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脱出した先にたどり着いたのは大きな子供たちがいるポップな部屋。文字通り、大きな子供がいる。
きっと見た目は10歳にもなっていない子供たちが3mぐらいあるだろう大きさ。


「誰なの!?」

「知らない人たち…!」

「でもロボだ!ロボがいる!」

「凍った人たち?逃げてきたの?」

「凍った人たち?」


絶大な人気のロボコールが子供たちから上がるのを聞いているとやっぱ男子なんだなあと思う。俺もロボ好きだけど不思議な生物の方がもっと好き。
巨人族かと思いきやそこまで大きくない子たちもいるので種族問わずの保育園かと思われた。


「おいお主ら!モモの助という子を知らぬか!?男子でござる!!」

『その姿で話したら…、』

「わあああ首が喋ったーー!!!」


まさしく阿鼻叫喚である。子供たちが一斉に蜘蛛の子を散らすように走って逃げて行ってしまった。
さらに追手も部屋に入ってきて軽くパニック状態が巻き起こる。


『追手に追いつかれた、逃げなきゃ。』

「おう!」

「ねえロボットさん!島の外から来たの?!」

「ああもちろんだ!だが少年、俺はサイボーグ!」

「船持ってるの!?助けて!!」

「!?」

「ねえお姉ちゃん!私たちを助けて!」

「ナミさん止まるな!」


病気はもう治ったとかお家に帰りたいとか子供たちが次々とお願いの言葉を口に出す。何の病気かと近くにいた子供達に聞けば大きくなる病気とのこと、何だそれ聞いたことないけどこの世界にはそういうこともありえる。
戸惑いや疑念が浮かび上がるが、保育園とかそんな生易しいものじゃあないことは確かである。


「ごめん…今追われているから…!」

「……じゃあ、あとで助けに来て!!知っているよ、この建物から出たことないけど!この島何もないんでしょ?!町もない!誰もいない!」


ああ、こんなこと言われたらきっと彼女は。逃げる足を緩めて後ろを振り返れば、思った通り彼女は立ち止まっていた。
子供にここまで言わせるほどの事態がここで起きているとは、穏やかとは言えない。


「助けよう!!子供たち!!」

「何言ってんだナミさん!理由がねえよ!病気とかも言ってたしここは病院かもしれねェ!たった今会ったばっかで何の事情もわからねェ!人助け稼業でもあるめェし!」

「それは私も分かってるけど、子供に泣いて助けてって言われたら!!もう背中向けられないじゃないっ!!!」

『…決まりだね。』


子供もろとも撃とうとしたガスマスク姿の追手にサンジは蹴りを、俺は刀を抜いて突きを繰り出した。


「まったく、子供に優しいナミさんも素敵だ!また惚れちまうぜ!」


ヒーローはいないけれど

(救ってあげることの難しさ)




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