04
斧がゾロの首を吹っ飛ばす一秒前、がちゃんと一斉に船中の全ての照明が落ちる。黄金の斧もすんでのところで停まった。
予定にない事態にテゾーロたちは戸惑った。
「なんだ、どういうことだ。」
「…ふふふふ、」
「何がおかしい!」
だまされたのは、どっちかしら。その言葉に俺の口角もくっと上がった。
ナミの言葉と同時に黄金ではない水が至る所から降り注ぐように噴き出す。さながら雨のように。それを浴びるや否や、黄金の支配がぼろぼろと崩れて解けていく。
地下からつながっているため、フランキーも放出されて無事に出てきたみたいだ。
俺を串刺しにしている黄金の串も崩れ、顔面から地面にダイブした。ばっ、って変な声出た。これ鼻血出たかもと思いながら体を仰向けになる。しんどい。疲れた。もう動きたくない。
さてネタバラシの時間というわけで、憤るテゾーロに対してカリーナがナミ達の方に歩を進めた。
「おまえたち、…何をした!」
「悪いわね、あたしが本当に組んでいたのは麦わらの一味。」
「あたしたちには金庫もお金もどうでもいい!これがあればね!」
「俺たちはわざと落ちた。海水のパイプを噴水のパイプを繋ぎかえるためにな。」
『そんで俺は12時に自動で噴水が上がってくるようプログラムを仕込んだというわけだ。セキュリティざるでしょ。』
「いやお前起きて言えよ!!」
「欲しいものは力で奪う!さあ、仲間!返してもらうわよ!!」
ウソップからツッコミが入り、刀を杖代わりにしながらよっこいしょと言いながらしぶしぶ起き上がれば、一際大きな噴水の中からよく知った声が響いてくる。
「テゾ〜〜〜ロ〜〜〜〜ッ!!!!」
おおきな噴水とともにルフィも無事でてきた。
「やったわルフィ!作戦成功よ!あとはあいつをぶっ飛ばすだけよ!」
「さくせん?」
『まあ知らんよね。』
「だよなァ。」
「どうかしら、世界一のカジノにふさわしいんじゃないかしら?」
「「これぞ、究極のエンターテイメンツ!!!」」
そう声を揃えてテゾーロと一味が対峙すれば、テゾーロがわなわなと震えだす。俯く表情は見えないが憤っていることは分かる。よっぽど、こたえたのだろう、エンターテイナーとしてのプライドが崩れたか。
「俺の前で……!!」
「テゾーロ様?」
「…俺の前で、…俺の前で!!俺の前でッ、笑うなァァァアッ!!!」
その咆哮の瞬間、カジノタワーが爆発した。うわ、怒った。大きな黄金の波が現れ、観客たちを次々と飲み込んでいき、その衝撃でさらに足場が崩れていく。ここカジノタワーの屋上なんだけど死ぬんじゃないかこれ。高さどんだけだろう。
今、自分がいるのは賭場なんだ
(賭けたは命もろとも)
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