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紆余曲折船酔いしそうなほどの航海を乗り越えてたどり着いた先は海を歩き続ける象だった。
いや島そのものがそんな象だとは思わなかったわけで。信じられないくらいでかい。
ぽかんとしていると後頭部を刀の持ち手でトラファルガーが小突いてきた。


「なんだその情けねェ面は。」

『驚きに満ちた顔と言ってほしいね。』

「どっちでもいいだろ、上陸するぞ。」


どっちでもよくないから反論したんだけど。
文字通り象なので島ではない、よってログポースでは辿れないし動き続けるしな幻の島ということらしい。
象の上にはミンク族という人を嫌う種族が1000年近く住んでいるらしい。
ではこの象は1000年以上生きているということか、おじいちゃん象じゃないか。いや寿命がもっと長いならまだまだ若かったりするのか。でも俺たち人間からすれば長生きなのには変わりないだろう。

すでに着いていたサウザンドサニー号には誰もいないようで、後を追うように登山というか登象の準備をし始めた。


「先輩方!足りねェ物はねェべか!?このまんま着いてって夢の麦わらオールスターズを一目拝見してェけんど、とても神々の冒険のお邪魔はでぎねェし!おらだづの幸せバロメーターはすでにフルスロットル!いづかまたお会いする日には!おれたづ全員、麦わら傘下の名に恥じぬ実力を身につけて参上仕りますゆえ!!そん時もしお役に立てましたならば!残る四枚の神の雫!頂戴できますれば至極光栄に存じますだべェ!!」


見事に全員スルーである。今甲板に筆で描かれているものにみんな夢中すぎて彼らの別れの挨拶なんて無視してた。
無視されても幸せそうなのでほっとくけど。
絵から現れたのはその絵柄のまんまんの龍である。
いや乗れと言われてもすでに必死でかわいそうな気がしないでもない。
しかも飛ばずに象の足を歩くとな。
まあそれ以外の方法があるわけもないので渋々捕まり乗ってみればなんだかもっと可哀想に思えた。
しかもなんだかぜえぜえ息を切らしてるような。


「そういやお前らなんでゾウに行きてェんだっけ。」

「そうでござるな、お主らは恩人。いずれ全てを話さねばならぬが、まずは安心させてくれ…!」

「うむ、このゾウこそが我らの目的地。モモの助は無事であるか、また海上にて逸れたもう1人の同心、忍者の雷ぞうは無事にこの島にたどり着いておるか確認したい。」

「え?!忍者!忍者なのか?!?!」


さすが男子たるもの。後ろを一斉に振り向き、全員食いついた。



あなたも男の子よね

(男イコールロマンなんてナンセンス)





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