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「さあ、ショーの再開といこうか!」


なんとかカジノ前の広場に着地したが、黄金のばかでかい手が噴煙の向こうから現れた。建物より大きなロボアーマーに包まれたテゾーロである。ずるくない?


「うるせぇな!支配なんかされねェって、言ってんだろうが!!」

「ゴオン・ボンバ!!」


ルフィの巨人のような拳と黄金の拳がぶつかったが、一瞬の均衡の後にルフィが吹っ飛ばされた。そりゃ空中じゃ踏ん張れないから正面から突っ込んだらそうなる。
さらにテゾーロの合図に従い、続々と黄金の鎧に身を包んだ幹部たち、武装した部下たちが集まってきた。


「敵の首をとったやつには特別金をやろう!さあしっかり働けよ!俺の駒としてなァ!」

『フランキー…、俺を屋根に飛ばして。』

「お前その傷で何を、」

『いいから。それに、見た目よりひどくないし。』

「…ったく、しゃァねえ!行くぞ!」


心配もよそに、フランキーに投げてもらって広場の周りを囲む建物の屋根に飛び移り、テゾーロの真横に駆けていく。 気づいてこちらに手を伸ばしてきたが、それを逆手にとって腕に飛び移った。黄金の腕できゅーと音を立てて滑りかけたが、ブーツの裏がゴムだったおかげで踏ん張ることができ、そのまま頭の方へ上り詰めていく。
足を踏み入れた地点から伸びてくる金の触手を避けながら迫り、こめかみの地点までジャンプして、刀を横にフルスイングした。
腹に力を込めたので、さっき黄金に貫かれた傷からぶしゅ、と勢いよく血が吹き出す。


「無駄な足掻きを!」

『勝ちに来たんだからここで諦めるわけないじゃん。』


ぐらり、と巨体が倒れかけたが持ち堪えて俺の方に手を伸ばしてきた。しかしルフィがその瞬間こちらに帰ってきて飛んできたと同時に勢いのままテゾーロの頬を殴りつける。
また、海の方角から砲撃がテゾーロを襲いかかった。なんかよく見ると船っぽいものがあって、海軍のマークはかろうじて見える。
しかしテゾーロは黙ってやられるわけなく、そちらに顔を向けた。


「ゴオン・フォーコ・ディ・ディオ!!」


目からビームとは。ロボアニメとかでよくあるやつ。何て言ったか聞き取れなかったけど。なんかおしゃれな技名だった。船が焼ける様を見ながら地面に落ちていく。自由落下。
それに対して宙にまだいるルフィが燃える炎の拳とテゾーロの巨大な黄金の拳がまたぶつかりあったのを落ちながら見上げた。


「ゴムゴムの、レッドホーク!」

「ゴオン・インフェルノ!!」


しかしまたもや。拳がルフィにミートした瞬間爆発して吹っ飛んだ。なんて威力のパンチだ。
うっかり見とれているの束の間、地面にぶつかる前にぐるんと体を回転させて勢いを殺して着地。
こんな巨大な相手の場合、足から崩していくパターンと頭を攻撃して倒すパターンの2つがあるがどうしたものか。
しかし考える暇もなく降り注いできた拳を避け、とりあえずまた腕に飛び移って一気に上まで駆け抜けていく。足からちまちまやるより頭倒してKOさせた方が早そうだし。
だが相手もバカではない。二度も行かせてくれるわけなく、もう片方の拳が横から迫ってきた。作戦変更。頭の前に腕を壊す。
両腕で刀をしっかり握って集中するために一呼吸。目指すは拳のど真ん中。
迫る拳。潰されろという声。拳圧と風圧が大きくなる。ミートのタイミングを合わせて一歩強く踏み込んで、拳のど真ん中に突きを放った。

誰もがその少年が吹っ飛ぶ様子を目に浮かべたが、鈍い金属音が響き、拳がピタリと止まる。ぎちぎちと音を立てながら拳を止めている。
決して悪魔の実の力やパワーがあるわけでは無いはずの少年が刀一本で均衡を保っているのだ。


「何だ…!どこにそんな力が…!」

『壊すって、言ったよね!』


覚えてろと言ったよね。
ぐ、とさらに踏み込んだ足に力を込めれば血がさらに傷口から噴き出してきた。みしりという音も拳から聞こえる。
あとひと押しで、と思ったが運が悪かったのか。血が足元に流れたせいでずるんと踏ん張っていた足が滑って体勢が崩れ、なんとか体をひねって拳を交わした。しかし、宙に浮いたこの状態では。


『惜しかったのに。』

「残念だったな、くたばってろ!」

『あ゛っ、』


ぼきり。嫌な音が身体中に響いた。目の前が一瞬ばちばちちかちかと真っ黒と真っ白に点滅した。
振り降ろされたチョップを刀で防ぐが気休めにしかならなくて一気に勢いよく下降し、地面に叩きつけられた。刀を持っていなかった左腕でとっさに後頭部に手を当てていたので頭ぱかーんにはならなかったのが救い。どっか太い骨をやったのか正確な場所が分からないけどとにかく折ったであろう場所が熱いし痛い。痛みのせいで動けなくなる。地面にめり込んだまま悶絶した。
嘉識!と悲鳴に近いような絶叫に近いようなナミの声が耳に入るが返事できない。今声出したら痛みのあまりに叫んじゃいそうで歯をくいしばるしかできない。



機能停止中.....
(痛みでショートした)




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