ばれ…ん…?


『本日2月14日はバレンタインデーです!チョコレートを渡す日として浸透してきましたが、近年では思い人だけに留まらず、日頃の感謝を込めて周囲の人に渡す傾向もあるようです。』

朝のニュースで結野アナがデパート前でリポートをしている姿が流れた。男所帯の真選組にとって、バレンタインはやはり一大イベントであるらしい。

バレンタインかぁ、と一喜一憂する一同を見て、みおはぽかんとした。

「ば、ばれーてんってなんでさァ…。」
「バレンタインな。女が男にチョコ渡して思いを伝えるだかなんだか。国民総手でチョコ会社の策略にはまってんじゃねェや、まったく。」

ぽつりと小さく呟いた言葉は、総悟によって見事に訂正された。

「ばれーていん?」
「ちげェ。バレンタイン。」
「ほぉ…、ばれんてーん。」

違うけどな、と思ったが、もう訂正するのも面倒なのでとりあえず放置。みおは、ほぉーと興味ありげにテレビを見つめている。

『お世話になっている会社の上司に義理チョコを渡す人も多いようですね。こちらの、チョコを購入している人にお話伺ってみましょう!』

画面の中の結野アナはマイクを持って一般人の元に歩いていく。このチョコは会社の同僚の分です、なんて用意されていたような言葉をつらつらと話す一般人からでさえも、みおは視線をそらそうとしなかった。何がそんなに面白いのか。

くるり、とみおは総悟を見た。その瞳はきらきらと光り輝いている。

あ、こいつ絶対ロクでもねェこと考えてやがる。そう直感した。みおはおもむろに口を開くと、いつものごとく大きな声で言った。

「みおも、ばれんてーんする!でさァ!」

やっぱりか。総悟は、はぁ、とため息をついたのであった。




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