「あづい」 「うるさいよトリコ」 「風〜」 「窓はココさんが全部開けてくれたよ?」 「こないだみたいな風吹かないかな〜」 「今の季節はそんな強風は吹かないよ」 「マジか」 「マジだよ。残念だねトリコ」 「ホントに残念だよココ。・・・そう言えばめくれる物も無いな」 「・・・・・・」 ココの眉がピクリと反応した。 ココの恋人である蒼衣は、買い物をしてからこちらへ来る事になっていた。 「ちょっとトリコくん?!」 「誰も蒼衣って言ってねーだろ」 「ふーん?」 「なー蒼衣の買い物って何?ミニスカート?」 「・・・死にたいの?」 「ちょ、ココさん?」 「あぁ、ゴメン。ちょっと気が乱れて」 ココは額に滲み出た色をにっこり笑って拭った。 「フリフリとかスケスケとかが良いなー」 「・・・・・・」 「・・・せめてレースとかシフォンとか・・・」 「うん、暑さで頭が溶けたみたいだね?」 「ちょ、その指やめろって」 「そのとろけきった頭に塗ってあげるよ?」 「パパっとやっちゃって、ココさん」 「ちょ、燈子?酷すぎやしねぇか?」 「当然でしょ。その脳みそ何とかしてもらったら?」 「何とかねぇ・・・」 「え、ちょ!マジで止めろよ?!・・・ってココ?何その顔」 ココは残念かつ憐れな物を見るような目でトリコを見ていた。 「燈子さん。申し訳ないんだけど」 「え?何ですか?」 「こればかりはボクにも何ともしようが無いと言うか」 「これって何だよ?」 「あぁ・・・死んでも治らないナントカ?」 「ナントカっておま・・・!!」 「そう!流石燈子さん、頭の回転が速くて嬉しいよ」 「薄々気が付いていたので(ニコっ)」 「何だよそれ!まるでオレがバカみたいじゃねーか!」 「あ、認めた」 「認めてねぇよ!」 「じゃあ今までの発言をちょっとは反省したら?」 「しょーがねーじゃんか。暑いから余計な事言っちゃうんだよ」 「暑いからねぇ・・・?」 「そう。暑いから!」 「ふーん?」 「・・・・・・」 「・・・・・・」 「・・・そんなに言うなら冷たくしてあげようか?」 「部屋?」 「飲み物?」 「ううん、身体。」 「・・・・・・洒落になってねーよそれ」 「今更遠慮するなって」 「・・・ってその指しまえよ!!」 ← → |