07




トラファルガーがまた橋をバラバラにし、とうとうドレスローザに足を踏み入れた。
その瞬間背筋にぞわりとした何かを感じ、すぐさまその場から離脱するとドレスローザの奥からからんころんと下駄の音を立ててやってくる人影が見える。


「藤虎…!!」

『藤虎?それってやばいやつ?』

「バカ!!海軍大将だ!!」


黄猿と同じ海軍大将。てことはさっき隕石を降らせるような真似ができたのも納得が行く。
しかし明るみに出たその姿はどうやら盲目らしい。


『じゃあ、ここは俺がその大将なんとかするよ。だからトラファルガー、君はそのピンクをどうにかして。』

「大将相手に何言って…!」

「フッフッフッ!いいじゃねぇかロー!そのガキの言うことに乗ってやんな。」


その言葉と共にローにしかけるドフラミンゴ。
なんと、ドフラミンゴがこちらの話に乗ってくれるとは。


「…あっしの相手はローさんじゃない方ですかい?」

『そうだとも、不満かい?』

「一応聞きやすが、あんたは海賊なんで?」

『麦わらが一味、名を嘉識。』

「ああ、…2年前黄猿さんと張り合ったって人ですかい。」


ご名答、大正解。そりゃ油断ならないと呟き大将藤虎は細身の刀を逆手で構える。
こちらこそ盲目だからって油断はしない。だって大将でしょ?
こういう手合いに考えられる戦い方は2つある。
1つは能力に捕らえられないようなスピードで動いて撹乱させながら仕掛けるやり方。だがこれはまだ完治していない体には負担が大きい。
従ってもう1つの方法を採用。能力を使う暇なく連撃を仕掛け、純粋な斬り合いをするように仕向ける。
一気に距離を詰めて刀をぶつけるように荒く、能力を使わせることがないように速く、止まることなく攻撃し続ける。


「こいつァ、確かに鬼のような攻撃。」

『そりゃ殺人鬼だから。』


盲目相手とか考えずに足払いをして斬りつければ、すんでのところでぎりぎりの避け方をされ、浅く肩口を斬りつけた程度になってしまった。


「…だが、何か庇っているようで。」


目が見えずともそこまで分かるのかと驚く。
パンクハザードで肋骨が折れていて、それがまだ治っていないため体重の乗せ方が甘くなっているのは自分で分かっていたが、まさかバレるとは思わなかった。
ぶつかり合った刀を弾かれ、仰け反った体を倒すまいとたたらを踏むような足取り。
刀を背後の地面に突き刺し止まり、そのまま空いた距離を詰めようと駆けるもいきなり目の前の地面が陥没した。


「おや、もう一歩後ろでしたかい。アンタの速さならと思いましたが、…こいつァ難しい。」

『…ナチュラルにバカにしてくれちゃってるの自覚してんのかな。』


頭にきた、ぶっ壊す。刀を構え、大きく跳躍し上段から振り降ろすと横に避けられ、そのまま地面に大きく亀裂が入った。
横に振られた刀を地面に突き刺した刀の面で受け止め、そのまま上に向いている柄を掴んで跳んで横っ面に入るようにつま先蹴りを食らわせる。
よろけたその体に引っこ抜いた刀で突きを放ったが、鈍い音を立てて刀で受け止められた。
そして間髪入れず懐に迫って下から上に斬りつけようとしたのだが、懐に入った瞬間、重くなる。
刀が地面から離れないぐらい、立っているのがぎりぎりな重さ。踏ん張るので精一杯。


「突っ込んでくると思っていやした。…博打はアッシの勝ちのようで。」


手負いで向かってきたその漢気に免じて、この場はこれで収めやしょう。その言葉を最後に、海軍大将の姿は見えなくなった。


ダメージホール

(地面に沈んだ)




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