05




『んむ、む、ねむ…』

「おきろーー!」


チョッパーにぼふんと飛びかかられ、布団を剥がれる。
外気に触れた体はぶるりと震えた。あと15分という声も虚しく、布団から床に転がされた。鬼畜か。朝から早々と侵入準備に取り掛かる面々。昨日あらかた作戦をまとめ、早速テゾーロマネーゲットのため動くためこんなきびきびしているのだ。
朝ごはんを食べながら侵入ルートなど改めて作戦を告げられ、その後、個別にナミとカリーナに呼ばれる。


「はい、あんたにはこれを任せるわ。」

「これをなんとしてもセキュリティコントロール室に。」

『例のUSBね。今更だけど、ほんとに俺でいいの?これ。』

「あんたが適任。ルフィじゃすぐ熱くなっちゃうしフランキーは目立つわ。そっちのチームの方がセキュリティコントロール室に近いし。昨日言った通りだけど、指定の場所に刺してプログラムを書き換えて。絶対よ。」


重要な任務だ。ほんとに。中身の詳細はとりあえず作動してからのお楽しみにってことで。
預かったUSBを大事にしまい込んで部屋を出た瞬間、カラフルでヘンテコな格好をしたルフィとチョッパーとウソップに捕まった。
侵入のために買い漁った衣装を着て楽しんでいるらしく、お前も着てみろよとあっという間に追い剥ぎのように服を取られて着せ替えさせられる。なにこのカラフルな服は!
いざ着替え終わると全員がこっちを見てそのまま何も言わない。ウソップが微妙な顔をしてやっと声を発した。


「お前…違和感なさすぎてこえーよ。」

『微妙な反応過ぎてなんかもう、いたたまれない。』

「似合いすぎて言葉が出ないのよ。」


ロビンにちゃんと似合っているわと笑顔で言われても嬉しくない。
安いショーに出てそうなカラフルな女物のワンピースを着せられ足がスースーする。いや恥ずかしい。ズボンがほしい。猛烈に早く脱ぎたい。
ルフィやチョッパーが親指を立ててグーってやってたらナミが遊んでいるなと怒りの鉄拳を下した。
俺にも殴りかかってきたかと思って、眼をつぶったが、もっとセンスのいい服を今度着させてあげるからと言われ、頭撫でられた。いや違う。そういうことじゃない。服のセンスにケチつけてんじゃなくて、着ていること自体にケチをつけたんだけどという言葉は届かずだった。


享楽
(束の間のおふざけタイム)




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