01




コロッシアム前。
ドフラミンゴにやられ気絶したローを王宮に連れて行くべく、ドフラミンゴと海軍大将藤虎はそこから飛び立とうとしていた。
その場に居合わせたルフィ、ゾロ、錦えもんらは手が出せず。ルフィにいたってはコロッシアム内にいる状況。


「ロー殿!!ロー殿ォ!!」

「何で2人とも飛んでんだァ!?」

「息はあるのか!!?返事をなせれェ!!!」


ルフィ、ゾロ、錦えもん。彼らの始末はその場にいる海軍に任せ、王宮に向かおうとしたその時、ドフラミンゴのサングラス越しの視界に動く影が写り込む。藤虎の言葉を聞いたが、これは予想していなかった。


「フッフッフッ!こいつァ驚いた…。」


早い復帰だと呟きながら視界に捉えたのは、屋根を伝って駆けより、迫ってくる明るい髪の色。
先程隣にいる藤虎から地面に叩き落としたと報告を受けたはずの男がこちらを鋭く睨みつけながら、全身血にまみれた満身創痍の状態で向かってくるではないか。


「おい藤虎、まだ足りねえってよ。」

「…すぐ終わらせやしょう。」


手前の屋根から跳ぶ。一歩。二歩。三歩。
空中で距離を詰め、逆光で顔の様子はあまりよく見えないがぎらついている目が彼らを捉え、刀を大きく振りかぶるその姿で、ドフラミンゴにも、目が見えぬ藤虎にさえも鬼気迫る気迫が、純粋な殺意が伝わってくる。殺すという明確な意志がここまで伝わるものか。
太陽の暑さのせいとは違った汗が背筋を伝う感覚。言葉にするならぞわりという言葉が当てはまるであろう感覚に襲われた。
藤虎が刀で彼の重い斬撃を受け止め、食われかねない勢いに圧倒されかけたがすぐに気を持ち直し、そしてそのまま、重力を加え加速させた落下速度でその少年を再び地面に叩き落とした。
地面にヒビを入れながら伏せられた少年から血がつう、と染みながら放射状に広がっていく。
そして今度こそ、その場を去っていった。


お前のせいで血だらけだ。

(紅に染まる朱色)




146/224

 back



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -