05




光。深海じゃありえないほどまばゆい光。目の前には何と運良く目指していた魚人島が見えていた。


「何を人間なんぞに従わされてんだクラーケン!」

「何すんだするめ!もう一息運んでくれよー!」


立ちふさがったのは海獣の群れ、それを従える魚人たち。
クラーケンは焦り、船をぽいと放り投げてしまった。


「なァ教えてくれ…!お前たちは敵なのか味方なのか!我々新魚人海賊団の傘下に下るか!相手にするか!」


拒めば沈めるという脅しをかけられたが傘下になることはまったくもって絶対ありえない。
だから逃げる準備をこうしてこそこそばたばたと行うわけだ。


『コーラあと何樽、』

「あと2つだ!!」




「いやだねバーーーーカ!!」

「拒否したな…!ならばお前たちは魚人の敵、ただの罪深き人間だ!!……だが、そこのお前!お前はどうなんだ。」


びしと指をさされてちょっと嫌な感じ。
その魚人が指を指したのは俺だが、一体何のことだ。いやとぼけるのも違うな、言いたいことはなんとなく察している。


『つまりあれだ、あんたは手配書のことを言っているんだろう。』

「手配書?あんたお尋ね者になっていたの?!」

「まさか麦わらの一味だったとは知らなかったがな!」

『んん、あのルフィの16点鐘の新聞の2週間後に出たらしいから知らないのは見逃すのも普通だし、無理もない。そして端的に言うならあんたたちの味方する気もない。』


オッケー?なんて聞いてみたら残念だと返された。残念そうに見えませんけどね。


「なんで俺たちがお前らの手下になんなきゃいけねぇんだよォ!」

「残念だ、じゃあここを通すわけにゃいかねぇ…海獅子ィ!!」

「このサニー号も獅子さ!いずれ決着をつけようぜ海獅子!」


すべての空気を使って魚人島にクー・ド・バーストで突入したのだが、魚人島を覆うシャボンの第1層にコーティングを持っていかれた。
いや待てこの先海だ。このままいけば間違いなく、海にどぼん。

まじかとひきつった笑みがこぼれたまま、海の中に船が突っ込んだ。
ただの海ですらつらいのにこの潮の流れは、きつい。みんなが為す術なく流れていく。
俺の息も限界だったが、腕を誰かにぐいっと掴まれた気がして、そのまま意識が遠のいた。


悪いがその話にはのれねぇ

(おいしくもなんともない)




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