the 食 [番外編]
※受け攻めどちらも小スカ・飲尿表現あります。


☆☆☆☆☆☆


重たい眠りから目が覚める。

薄いシーツの感覚に、ぼんやりと意識が醒めていく。

(ああ、そうか…鳴々樹に部屋へ連れて行かれて…)


羽島に絡まれていたところを鳴々樹に見つかり、鳴々樹の所有する空き教室に連れて来られていたのだった。


何時間経っているだろうか。
流石に数時間は経っているだろう、と身体を起こそうとする。

しかし、その前に身体に重みがのし掛かってくる。

なんだと目を開けば、鳴々樹が俺を抱きしめながら眠っていた。
長い腕が腹部を抱き込み、鳴々樹の綺麗な寝顔が肩に凭れかかっている。

(な、なんだこれは)


思わぬ事態にどうしようと思案していると、俺の起きた気配を察知した鳴々樹はすぐに目を覚ましてしまった。


「ん……」

鳴々樹は大きな欠伸をしながらおきあがる。

「鳴々樹…」

俺が小さく、弱弱しく呼ぶとこちらに気づいた。


鳴々樹の表情はいつもと変わらず乏しい。寝起きもその様子は変わらない。

鳴々樹は大きな体で寝ぼけながらも俺の体を抱き寄せては、髪の中に顔を埋める。

鳴々樹の上半身が肌に触れて、自分も素肌であることに気づいた。
俺も、下半身すらまともに履かず、行為が終わってそのままの姿で寝落ちていたらしい。

相変わらず慣れない、この情事後の光景は居た堪れない。カァッと少し顔が熱くなる。

一方で、鳴々樹はそんなの気にしておらず、俺の後頭部の髪からうなじへと唇を滑らせながら、恋人のようにくすぐったく顔を擦り付けて甘えてきた。


「あっ、ちょ、鳴々樹っ…」
「ん…」

するりと薄い胸を鳴々樹の指が辿る。

裸を晒している俺の胸元を弄ろうとする鳴々樹を急いで制した。
これ以上は無理だ。体力はもう尽きている。



「だめ、だめだから…」

慌てて鳴々樹から離れて、そうどもったようにダメと言葉を漏らす。
鳴々樹はまだぼーっと一点を見つめていたが、俺の行動に文句を言うつもりはないらしい。
大人しく腕から解放してくれた。



抵抗すると大抵は怒る鳴々樹が珍しく、何も言わないことに驚いていると、ベッドから立ち上がった鳴々樹がまだまどろんだ目でこちらを見て口を開いた。



「椎乃、喉乾いた」

鳴々樹は上半身裸のままそう言う。そしてまた欠伸を噛み締めてはじっとこちらを見た。

(えっと……、それは、水が飲みたいということだろうか?)

妙に甘えてくる鳴々樹にドギマギしつつ、近くに水がないかとキョロキョロ辺りを見渡す。
正直、鳴々樹の部屋へくるとセックスばかりさせられるため、この部屋は避けていて、勝手についてはよく知らない。あまり利用したことがない故、冷蔵庫の位置…というか冷蔵庫がそもそもあるのか?と辺りを見渡す。



キョロキョロと俺がしていると、鳴々樹はどこか行くわけでもなく、ベッドから降りて俺の前にしゃがみ込んだ。

鳴々樹は俺の太もも付近に顔を近づけ、上目遣いでこちらを見る。

な、なんだ…!?そう思って、ギョッと鳴々樹を見つめると、鳴々樹は口を開けた。



「…椎乃の小便が飲みたい」

「っ……、ぁ、はっ…!?」


(こいつ、何を言い出したんだ…ッ!)

とんでもない鳴々樹の提案にそう怒鳴りつけたくなる。
顔を真っ赤にさせて、なんと言おうかと口を震わせる俺だが、鳴々樹の表情は一切変わらない。冗談や適当を言ったわけじゃないらしい。


「椎乃、はやく」

むしろ鳴々樹は、急かすように、俺に被せていたシーツを剥ぎ取り、股間部に顔を寄せてきた。


「まっ、まてっ!鳴々樹っ!っ、っぁんっ…!?」

しかし、鳴々樹は俺が止めようと声をあげている間にパクリと性器を簡単に口に咥え込んでしまった。
濡れた舌が性器を包み込んで、やばいやばいと鳴々樹の口から這い出ることしか頭になくなる。


目を伏せて長いまつ毛と綺麗に整った高い鼻が股間部に引き寄せられながら、まるで飴でも舐めているかの様に、俺の性器を甘噛みしたり、舌で舐め込んだりする。

刺激を与える、というよりは形や感触を確かめるように口の中で弄ばれる。
暖かくて濡れて気持ちのいい口内では、自然と息が上がってしまい、反応しちゃいけないのに、身体は鳴々樹の口内でビクビクと震えた。

(やばい、このままだと…)


もどかしい快楽に溺れてしまうなんて嫌だ。
鳴々樹はあくまで、俺の性器の感触を楽しんでいるだけだ。

俺の考えていることなど知らずベロリ、ベロリと尿道を舌で弄り、尿を待っている。

「っ〜〜」

そんなの無理だ。
鳴々樹の前で排尿し、さらに鳴々樹に飲ませるなんて。

やめてくれ、と首を振る。
性器を咥える鳴々樹の顔にも触れ、無理だと剥がそうとするが、むしろ悪戯に性器を弄ばれてしまう。


「な、鳴々樹、っ、ほんと、む、無理っ…出ないからぁ…っ」

鳴々樹の少ししっかりとした黒髪に手をかざす。
くしゃりと鳴々樹の髪を握りしめた時、鳴々樹の口が外れた。



「わかった」

静かにそう言う鳴々樹にほっと安心する。

クールな顔がこちらをじっと見つめており、これ以上は何もなさそうだとため息を漏らした。

だが。


鳴々樹は俺の膝下で跪きながら、スマホを手に取る。
操作したかと思うと、耳にスマホの画面を当てた。


「…俺だ。使いを頼む。お茶と利尿薬を持ってこい。なるべく即効性のあるやつで。多少なら副作用があってもいい。ああ、すぐに、もってこい」

え…?利尿薬…?

電話を始めたかと思ったら、信じられないことを言い出した。


なんと、鳴々樹は子分に利尿薬を持ってこさせようとしているのだ。
薬をわざわざ持ってくる理由は一つしかない。
俺に飲ませること。
無理にでも、俺の腹から尿を出させる気だ。



そこまでする鳴々樹に俺はドン引きしていた。

尿を飲みたいと言い出したこともだが、薬を使ってまで出させようとする精神が理解できない。


そもそも人前で排尿するなんて、おかしいのだ。
どこか下品とも思えるその行為に、セックスとは違う羞恥心や嫌悪感がとても強い。

鳴々樹は何を考えているんだ。
こんな馬鹿げたこともうしたくない。俺は急いで通話中の鳴々樹に割って入る。


「鳴々樹っ…!薬なんて…!!やめろ、っ」
「椎乃。俺は椎乃が欲しい。飲むなら椎乃の体液が飲みたい。椎乃の小便が今飲みたいんだよ」


(本当に、何を言っているんだ…ッ)


思わず後退る俺を、無理矢理捕まえてくる鳴々樹に悲鳴が上がりそうになる。

気持ち悪い、気持ち悪いんだ。
手を振り払いたくて力を入れるが、そのまま鳴々樹に押し倒され、キスをされる。
舌が口内に潜り込み、舌を絡めたり歯筋をねっとり舐められる。

「っぁ、ゃ、ぁ、んふっ、ん、んっむ」
「っ、ん、椎乃、っ」

口内で舌をジュルルっと吸われる。
ゾワゾワと背筋が浮き上がり、気持ち悪さがより倍増する。
やめろ、鳴々樹。やめて。
そう言えたらいいのに、鳴々樹は力づくでも俺を押さえこんでいた。


暴れようとする俺の尻に硬いものが触れる。もしかして、と思うが、発情した鳴々樹の腰がグリグリと服越しに当たっている。

鳴々樹は明らかに興奮していた。鳴々樹の熱が上がっていっている。


「椎乃、好きだ。尿、飲ませろよ」

嫌だ、絶対に嫌だ、そんな、汚ねえよ、やだ!


押し問答なんて無駄。
鳴々樹はぐりぐりと腹部を押し、膀胱圧迫する。
どうしていつもこうなんだ。

無理に意識を集中させられてしまうと尿意を催し始めてしまう。

それによって、鳴々樹に、性器や膀胱を更に刺激され、より尿意が近くなっていく。


本当に、無理、無理だ。

腹奥が疼き、膀胱がキリキリと痛み出す。
出してたまるものか、そう耐える俺を、鳴々樹は楽しんで舌を絡めてくる。

しかし、これも時間の問題だった。



「…椎乃、さっさとしろよ」

低く、鳴々樹が吠える。
鳴々樹は短気だ。我慢できなくなったのか、急に態度を変え、顎を破壊するのではないかと言うほど握ってくる。


「お前、俺の言うこと従えねえの?」

そういった鳴々樹は空いた右手を掴み、人差し指をぐいと外側に押し込まれる。指一本折る気だ。
実力行使に走り始めた。
機嫌が悪い鳴々樹は暴力に全て解決させる。


「ひ、や……ぁ、っ、あ……」

声が震える。
人差し指がありえないほど真反対に仰反っていくのだ。
痛みどころではない。指が折れる恐怖に視界が澱む。心臓がバクバクとうるさいほど高鳴り、何もかも考えられなくなる。

グッと骨を押し込まれたとき、緊張感で身体が一気に弛緩した。


ジョロロロロ…。
太もも周りが一気に熱くなる。

濡れた感触と、生暖かさが生々しくて気色悪い。やってしまった。絶望感で頭がいっぱいになる。

一方、鳴々樹は俺が失禁したことに気づくと、綺麗な口で性器を急いで咥えてしまう。

もう、やめろ、もう、やめてくれよ…。

「っぃぐ、っぐ、っう"ん、っあ"」


泣きじゃくりながら、ガキみたいに放尿する俺の尿を、嬉々として、ごくごくと飲んでいく鳴々樹が本当に気持ち悪い。
喉を鳴らし、俺の排泄液を口に含んで味わい、嬉しそうに腹に溜めていくのだ。

尿が出なくなった尿道を鳴々樹は飽きずに吸い続ける。舌で這わし、皮膚を甘噛みしながら、丹念に味わい尽くす。しつこすぎる舌遣いが本当に恐ろしい。


残り液がなくなれば、鳴々樹は俺の太ももやシーツに飛び散った残骸を舐めとった。

鳴々樹が化け物に見えてくる。

あんな暴虐な王が俺の排尿にたかり、砂漠の水を吸うように舐めまわっているのだ。

太ももなどに触れた鳴々樹の舌舐の感覚が嫌に卑猥で、俺の性器は知らずにやんわりと勃起する。こんなおかしな状況なのに、性的な興奮を感じている俺の脳の神経はもうぶっ壊されているのだ。鳴々樹という悪魔によって。


鳴々樹は口周りについたものまで綺麗に舌でなめとると、いつも無表情な顔を赤く上気させ、美しいほどの色気でこちらを見つめる。


「濃ぃな……暖かくて、しょっぺえ…」

小便の味の感想を告げる鳴々樹にこれほどまでの羞恥心を抱いたことはない。

身体全身が震えて、涙がボロボロと溢れる。もう何が何だかわからない。異常なほど熱が上がり、眩暈がしてきているのは確かである。


鳴々樹は未だ熱に浮かされながら、俺の方をじっと見てくる。

「椎乃の体液全部飲みてえ…お前の全部が欲しい…」

鳴々樹はそう言って、股間部を大きく盛り上がらせていた。

鳴々樹のことは本当に理解できない。
はらはらと涙をこぼしながら、小さく首を振って、鳴々樹の言葉なんか聞きたくない。


しかし、鳴々樹はそう言う男だ。
俺が泣いて垂れた涙も逃すまいとベロリベロリと舐めとってくる。
そのまま、鳴々樹は自身のズボンを素早く脱ぎ、下着ごと捨て去ると、赤黒いグロテスクなペニスが顔の近くに凭れ上がっていた。



