02




マスターとやらのところに行くルフィ達とは別にフランキー姿のナミとサンジ姿のチョッパーが子供たちの元に残るということになり、流石に彼らを置いていくのは言っちゃ悪いが頼りないので、俺が残ることにした。
チェーンで縛り付けられた子供達を眺めるとなんだかかわいそうな気がしないでもないが、暴れられても面倒なのでこれが最善である。
しかし彼らが言って間もなく何かが近づいてきた気配がする。
まあ、敵、だろうおそらく。
爆音と衝撃が建物を襲い、すぐさま外に出るとばかでかい銃撃が飛んできた。物理的にでかい。


『ここ崩されちゃあ困るね。』


前に跳んで斬ったら、黒煙から目の前に自分より大きなサイズの銃口が現れた。


「お前も殺しのリストに入っている。」

『奇遇だ、偶然だ、俺のリストにも今しがた、お前、いやお前ら入ったよ。』


目の前から放たれる銃撃を避けながらもう一体どこいったと探れば後ろから何発もの銃音というか爆音が聞こえて思わず振り返る。
いつのまにあっちまでそんな巨体で。


「よそ見とは余裕じゃねえか!」

『ちっ、』


思わず癖で弓矢を放とうとしたがないんだったと気づく。らしくない、ほんとらしくない。


『こんな無様な殺人鬼、笑えない。』


呟くように苦々しく思いながら口にすれば、さらに近づいてきた気配。知った気配。


「麦わらだな。」


建物から出てきたもう一人といっしょにルフィに銃撃を放ったが、それを彼は避けて蹴りをくらわせようとした。
タイミング合わせてもう1人に向けて俺も斬りつけようと跳んだが、同時に姿を消す。


「消えた!?」

『ぅ、』


勢い余ってばふっと音を立てながら雪に突っ込んだが、すぐに探して見つければ去りゆく姿、その手にはフランキーの姿をしたナミ。
人の身内に何してんだという怒りが湧いて見失うことないようすぐ後を追った。

わかりやすい不自然な足跡を追って向かえば、その先に崖が見えて足を止めて下をそっと覗き込めば、チェーンでくくりつけられたナミとあの雪男2人組がいた。消える仕組みがよくわからないが、何であろうと構わない、壊すのみ。
崖の段差を利用して飛び降り、頭上から斬りつけようと大きく跳躍してみせれば、待ってましたと言わんばかりにこちらにまた銃口を向けた。


「Cool!飛んで火に入る何とやらだ!」

『零崎に銃器はきかない。』


難なく避けては切りつければまた姿を消し、下には剣山があったので自分が降りる場所の氷の剣山を破壊して降り立つ。
その瞬間横の岩陰からまた銃撃。
ワンパターン戦法はもうお腹いっぱいだ。
避けて攻勢に出るべく岩陰の雪男に迫ると、危ない嘉識というナミの声とともに上からつららが降ってきた。
刀の面を傘がわりのようにして防げば、つららによって地面の雪が粉塵となって視界を防いでしまう。
ずっと上から見下ろす雪男にはそんなこと関係ないようで、踏みつけるべく足を振り下ろす。


『――考えそうなことだよね。』


見えない中感覚を頼りに足の裏に十字に斬りつける。


「痛えっ、くそっ!」

「スコッチ!」


傷は浅かったようで距離を取られてしまったがまあまだまだこれからと思っていたら、上からなんとルフィと暴走モードのチョッパー、いやもう暴走しないんだった…いやいや、違うあれ中身フランキー。
残念ながら見事に暴走している。制御できないのか。
何がどうしてこうなったかわからないが、剣山があっては邪魔だろうと先に駆け寄っては一閃、二閃で剣山を割って足場を作った。


「うおー!助かった嘉識!」

『お安い。』


間髪入れず着地に合わせて撃ってきた銃撃、それをゴムゴムの風船で受け止め、そして照準を合わせる。
ただ防御するだけじゃなくなったということだ。
余談だが俺もルフィもトレーニング受けた相手はレイリーだが、お互いの受けた内容についてはほとんど知らない。
俺の場合彼がサバイバルしていたことぐらいしか知らない。


「お礼砲!」


見事跳ね返した砲撃が顔面に命中した。


最下層からこんにちは

(おいでませ)(生ぬるい地獄へ)




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