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豪華絢爛眩しいほどのネオン看板が待ち受けていた船の入り口に吸い込まれるようにして入っていくサニー号。一攫千金が狙えるカジノ船らしい。
のんびり湯船に浸かっていた体を起こして壁のバーに掛けてあったバスタオルで体を拭く。すっかり温まった体から蒸気がもわもわと上がっている。あつい。
早く来いよ嘉識、という声に生返事で答えつつバカンス用に用意してもらった服に着替える。長袖シャツにハーパン、スリッポンとお気楽仕様だ。
ざっと乾かして若干まだ湿っている髪を束ねて浴室を出た瞬間、船の近くの水面に砲弾が着水して水しぶきをあげたのが見えた。
どんちゃんと騒がしい音楽が鳴り響き、煌びやかなショーをやっているのが見えるあたり、メインの場所についたらしい。いやてか金色の水ってすごくない?環境的にオッケーなのこれ。
そんなツッコミを脳内で1人でしていると、指パッチンが鳴り、その瞬間サニー号と砲撃してきた船にスポットライトが当たったのを見る限り、そういうことすらショーにしてしまう支配人と見た。専用のステージで踊り続けている。いや俺まだ髪の毛乾ききってない。


『だけど、まあお望みとあらば?』


大手を振って久々の呼吸ができる。
乗り込んできたからにはおもてなししてやろうではないか。
にたにたしながらロープを登ってきた男たちの顔面を漏れなく踏みつけながら降りて、先に甲板に降り立ち、ロープから降ってくるそいつらを見上げるようにして待ち伏せする。


『仇なすあんたたちが悪い。』


落ちてきたタイミングを見計らって腹をかっさばいてやればはい終了、斬られた場所から血を吹き出しながら船の外に吹っ飛んでいく。
船も汚してないからいいよねと思っていたら髪に血が付いていて、それを見逃していないナミにもう一回お風呂行きなさいとどやされお風呂にUターン。さすがに血なので拭けばよくない?とは言えない。
ちょうどルフィもあっちの船長にとどめを刺したようで勝負は決したも同然だしまあいいかと思いながら、風呂場の蛇口の水で汚れた部分だけすすぐ。いやお風呂の水まで金になってなくてよかった。
風呂場の中から外の様子を見ると、船長が敗れた彼らに戦意はないようで逃げ行く彼らを見送るクルーの面々。
しかしそれとは真逆にそうはさせない支配人らしい。
金色の何か触手のようなものが水面から伸びてきて逃げようとする彼らをとらえ、そして、金色の像のように固めていった。
悪魔の実か。
ゴールデンスプラッシュという掛け声の後、金色の噴水があちこちから船全体に降り注ぐように吹き上がって、まるで勝者を祝福しているように見えたが、なんだかいい気はしなかった。もてなされてるわけじゃなくて、もてあそばれてる感じするんだけど。


領域
(怪物のテリトリー)(踏み入れた足)




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