03




バタバタとしながら一行揃って小屋を出る。俺はゾロに刀ごとおんぶしてもらって脱出した。
重りの変わりにもならなェと言われたが、いつも何百キロの重りを負荷にしている筋トレマニアからしたらそれはそうなのだろう。
とても訛りのすごい黄緑の男が迎えに来たと思えば既に海軍はこの丘まで来ていたらしく、黄緑の男のバリアによって銃弾が弾かれる道中を駆け抜ける。バリアってすごい便利そうで羨ましい。
しかしそんな中ルフィ一人立ち止まって、何やら用があるからと言ってどこかに走り出して行った。
まあ彼が自由なのはいつものことだし、一味の面々は気にならない様子だ。

協力者の支援を受けながらさっさと用意してくれたという船に向かって港を駆け抜ける。俺はおんぶされっぱなし。
しかしタダで逃がしてくれるわけもなく、大将藤虎が見る見る内に飛んで近づいてくるではないか。今までどこにいたんだか。


『俺が行くしか、』

「ボロボロのくせに何言ってやがる。俺が行く。」

「やめてけろ!ルフィ先輩たちが来るまで俺たちが食い止めるべ!」


そんな戦意高めな黄緑の男はじめ、協力者たちが船の前に防衛の構えをとるが、大将ともあろう男には無駄である。
そう言わんばかりに目の前だけでなく、国にある瓦礫が全て雲のように上空に漂い始めた。こんなの相手にできるわけない。こうなると能力者ってやっぱチートだなと思う。
そして戦っても無駄だと早々に船に撤退する中、ようやく、とうとう我らが船長が対象の後方から姿を見せた。


「ウオー!ルフィ先輩ィ〜!急いでけろー!!一直線に船に乗ってけろォ!そこの藤トラに気ィつけてビュンとかわして!」


その言葉に反してルフィは、殴るぞと声を上げて殴りかかった。


「いつか倒すじゃ、もうダメだ。大将だからって何で逃げなきゃならねェんだ!そういうのは2年前で終わりだ!海軍大将だろうが!四皇だろうが!!全員ぶっ飛ばしていかなきゃ!俺は!!海賊王にはなれねェんだ!!!」


きっとそういう成長をしたのだろうが、だがまあ状況よく見てほしい。倒すとかそういうの抜きに今全員もれなく瓦礫の下敷きになりうるピンチなのだ。
そんな事お構いなしに殴るだの蹴るだの言いながら戦うスタイルは皆妙だと思ったらしく、戦っている当の本人である藤虎すら何のつもりだと憤った。
紛れもなく侮辱にも受け取れる行為だろう。
たとえ彼のことが好きだからとかそういう理由があっても、敵である限りそういうところがやっぱ頂けないのだ。
それが彼らしいと言えばそこまでだが。
吹っ飛ばされて来たルフィを巨人が確保し、全員が船へと向かい走り出した。


一生懸命だってわかるけどな

(タイミングが違うと思うわけで)




165/224

 back



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -