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まあ何はともあれそんな違和感すぐ気づくわけで、今はナミに入ったサンジがカメラはどこだと喚き立てている。深刻な感じが全くしないのだが。
研究所の裏手に回り見事外に出れたのだが、こんな雪山を薄手で走れば誰だって寒い寒いと言い出した。
特に裸足の子供達なんて霜焼けでもう走ることすら危うい状態であるが、しかし、山小屋とか運良く見つかるなんてラッキーは起こらない。


「かくなる上は…!各々方、頭上に葉っぱを乗せよ!」

「あ!?何言ってんだこんな時に?!」

「この島草木一本生えてねえ!葉っぱもねェよ!」

「では代用に石でも何でも構わぬ!急げ!」


そう言われて皆やいやい言いながらも石を頭の上に乗っけて、生首侍に注目。


「ドロン!!」


コートや靴が、全員に身につけられた。
温かみがあり、まやかしではないことがわかるが、何が一体どうしてと思っていると、悪魔の実の能力で変装することもさせることも可能になったと教えてくれた。早よやれよとツッコミが入る。
黒のロングコートは温かく、赤くなった鼻を覆うようにして一息をついてしばかれている生首侍の元に向かった。


『助かった、ありがと。』

「なっ、何の、子等のためであって、決して貴様等のような海賊のためでは…」

「何照れてんだてめえ。」


もごもご顔を背けながら?首をひねりながら?言っている言葉は徐々に聞こえなくなった。
侍にそんな言葉をかけたチョッパーのガラ悪過ぎと思ったらそういえばフランキーか、なんとややこしや。
そんなこんなで寒さをしのげるようになり、さあどうするかというところで、ちょうど通って来た道を追ってか分からないが、下半身ワニのおっさんに乗ったルフィ、ウソップ、ゾロ、ロビンが向かってくるのが見えた。
それを見てはしゃぐサンジ、ではなくチョッパーを見て訝しげにする彼ら。説明しづらいったらありゃしない。

結局事の次第を話せば単純な話である。
整理していくと、生首侍の下半身をルフィがゲットしていて、緊急信号の元がこの胴体なし侍。
息子助けようと斬りまくっていたのだが、七武海になったトラファルガー・ローによってこの有様となってしまった。
また、子供達もこれで全員ではないらしく、まだどこかに閉じ込められている。
そして、ブルックが実は胴体に既に会っていたとのこと。
さてどうしたものかと思えば、茶ひげという下半身ワニのおじさんが喚きだした、いやなんか饒舌になった、と言うべきか。


「どうした、さっきまで口を固く閉ざしていた男が…」

「お前らはもうすぐ殺される。ローが俺を助けに来てくれるからな!ウオッホッ!俺はお前らの世代の海賊たちが大嫌いだが、ローは別だ。」


2年前にシャボンディ諸島に集まっていた億超えルーキーらを最悪の世代というらしい。この茶ひげはそのうちの1人、バジル・ホーキンスにけちょんけちょんにされて命からがら逃げ出してここにたどり着いたそうな。


「お前らここがなんだか知ってんのか!その昔は緑が青々と茂る生命の宝庫だったという…!」

『へえ』

「見る影もねェな。」

「ここは元々政府の科学者ベガパンクの実験施設で、兵器と薬物の開発と実験が繰り返されていた場所だ。島にゃあ監獄代わりに一部の囚人たちが連れてこられて、モルモットのように人体実験されていたらしい…!ところが4年前、ベガパンクが化学兵器の実験に失敗し、3つあった研究所の2つが吹き飛んだ!」


そして囚人たちは閉鎖された島に取り残されたが、そこにマスターとやらが来て毒ガスを浄化して下半身が不自由な囚人たちに科学の力の足を与え、部下として受け入れたと。なるほど、だから囚人の死体が凍ってしまっていたエリアがあったのか。
で、じゃあ何でマスターはそんな事故が起きた島に来れたのか、なんで来たのか。
まさか慈悲深く人助けというわけではあるまいと思ったけど、口には出さなかった。なぜってチョッパーやフランキーが感動していたから。ぶち壊すのはかわいそうだし。


「とにかくこの島で誰が偉いか分かったな?マスターは今も人類の未来のため研究を続けられている…。そのためにわずかばかりに必要な実験体にお前たちはなれるんだ。決して逃げられやしねェぞ!ウオッホッホッホッ!」


ためいき

(自分の置かれている状況)(よく見て話せよ)




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