「椎乃、こっち向け」

反射的に鳴々樹に顔を向けてしまう。

びしゃりと顔に何かかけられた。
突然のことに呆然としていると、そのままジョロジョロとアンモニア臭の液体が頬や唇に垂れ、嫌悪感に塗れていく。

待っ、て、うそだ、うそ、だろ…。


鳴々樹に尿を頭からぶっかけられている。目の前でちんこから放尿されているのだ。
こんなこと絡まれる不良たちにもされたことない。
あまりの非常識さに、どうすればいいかわからない。


「飲めよ、椎乃。お前、俺のなんだから、俺の小便飲みたいだろ?」

ニタリと笑う鳴々樹。
そうして、放心状態で見上げる俺に顔を近づけて臭いを嗅いだ。

「あー、くっせえ…。でも気分は最高に良いな。椎乃が俺のものになっていってる…」

まるで、犬のマーキングと一緒か。

「ほら、早く飲めって。俺と繋がれて嬉しいだろ?」

やめ、ろ、やめろ、やめろ……ッ。

馬鹿げている。
ハッハッと息が上がり、頭がわんわんと鳴り響く。

鳴々樹が近づいてきて、俺の頬の液体を指で拭うと、無理矢理唇の間に差し込んできた。
身体を引いたが、もう遅い…。


「っひゃ、や、やぁぁっ!!やだぁああ!!」

ぐりぐりと舌に擦り付けられ、うぉえっと吐き気が這い上がる。
嫌な味、こんな、きたない、あじ。


「っうえ、っう"っ、う"ぇ"ぇ"っ」

喉にぐしゃぐしゃしたものが突っかかる。
あまりの気持ち悪さに吐瀉物戻しそうになるのを無理矢理抑えながら、舌に擦り付けられたものを吐き出そうと、慌てて唾液と一緒に外へ吐き出す。


しかし、それもすぐに鳴々樹に止められる。


「おい、何吐き出してんだよ。飲めって言ってんだろ」

グイッと髪を引っ張り上げられる。
これは命令だ。
仕置きされるように、すぐに頬を殴りつけられると、地べたに飛ばした唾に頬を擦り付けさせられる。



「椎乃、お前は俺のものだろ?ご主人様の小便も美味しく飲めるよな?」


震えながら、舌を、舌を無理矢理出す。
椎乃は鳴々樹の飛び散って床に落ちた尿を、無理矢理舌で舐めた。



鳴々樹はその様子に、うっとりとした。
自分の排泄物が椎乃の中に入っていく。椎乃が全身鳴々樹の尿まみれになって、犬のように地面に這いつくばりながら尿を舐めとっている。野良犬みたいな下品な様子にも鳴々樹は心底愛おしさを感じていた。
歪みすぎた愛。どこまでも執着し、椎乃を壊れさせる。



鳴々樹は高揚感に耐えきれず、四つん這いに這いつくばっている椎乃の腰を掴んだ。

鳴々樹はただ笑っている。
ヌメヌメとした感覚が尻の割れ目に擦れさせられ、硬くて熱い鳴々樹のちんこが、興奮していると、俺に訴えかけてくる。

もうどうだっていい。どうなったっていい。
俺は味のない地面を舐め続けた。




「椎乃……お前の全ては俺のものだ」

「ッ…んっ……っっ!!!ぁぁ"あ"あ"っ、あ"あ"っ、あ"あ"〜〜っ…!!」

鳴々樹は興奮しながら俺の後穴に性器を挿入した。地面にひれ伏した俺の身体を無理矢理つなぎ止め、抜き差しを繰り返す。

ただ叫びながら、ガツガツと内臓を食い荒らされた。

腰を大きく振り、掘られている俺のバカになった頭は快楽など感じていなかった。
ただ五感に全てを振り回されている。
鳴々樹に支配されている。




「愛してる、椎乃。お前を全部食べ尽くしてやるよ、椎乃」




すべてはキングの言うとおりに。

どうぞ、骨の髄までたっぷりと。




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