01




いつのまにか姿を消していた生首侍の行方を追ったサンジとゾロとブルック。さて自分たちはどうするかと考えたがとにもかくにも中身がごちゃごちゃなままなのは嫌らしい。


「とにかく一刻も早く私たちを元に戻して!もう変態でいるのはいや!」

「オイオイほめ殺しかよ〜!」

「チョッパーでその表情やめて。二度と。」

『同感、イメージを損ないます。』

「アァン?別にいいだろンなこと!問題はァ…あのガキどもだな、結構厄介だぜェ?」

「フランキー、あなたもうその姿で喋らないでほしい。二度と。」

『…。』


そこまでは言いませんけど。
そんなこんなしてたらでかい子供が苦しみだした。次々と大きめの子供らが苦しんで頭を抑えながら倒れていく。しかしチョッパーは、治しに行くそぶりを見せなかった。


「お前たち今欲しいものはないか?いつもこの時間何をしている?」

「いつも……?検査があって…、そのあと…キャンディをもらうんだ…」

「キャンディ?」

「しゅわしゅわと煙が出てきて面白いし、おいしいんだ。」

「そうだ…アレ食べたら…、オエ!…アレ食べたらいつも幸せな気分になるから…!楽になるかも…!」


嫌な予感がする。こんな子供にとは思いたくないが、この症状はテレビの特番とかでよくやっていたと思い出した。


「茶ひげって言ったか!お前は何を知っているんだ!?この子たちは病気なんかじゃない!!」

「そのガキどもは難病を抱えている!慈悲深いマスターはわざわざ他の島からそいつらを預かって彼の製薬技術で治療を施している!愛の科学者だ!」

「違う!NHC10、子供達の体内から出てきた。微量だけどこれは、覚せい剤だよ!!世界でも決められた国の決められた医師しか使っちゃいけない!本来の用途、病気の治療でも中毒に達する極量まで使うことはない!この子たちは少しずつこれを体に取り込み続け、もう慢性中毒になっている!何のためだ!!こんな子供に!!研究所から逃さないためか!!」

「おめェマスターを侮辱すると承知しねェぞォ!!」


わざわざ他の島から預からなきゃならない理由が、バレないためだとしたら?ここは絶対にログ辿ってじゃ来れない、そんなところに子供を連れてくる理由は?
治療してんなら大きくなる病気とやらが治るはずなのに、むしろ悪化してしまっているのは治す気ないからなんじゃないの。そんな推理が浮かび上がった。
ルフィが飴をとってこようかと提案する。


『ダメだ、待って、薬をさらに与えれば中毒からもう抜け出せなくなる。』

「そうだ!!もう二度と口にさせちゃいけない!!きっとそれで知らず知らず子供達は薬物を摂取していたんだ!!」

「麦わらのお兄ちゃん、キャンディ持って来てくれるの?」

「ん?…いや、だめだ!あいつらがそう言うならだめだ!チョッパーはうちの船医なんだ、信じろ!」

「何で…!さっきとってきてくれるって言ったじゃんか!!」

「え?」

「言ったじゃんかァ!!!」


癇癪とはほど遠い凶暴さ。ルフィを壁に思いっきり叩きつけるほど吹っ飛ばせるなんて子供の腕力とは思えない。
さらにそのまま制御がきかなくなったように暴れ出して自分の体より大きな鉄パイプまで持ち出した。
大きくなってしまう病気は存在しないとチョッパーが言うのを聞いて、では彼らは意図的に大きくなる実験をされているということかと推理が進む。
しかし何のためになど考える間も無く他の大きな子供たちも暴れ出して来て、いよいよ手がつけられなくなってきた。
ルフィが臨戦態勢をとるが、傷つけかねない。物事には向き不向きがあるもので、ウソップが見事に子供達を眠らせるガスを打ち込んで、事無きを得ることができた。


サディスティック・ホワイト・シュガー

(甘い罠)(危険な罠)




123/224

 back



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -