02




ルフィの目が覚めたらもう騒がしくて、ご飯食べながら怒りながら泣きながら寝ながら忙しない。
とりあえず食い意地張っていることはわかったが。
ちなみに俺は回復力は常人並なのでいくら小人の治療を受けたとはいえ、まだ動けず、特に糸で貫かれた右足はまだ引きずるし、肉が削がれたというか、意図から脱出するのに自分で削いだんだけど、右手は物を持つにも一苦労である。だからこうやって箸で食べようとすると、


『あ、』

「またかお前。」


ため息混じりにゾロに言われた。
自由な左手で箸をつかむのがなかなか難しく、こうして落とすことがよくある。一度挑戦してみてダメだった場合、ロビンが手を生やしてあーんしてくれるのだが、ちょうど食べたいものがゾロの手前の皿にあったので彼に向けて口を開けて見せた。訝しげな表情。


『そこの春巻き食べたいから、はいあーん。』

「はいあーんじゃねェよ!自分で取れ!」

『まあまあまあ、はい。』

「…ったく、ほらよ。」

『む、ぐっ!』


そんな春巻一本まるまる入るような口ではないので詰められれば当然むせ返る。パリパリの皮のかけらが気管の変なところに入った。やってもらっておいてなんだが、下手くそめ。
睨むようにして隣に座るゾロを見やれば、ばっ、と何か言いかけて顔赤くしてそっぽ向いた。
ばっ?ばって何。
それを見ていたロビンが気を利かせ、机の上に生えているロビンの手を増やし、目の端ににじんだ涙を拭ってくれたり水を差し出したりしてくれて至れり尽くせり。介護される人ってこんな気持ちなのかと思いながら水を口に含む。

そして話題はルフィが怒っている件について。
どうやら元ブリキの兵隊おもちゃだった人がレベッカというピンクの髪の女性の父親らしい。しかし母親は王族の者であり、今回の件で娘は王宮に迎え入れられたことから自分以外のものを父親として噂を広めたことがルフィのお怒りポイントとのこと。
まあ確かにこれじゃ娘の気持ちシカトしてるしと思いながらバターロールにかじりつく。
父親の想いもあるだろうが、案の定ルフィは納得した顔ではないのは見て分かる。むしろ分かりやすいほどの不満いっぱいの顔だった。


コーヒーと牛乳

(牛乳の方に口をつけた)




164/224

 back



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -