何回目のデートでエッチしたい?

五回目のデートの帰り道、エイジに腕を掴まれた。

金曜日の夜の仕事終わりに会い、食事をして、少し話し込んでから駅まで向かって、その去り際のことだった。それはさりげなさとは無縁の、強引な足止めだった。

「源ちゃん、俺、まだ帰りたくねえっす」

普段は年の差を感じさせないエイジだが、このときばかりはずいぶん年下に見えた。28cmの身長差も、殆ど感じさせなかった。

エイジは192cmの長身で、すらっとしたアスリートのような体型のとび職の男の子だ。薄い眉と切れ長のつり目に、顎髭を生やした男らしい風貌で、年は三つ下の19歳。知人の紹介で知り合い、そいつを挟んだ長いやり取りの後、初めてのデートの時から付き合い始めた。俺の身長は164cmしかないから、高身長のエイジとは見た目こそつり合わないが、それなりに楽しく交際を続けていた。
だが、ふたりとも連絡不精なのでそれほどメールのやり取りも電話もしないし、デートは夕飯を食べたら終わりで、キスやセックスをすることはもちろん、それらを話題にすることもなかった。俺は経験がないわけではなかったが、相手は若い男の子だからと思って、少しずつ進展させていこうと考えていたのだ。その矢先の出来事だった。

「もう少し一緒にいちゃダメすか?」

ダメな訳がない。19歳の男の子の懸命な努力をコケにはできないし、俺だってエイジとは一緒にいたい。

「じゃあ、少し歩くか?」
「はい……」

足取りは、自然とホテル街へと向かった。帰りたくない、というのがどういう意味か、流石に俺にも分かる。

「源ちゃん、あの……」
「なーに」
「なんでもないす……」

繁華街から少し外れると、まるであの賑やかさが嘘だったかのような静寂が訪れる。カップルたちが、空よりも明るい道を静かに進んでいく。エイジは周りをキョロキョロと見回しながら、恥ずかしそうに目を伏せたり、俺と目を合わせてみたりしていた。もともと無口な男だが、俺があんまり喋らないからか、口数はさらに減っているように思えた。

「少し休憩してく?」
「えっ?」
「休憩」

焦れったくなってきたので、曲がり角にあるラブホテルの看板を指差しながら言った。休憩が三時間で5,900円から、宿泊が10,900円から。金曜の夜ということで、少し高い値段だった。

「もう遅いから、宿泊の方がいいんじゃないすか?」
「明日平気なの?」
「休みだから平気っすよ。最近ちょっと休みもらえることが多くて」

俺も明日は休みだった。
エイジは割と忙しく、たいてい日曜しか休みがない。俺は理容師で、逆に日曜はだいたい仕事だから、デートは仕事帰りが多かった。二人の休日が被るなんてかなり珍しいことだと思う。

「んじゃあ、宿泊にしよっか」

俺とエイジは、入口へと続く階段を降り、18歳未満は入店をお断りしています、という張り紙に気づかないようなふりをしてホテルに入った。空いていた13,900円の部屋のパネルを押し、出てきたレシートを受付に提示するとキーを差し出される。エイジは財布を出そうとしていたが、俺が全額払った。くだらない年上の見栄だ。
無言でエレベーターに乗り、部屋のある階まで行く。俺はこういうとき、相手の頭を撫ぜるのが好きだったが、エイジの頭には届かなかった。その代わりに腰を抱き、そのまま部屋に向かった。

「先にシャワー浴びてきてください」

荷物を降ろすと、エイジは言った。俺はなんということもなく頷き、さっとシャワーを浴びて(念のため、股間を重点的に洗う)すぐに浴室を出た。服は着ず、その辺りに置いてあったバスローブを着る。サイズ違いのものが二枚あって、俺は小さい方を選んだ。

「源ちゃん、早かったっすね」
「準備してなかった?」
「いやっ、そんなことないすよ」
「大丈夫だよ。ゆっくり入りな」

エイジは慌てたように浴室に向かった。
浴室の壁は磨りガラスで、エイジがシャワーを浴びている影がぼんやりと見えた。かなり長い影だ。164cmでも狭いところだと天井が気になってしまうのに、192cmは大変だろうとたまに思う。

***

エイジの風呂は割と長かった。
俺はぼんやりとバラエティ番組を見たり、メールを確認したりしながら待っていたが、これからのことを考えると、ひとりの時間がすごくもどかしかった。

「遅くなってごめんなさい」
「大丈夫だよ」

エイジはバスローブではなく、タオルだけを腰に巻いた状態だった。筋肉がついているが、脂肪がなくすらっとした体だ。日焼けした腕や足首だけではなく、胸元や腹にも黒々とした毛が生えている。
あのタオルが何かの拍子で落ちれば、もう全裸だ。そう思うと興奮した。単にいやらしい格好をしているというのじゃない。俺はあの体に、今から触れることができるのだ。

「こんなに一緒にいられるなんて珍しいな」
「はい……」
「もっと近くにおいで」

ふたりでソファに座った。エイジは脚が長いので、座高は身長差ほどは変わらない。

「触ってもいい?」

エイジが頷いたので、俺はエイジの肩や頬に触れた。指から順に、ゆっくりと皮膚の面積を増やしながら触る。シャワーを浴びたばかりのエイジの体は暖かく、かつ紅潮していた。
視線を向けると、エイジも瞳を合わせてくれたので、俺はそのままゆっくりと顔を動かして唇を重ねた。エイジの唇は想像以上に柔らかく、しっとりとして、少し濡れていた。二、三度ぶつけるだけのキスをしてから、ゆっくりと舌を入れる。エイジの動きはぎこちなく、舌は逃げ惑っていたが、半ば無理やりのように舌を触れ合わせると、迎え入れるように絡ませてきた。

「んん……、ん」
「かわいいな」
「んぁ……、あぅ」

エイジは恥ずかしそうにしていて、反応するだけでせいいっぱいという様子だった。タオル越しに股間が盛り上がっているのが見える。俺とのキスで勃起したのだろう。俺ももう、結構興奮している。

「ベッド行こっか」

囁くと、エイジは目を伏せながら頷いた。割とワイルドな顔つきだと思うのだが、反応だけは可愛らしい。ベッドに行くと、端の方で恥ずかしそうにしている。

「おいで、エイジ」
「はい」
「照れてんの?かわいいな」
「そんな……、恥ずかしいっすよ」

かたい二の腕やお腹の辺りに触れる。もっと触りたいし、舐めたい。恥ずかしいところも見たい。欲望が頭の中をぐるぐると回る。エイジには優しくしたいのに、性欲が邪魔をしてくる。

「エイジの、見てもいい?」
「はい……」

エイジは自分から腰のタオルを外した。エイジのチンコは身長と比例して大きく、黒々とした男らしいギャランドゥーに背中を合わせるように、限界まで勃起している。10代らしい、立ちのいいチンコだ。

「ビンビンだな。すげえデカい」
「恥ずかしいっす」
「俺ももう勃起してるよ」

腕を優しく掴み、股間に触れさせる。そのまま目線を合わせ、どちらともなくキスをした。水音と衣擦れの音だけが聞こえる。

「源ちゃんのも見たい」

躊躇うことなくバスローブを脱ぐ。エイジは恥ずかしそうにしながらも、じーっ、と俺の勃起を見つめている。

「触って」

俺が言うと、エイジは恐る恐る俺のチンコに触れた。そのまま、上下に扱き始める。俺もエイジのチンコを扱きながら、男らしい顎髭や唇を食むように舐めた。

「んっ……、ん、ふう……」
「はぁあ……、あ、あ、あ、げ、源ちゃん……」
「汁、すげえ垂れてんな」

エイジは我慢汁の量が多く、しごいているとすぐに手が汁でベトベトになった。ローションをつけたわけでもないのに、手を上下させるだけでチュコチュコといやらしい水音が立つ。手を離すと、蜘蛛の巣のように糸を引く。女のあそこでもここまで濡れないんじゃないかと思うほどだ。

「いつもこんな濡れちゃうの?」
「はい、びしょびしょになっちゃいます」
「かわいいな。もっと責めたくなるじゃん」

エイジのあそこに顔を埋めると、エイジは驚いたように顔を歪ませた。期待と興奮と不安と恥ずかしさが全部混じったような瞳が揺れている。口を開けてチンコを咥え、唇でチンコを扱きながら舌で舐めると、我慢汁が大量に口内や喉に流れてきた。

「はぁあ、気持ちいい、チンコ溶けちゃう……」

気持ちよさそうに腰を震わせ、甘い喘ぎを漏らすさまを見ていると、もっと気持ちよくさせたいという気持ちが湧き上がってくる。チンコを口に入れたまま、喉奥まで咥え込む。

「あー、あ、あっ、だめ、そこっ……」
「ん?」
「出ちゃう……っ、あ、あ、あ、あ、いくぅっ!」

エイジの濃い精液が、どぷっ、と口の中に溢れる。我慢汁と同様に大量だ。若くて新陳代謝が活発なのかもしれない。そのまま飲み込む。タバコも酒もやらないからかそこまでえぐみはないが、その代わり喉に引っかかる。

「ごめんなさい、出しちゃいました……」
「いいよ」
「早くてごめんなさい」
「いいのに。気持ちよくなってくれて嬉しいよ」

背が高くクールなエイジが、早漏で恥ずかしがっているさまは可愛らしかった。興奮し過ぎてチンコが痛い。年上ぶるのは簡単なようで難しいものだ。

「俺も、源ちゃんのチンコ舐めたいっす……」

咥えやすいように寝転がると、エイジは俺に軽いキスをしてから、体をかがめて俺のチンコを優しく握った。少し躊躇ってから、恐る恐る咥える。タッパがあるせいか、エイジの口は少し人より大きく感じた。髪を撫ぜたり、耳をさすったりしながら、その心地よい快感に酔う。

「チンコ舐めるの好き?」
「ん」
「やばい、むっちゃエロいな」

エイジはそれほどフェラチオが上手いわけではなかったが(俺だって上手いかどうかは疑問だ)、俺のチンコをうまそうに吸ってくれるのがたまらなかった。

「はぁあ……、エイジ、じょうずだよ」
「ふんん、ん」
「ふふ、かわいい」

エイジは唾液も多いのか、それとも故意に出しているのか、口内は俺の我慢汁と大量の唾液が混ざって洪水のようになっていた。陰毛や睾丸の辺りにまで唾液の雫がかかり、蛍光灯に当たって光っているさまは、雨の日の蜘蛛の巣を想起させた。

「気持ちいいっすか?」
「すげえ気持ちいいよ」
「へへ、よかった」

ここぞとばかりに頭を撫ぜてやる。エイジは、うっとりとした顔で俺を見ていた。俺は人の髪を触る仕事をしているので髪に触れることなど生活の一部に過ぎないのだが、192cmが頭を撫ぜられる機会はなかなかない。

「頭撫でられるの気持ちいい……、もっとぐしゃぐしゃにして……」

髪をかき混ぜるように撫でると、エイジは猫のように目を細めた。もともと細い目が完全に皮膚に埋まる。そのまま起き上がって俺の胸に顔を埋め、嬉しそうに顎にキスをする。こうしてじゃれ合えるのはベッドの上だからこそだ。唇や頬、鼻、顔のありとあらゆるところにキスをして、舌を這わせる。皮膚をチクチクする髭もたまらなく愛おしい。

「もっと……」

エイジは長い舌を突き出してねだってきた。舌の先っぽから、粘っこいヨダレが垂れている。そのまま咥え込み、ヨダレを飲み込むように吸い付くと、エイジの鼻から甘い息が溢れてくる。抱え込むように髪をなぜながら、何度もキスをする。もう、ずっと興奮して勃起したままだ。エイジもチンコをかたくさせたまま、鼻息を荒げて俺に縋り付いている。俺の腹は、エイジの大量の我慢汁が垂れてビチョビチョになってしまっていた。

「あのう、源ちゃん……」
「なに?」
「チンコ、入れて欲しいっす……」

エイジは俺を潤んだ目で見つめた。
エイジがバリウケだったなんて驚きだ。俺は一応リバだが、バックタチが好きだから、この大きく逞しい体を抱けるなんて、それだけで興奮してしまう。

「シャワー浴びる時洗ってほぐしてきたから、準備はできてます」

そう言うと、エイジはアナルローションを取り出してたっぷりと手のひらに出した。そのままお尻に手を伸ばし、指を入れる。少しインターバルがあった割には、するりと容易に入り込む。そのまま二本目の指を入れるが、苦しがったり、痛そうにしているそぶりはない。アナルの経験は結構あるのかもしれない。

「エイジ、寝っ転がって、脚広げて」
「う、はい……」

枕を背中に敷き、顔を赤らめながらエイジがベッドに横たわる。大胆に思えるような誘い方も、こういう恥じらいも、全てがエイジを構成する要素なのだと思うとなんだか嬉しかった。もっとエイジのことを知りたいと思う。

「もっとよく見せて……」
「あ、あ、恥ずかしいっす……」
「うわ……、すげえエロい。ヒクヒクしてるよ」

エイジのケツ穴の周りには胸や臍まわりと同様に濃い毛がびっしりと生えていて、ローションが絡まってぬらぬらと光っていた。試しに指を入れると、うまそうに咥え込む。俺の指はかなり太いのだが、抵抗はない。

「入れるから、ちょっと待ってね」
「はい……」

ゴムを着け、エイジに覆いかぶさる。トロトロになったケツ穴に固いちんちんを擦り付けると、はぁ、はぁ、と甘い吐息が漏れた。耳や首筋にキスをしながら、ゆっくりと腰を押し付けていく。熱くてきゅうきゅうに締まった中に、俺のチンコが溶けていくのを感じる。

「ん゛、あ、ああぁあぁあ……」
「痛くない?」
「あ、あ、あ、は、はい……」
「ガマンしちゃダメだからね」
「は、はう、き、キス、して欲しいっす」

痛いとか苦しいとかをガマンするなと言ったのだが、エイジはそれよりもキスをして欲しかったらしい。望み通り唇を重ね、そのまま深く挿入する。

「はああ……、あったけ……」
「ああぁあぁあぁ、すげぇえぇええ……、ぎもぢぃいいい」

エイジは独特のハスキーボイスで喘ぎながら、とろけた表情を浮かべた。首筋や顎、喉や鎖骨を唇で食むように口付けながら、皮膚を擦り付けあう。
俺も気持ちよくて堪らなかった。優しくしようと思いながらも、ゆらゆらと動く腰は止められない。

「ん、ん゛、う、うう、あ、あ、あ、もっと、もっとキスして」
「はあ……、すげー甘えん坊だね」

喉仏にキスをすると、不服そうに俺の頬を掴む。

「くちびるがいい……」
「はー、むっちゃかわいい……、たまんねー」

首を伸ばして唇にキスをし、口内で舌を擦り合わせる。エイジは俺のことを甘えたような瞳で見つめながら、白く濁ったねばっこいよだれを垂らした。体を起こして綺麗な太い脚を掴み、腰を送る。エイジの皮膚の下や粘膜の温もりを直接体に感じた。

「んっ、んあ、あ、ん゛ふぁああああっ」
「もっと気持ちよくしてやるからな、覚悟しろよ、エイジ!」
「やっ、あ゛、あ゛、あ゛、あ゛あ゛、あ゛あぁああん」

長身で強面のエイジを組み敷くのは得も言われぬ快感だった。時折、思い出したようにチンコを扱くのも可愛らしい。

「源ちゃん、源ちゃん、奥ッ、もっと……!」
「奥がいいんだ?ここ?」
「ん゛ぁああぁあぁんッ!あ!あ!あ!あ、あ、あぁっ、そこっ、そこもっとぐりぐりして」

エイジは長い腕で俺の背中をつかみ、腰を擦り付けてきた。こんな淫乱な姿を見せつけられたら、もう止められない。股間がずくずくと疼くのを感じる。

「あ、あ、あ、あ、源ちゃん、源ちゃんッ……」
「可愛いな……、ほら、もっとしてやるよッ」
「あ……、ふっ、お゛、お゛ひッ、うっ、は、はふッ、ん、んんっ、おお゛おぉおッ、お゛、お゛、ン゛ぉおおっ」

鼻の穴をヒクヒクさせ、眉を顰めながら本気の喘ぎ声を出すエイジの姿はくらくらするほど淫靡だった。垂らしたよだれで、唇と顎髭がぬらぬらと光っている。勃起したままの男らしい巨根もデカいキンタマも、俺のチンコをしっかりと咥え込んでいるケツ穴も俺から丸見えだ。チンコは、小便を漏らしたみたいな我慢汁でびちょびちょだった。

「んんッ、ああ、あ、あ、源ちゃん、イクッ、イきそう……」
「イきたいの?お尻の穴でイきそう?」
「イきそう、イっちゃう……」

逞しく、男らしくてかっこいいエイジが、とろとろに蕩けた顔で俺にすがるのがたまらない。エイジの反応を探りながら、奥を激しく突く。

「あ゛あぁん……、ぎもぢぃいいっ、イグ、あ゛、あ゛!イっちゃうっ、イっちゃうぅうううッ」
「いいよ……、ここがいいの?いっぱい突いてあげるよ……」
「ん゛ぉおぉおッ、お゛、お゛、んぁああっ……、げんちゃんっ、イクッ、イクッ……、うッ、あ、あ、お、おおっ、いっ……、ンあぁああんぅうぅっ!」

大声で叫び(ホテルでよかった)、びくっ、びくっ、と体を震わせる。歯を食いしばり、シーツを掴んで、どうやら絶頂の快感に浸っているようだ。俺が腰を引こうとすると、慌てたように腕で引き留める。

「あ、ん、や、や、ぬいちゃ、やだああ……」
「抜かないで欲しいの?腰動かしても大丈夫?」
「うん、大丈夫だから、抜かないで……」

いつもの敬語ではなく、子供のような口調で俺に甘えるエイジ。
敏感になっている皮膚を指でなぞりながら、ゆっくりと腰の動きを再開させる。

「ふぁっ、あ、あ、あ……、あぁあ、あ、あぁっ、ん゛ぁあぁッ」
「やらしー声止まんないね。すげー興奮するよ」
「んんっ……、う、あ、あ、あ、あぁああんっ」

動かすたびにエイジのチンコがぶるぶると揺れる。扱いてやると手に垂れるほどの我慢汁が噴き出すように出てくる。

「もっと激しくしてもいい?」
「してええ、激しく責められたら感じちゃうッ……、ン゛ッ、ふあっ、あああっ!」
「あー、やばい、出そう……」

射精の為の動きに切り替え、シーツに手を突いて腰を激しく揺らす。エイジの筋肉質の体や恥ずかしがりながらも感じている顔を見ると、更に射精欲が増幅されるような気がした。クーラーはつけているはずなのに、汗がだくだくとこぼれていく。

「エイジ、イっていい……?俺もイキたい……」
「はい……、らひてくらはい」
「イクよ……、エイジ、イク、ああっ、イっ……、んぁああ……ッ」

射精の快感に身をゆだねながら、エイジの広い胸に顔を寄せる。とくん、とくん、とエイジの心臓の音が聞こえた。皮膚と皮膚が溶け合っている感じがする。心地いい疲労感が、体中を駆け巡る。

「すごい出ちゃったよ……」
「中に出てるの、分かりましたよ」
「本当?」
「チンコがビクビクしてて……、可愛かったっすよ」

腰を引き、ゴムを外して捨てる。エイジはタオルで汗を拭きながら呼吸を整えていた。日に焼けたうなじがみょうに胸を打つ。裸を見たときに感じる性欲以外の感情が、俺はそれなりに好きだった。

「源ちゃん、超気持ちよかったっすよ」

若者らしい軽い言葉でエイジが言った。超がつくほどよかったなら、俺も嬉しい。
唇にキスをし、きつく抱き締める。このまま眠って、永遠に目覚めなくてもいいと思えた。
でも、それ以上に、エイジと朝を迎えたかった。
夜が終わらなければいいのに、と思うことは、いくらでもある。それでも、一緒に朝を過ごしたいと思える相手なんて、もうなかなかいない。

「俺も気持ち良かったよ」
「へへ……」

寝転がってあくびをする。エイジは嬉しそうに俺のほうを見つめていたが、その瞳は眠たそうだった。

「疲れたろ。今日はもう寝よう」
「はい……」
「おやすみ」

電気を消しても、エイジの温もりだけを濃厚に感じ取れた。俺とエイジは暗闇の中で探るように口づけをして、そのまま眠った。

***

目覚めると、エイジは昨日の格好のまま携帯を弄っていた。俺が起き上がると、携帯を置いてこちらを向く。エイジが起きたときに電気をつけたらしく、部屋はまぶしいほどの明るさだった。日焼けした凹凸のあるエイジの体が、明かりに照らされている。

「おはよう」

寝ぼけた頭のままでエイジに口づける。肩を優しくさすると、エイジの舌が俺の口内に入り込んできた。
そのまま、ゆっくりと押し倒される。明らかに俺よりも重い体が、皮膚に溶け込んでいく感覚が心地いい。

「ふふ、なに?」
「源ちゃん、まだ六時っすよ」
「それはさ、俺のせりふだよ」

再びキスをする。少しくびれのある腰や背中をさすり、キュッと締まったお尻を揉んでいると、触れてもいないエイジのチンコが勃起する。生温い我慢汁が太腿に垂れる感覚が、妙に気持ち悪くて心地いい。

「エイジはすごい我慢汁多いな」
「ええ、そんなの意識したことないっす」
「かわいいよ」

濡れやすい女というのは結構いるのだが、我慢汁がドバドバ出る男はまれな気がする。
勃起した巨根を扱きながら、エイジをベッドに寝かせる。寝ぐせのついたエイジの髪をぐしゃぐしゃと撫ぜながらキスをすると、気持ちよさそうに震えながら甘い声を上げる。

「源ちゃん、乳首も触って……」
「こっち?」
「ン、あぁっ……」

小さな乳首を舌で舐め、唇で吸う。ぞくぞくと皮膚が粟立ち、仰け反った背中がたまらなくセクシーだ。

「乳首気持ちいいんだ?我慢汁、ションベンみたいに出るね」
「あ、ああ、恥ずかしい……、源ちゃん……」
「ふふ、可愛い」

乳首を舐めながら、チンコを優しく扱く。我慢汁のおかげでチンコはびちょびちょだったが、少しよだれを垂らすと余計に気持ちよさそうな顔をする。太い脚をジタバタと動かすので、シーツが擦れてぐしゃぐしゃになっていた。

「ああっ、源ちゃん、気持ちいいっす……」
「どこが気持ちいいのか言ってみな」
「チンコ、チンコが気持ちいい……っ、源ちゃん、もうイっちゃいそうっ」

エイジは、快感を逃がすように体をよじらせながら叫んだ。はあっ、はあっ、と、熱い吐息を上げるエイジは、いやらしくて可愛かった。

「イっていいよ……、いやらしい声いっぱい聞かせてね……」
「あ、あ、あ、イっちゃう、イク、イクッ……、出るっ!」

ビュッ、ビュッ、と、数回に分けてエイジの腹に濃いザーメンが放たれた。昨日も一回出したはずだが、量も濃さも変わらない。さすが10代、という感じだ。

「いっぱい出したな。シャワー浴びて綺麗にしないと」
「はい……」
「可愛かったよ」

嬉しそうなエイジのおでこに優しくキスをしてから、一緒に浴室へ向かった。立って隣に並ぶと、ベッドの上ではあまり感じなかった身長差を顕著に感じた。それでも、昨日よりも距離がグッと近づいたような気がした。

***

体を洗いっこして、湯船でイチャイチャしてからようやく浴室を出た。流石にふたりとも勃起はしなかったが、キスや軽い舐め合いをしていると少し興奮した。こういうのもセックスというのかもしれない。
部屋に戻ると、俺はポットでお湯を沸かしてふたり分のインスタントコーヒーを淹れた。俺の分にはクリープを入れて、エイジはブラック。エイジがブラックコーヒーしか飲めないのを、俺はデートを重ねるうちに経験で学んでいた。

「源ちゃん、ありがとうございます」
「朝飯、どうする?食べて行ってもいいけど」

リモコンを弄って、部屋のテレビを操作する。食事の注文の欄を見つけて開くと、朝ご飯は宿泊してくれた人にはサービスでタダだと書いてあった。何となく得した気分だ。

「タダなら食べます」
「現金なやつだな」
「もったいないじゃないっすかぁ」

結局朝飯を注文した。裸(俺は朝飯を受け取ったのでパンツは履いていたが)で、寄り添って飯を食っている、という単純なことが、すごく幸せなことのように感じられて嬉しかった。
無粋な感じがして口には出さなかったが、こうやってふたりで裸で飯を食う朝を、これから何回も迎えられればいいな、と思う。




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