01





すっかり夜になっていよいよ一発本番の作戦開始の時間。一回の失敗すら許されない。
俺とルフィとフランキーは黒いライダースーツのような衣装でなるべく目立たないようにしながら、外壁登って時計部分から侵入して金庫につながる螺旋階段の電伝虫を切るためにホスト電伝虫に仕掛けを施す作戦。その間にサンジやナミたちのチームがどうにかして金庫に行ってカリーナの鍵でお金をゲットっていうわけだ。
セキュリティコントロール室の上にちょうどホスト電伝虫がいるらしく、俺はこのホストにルフィたちが仕掛けを施した後、プラスアルファの作業があるとのこと。
ちなみにこのプラスアルファはルフィには言ったところでややこしくなるし、絶対敵にばれちゃいけないので秘密とナミに口すっぱく言われた。

外壁を蹴るように走ってようやっと半分のへりにたどり着いた。さらに上半分はつるつるしていてなかなか登りづらそう。
しかし想定していたフランキーの秘策、スッポンロケットが壁にぺたぺた貼り付けられて俺はそれを足場にして跳んで先に難なく登っていけた。スッポンロケットって、そのままスッポンがひっつくだけなんだけど。
登り切って時計の部分から下を覗くと、後から続いてくるはずのルフィやフランキーが下ですったもんだしている。
はらはらしたがなんとかばれずに済んだが、窓とかから絶対見えたと思う。
そのまま時計のガラス部分に穴を開けて内部に忍び込んで、ようやくホストの真上にたどり着くことができた。ここまでなんと騒がずに来れたと一安心。
眼下をのぞけば見張りがウロウロしている。
換気用の鉄格子をフランキーが慎重に開けて、ルフィがそこから下に手を伸ばして白電伝虫を専用パイプに取り付けようとした。
しかし届かなくてぎりぎり間に合わず、見張りが振り向く前に腕をぎゅるんと戻す。そして続いて2回目のトライではなんでか、…ほんとになんでか分からないがルフィはこちらから手を離して下に完全に着地して取り付けた。いやグーって親指たてたけど。
無論、ばれる。バレるに決まってる。それやってどこに隠れんの。
あっという間に警報音がやかましく鳴り響いて、フランキーと顔を見合わせて同時にため息。


『あー、どうする。』

「おめェはここにいろ!」


フランキーが降りてすぐさま見張りに囲まれ放たれた銃弾からルフィを守って煙幕弾を発射した。
急いで撤退しようと2人がそこから走り出すが、噴煙の向こうから、フランキーの左肩を黄金の蔦が貫いたのが見えた。思わず体を乗り出しかけてしまったがなんとか思いとどまる。
待て待て待て。おかしいほど早いお出ましだ。するるるると笑うタナカさんに連れられテゾーロが現れた。
ゾロの処刑ショーのチケットの売れ行きが過去最高で感謝しているという言葉といっしょにゾロの処刑前の映像が映し出され、ルフィは怒りに任せてテゾーロに殴りかかる。
しかし黄金の盾がルフィを弾き、あっという間に両腕を黄金で固め、床に叩きつけた。そして間髪入れずタナカさんが襲いかかる。


「ボトムレス・ヘル!」


そして2人はタナカさんの能力によって地下に落とされていった。あっという間にこうなるとは。
爪が手のひらに食い込んで皮膚が切れていたのが分からない。口の中に血の味が広がる。今すぐにでもあいつら、壊したい。血が沸騰するような感覚で頭がぐらぐらする。


「フン、口ほどにも無い。で、…お前は?降りてこないのか?」

『……、後で、覚悟しといて。』


忌々しくも憎々しくも苦々しくも思うけど、これで終わらせてはいけない。まだ2人とも生きている。なんとかしてくれる。なんとか、たどり着いてくれる。自分を押し殺しながらその場から去った。追ってくる気配はしなかった。



悔しさが顔にでてる
(やれるもんなら)(やってやりたい)





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