06




先ほど食べ物ぶちまけてきたおこぼれ町辺りで突然カイドウが現れた理由はもしかしたら、ルフィたちがいることがバレたからかもしれない。さっきトラファルガーがバジル・ホーキンスとやり合った時は隠れてろって言われたから俺はバレていないと思うが、トラファルガーとルフィとゾロの存在はバレてるはず。
サンジにトラファルガーが責められていたが、責められる筋合いはないと反論して、とりあえずきっとルフィのせいだとナミとチョッパーが謝った。いやその通り。ご察しの通り。
炎で燃える町を見て、ルフィが行こうとしたが、待てバレるぞとストップがかかる。しかし龍は叫んだ。


「おい!麦わらのルフィに、トラファルガー・ロー!この国に来ているんだろう…!」

『バレてるじゃん。』

「ドレス・ローザではよくも俺様の取引を邪魔しやがって…!」


お怒りである。町をめちゃくちゃにし始め、ルフィはその様子を見てとうとう堪え切れなくなった。ダッシュで向かい始め、皆後を追おうとしたが、トラファルガーが俺が行くと言って制止した。曰く、これ以上見つかれば一味大捜索が始まるし錦えもんの作戦がバレたわけではないのだからというもっともな理由。
さらにお菊が錦えもんに耳打ちをしてその場を急いで離脱する様子も見えた。何かあったかな。
そんなわけでどうしようもないので、ぼんやりとしばらく龍が空を飛び回っている様子を眺めると。


『ん?』

「気づかれた…?」

「この距離で気づくわけ、」

『全員退避!!』


町の上空を通過してこちらに向かってきた龍の口がぱかっと開いたのを見て思わず叫ぶような声が出た。
一瞬の間の後、まばゆい閃光。熱。
くノ一であるしのぶが、後方で地面を熟れさせて穴を開ける様子が見えたが、間に合わない、上等。刀を手に取った。3秒だ。


「おい嘉識!!」


ウソップの呼ぶ声が聞こえた。
刀をぐるんと円を描くように回転させ続けながら俺もすぐ退避できるよう後方へ跳ぶ。扇風機の要領。熱と光の塊が刀にぶつかってすれすれの温度が、刀を持つ手、顔を熱くさせる。その間が永遠のように長くも感じられたが、バカ何やってんだという声とともに帯を掴まれて穴に引き込まれた。その部分だけ地面がグズグズになって沈んでいき、穴の上をものすごいビームが通り過ぎていくのを呆然と見やる。
一瞬とはいえあれ止められたって俺すごくない?


「ばか!無茶して!」

『まあ、あの、時間足りないと思ったから。』

「知ってるわよ!ありがとう!」

『怒りながらお礼言われた…。』


ところでこの地面沈下いつまで続くのか。


酸欠になるくらいに
(息を止めた)(力を込めた)




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