗…カリーナ、参上…!?あいつ!やりやがった!船ごと盗んでいきやがった!!」


まさかのちゃっかりテゾーロマネーは自分の物したらしい。もしかしたら最初からこのつもりだったのかもしれないが。だとしたらほんと強かな女だと思う。俺のUSBにもしかしたらこれを見越して仕組んでたのかもしれないし。
ルフィはニッと笑ってあっけらかんとした。


「なーんだ、俺たち騙されたのか!」

『騙された方が負けだししょうがないよね。』

「ええ、まんまと騙されたわね。」


ロビンとぼんやり花火を眺めながら話しているとドーン、と音がして水柱がたって船が揺れた。海軍の軍艦が何艘かこちらに向かってきているのが見えた。
おっと危ないと転びかけて腹筋に力を入れた激痛が走る。変な汗がぶわっと浮かび、膝から崩れ落ちたらロビンが手を生やして支えてくれた。ニッコリと笑う顔が含みのある笑いに見える。それを見るとイエスの返事しか言わせない感がすごい。あ、何を言われるか分かった。


「もう安静にしなくちゃ。ね?」

『…はーい。』

「海軍がいたんだった!」

「よーし野郎ども!逃げるぞ!」



結果論としては全てが上手くいくわけです
(世の中イージーモード)




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