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『…ありが、と。』

「あとは、麦わら屋次第だ。」


ルフィが現れたことによって俺たちは邪魔だったので、ピンクの髪の女性も黒髪の女性も含め、トラファルガーの能力で少し離れた場所に避難させられる。トラファルガーの切られた腕の切れ目らへんから包帯越しに血がだらだら出ててとても痛そうで、思わずしかめっ面。
まあ、かく言う俺も飛ばされて来て倒れたまま動けないんだけど。
ドフラミンゴの能力により街が糸に変わり、ルフィを呑み込むようにうねり始めた。
何十、何百もの糸の束に突かれ、最初はなんとか武装色で堪えるが次第に刺さる本数が増え始めてそして、ルフィを呑み込んでしまう。


「ルーシー!!」


その悲惨な様子に叫ぶ女性。
しかしなんとか辛うじて生きているようで、また先ほどの見た目が様変わりした形態で宙を蹴り、ドフラミンゴの頭上まで一気に駆け上っていく。
気力を振り絞り、力の限りを尽くして彼は叫ぶ。


「何でもかんでもお前は手の中に閉じ込めて!どいつもこいつも操ろうとするから!!俺は息が詰まりそうだ!!!」


ドフラミンゴに激昂し、腕にさらに空気を送り込むことでより巨大な武装色の腕を作り上げ、拳を振りかざした。
俺たちだけではなく、戦況を見守る国民たちまでもが空を見上げ、祈るようにルフィを見やる。誰もが期待しているKO宣言。
そして、怒りの一撃が放たれた。ドフラミンゴの糸の攻撃をものともしないその巨大な拳はとうとう彼に届き、勢いがままに建物や地面すらを壊しながら、言葉通りKOにするべく渾身の一撃を叩き込む。
そして爆音、轟音、地響きが鳴り響き、誰もが固唾を飲みながら、言葉を口にすることなく勝負の行方を知りたがっていた。
ドフラミンゴは果たして。この国の行方は果たして。


「空を見よ!!ドレスローザ!!」


声高々と響くそれは紛れも無い勝者を、この国の自由の始まりを告げる声だった。


世界は君の手の中さ

(まるで少年漫画のヒーローのようだ)




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