その後

俺は飽きずに激辛料理を食べていて、今日は激辛プルコギを口いっぱいに頬張っていた。
「わぁ〜このソースすごく美味しいよ〜」
茶髪男は隣でドバドバと激辛特製ソースを肉と白米にかけていく。
かける量が桁違いで思わず達明はむせこんでしまった。茶髪男の流真はびっくりして達明の背中を叩いた。
「達明〜大丈夫?お水飲む?」
コクコクと頷いて水を喉に流し込んだ。

辛いものを食べたあとはセックスをするという習慣がついた。
流真とセックスする代わりに、流真は俺の飯に付き合う。飯に付き合うだけでは割に合わないと抗議したら、飯代も出すと言われ、いつのまにかずるずるとこの関係を3ヶ月も続けていた。

流真は俺の予想以上に辛さの耐性が凄かった。
高頻度かつ高難度の辛い料理を食べたら流石にこの関係性を解消したいというと思いきや、俺よりも激辛料理に強いし、なんならハマり始めてノリノリで飯に付き合うようになってしまった。


飯を食べ終われば力一杯掴まれてそのままどちらかの家かホテルへ連れ込まれる。
ベッドへもつれこめば、シャワーなど浴びずに愛撫がはじまった。いや、この前は風呂に入ったが、風呂プレイがしたいと言われて湯船の中でガンガンに後ろを突かれた。

今日は辛さが結構強かったのか、責め立てる手も強めだ。
流真は辛さの度合いによってセックスの激しさをかえている。あまり辛くなければ優しく緩いものを、全身が痺れるような辛いものを食べれば激しく濃厚なものを。
その法則に気づいたとき、俺の機嫌に合わせてセックスを推し量ってることに少し気持ちわるさを感じた。

「もう挿れるよ」
待ての声も聞かずに流真は達明の中に突き入れる。俺の体の隅々まで知ってしまった流真は弱いところを勢いよく責め立てた。
今日は特別辛いものを食べたのだ。ガンガンに快楽を追求されなければならない。

流真とのセックスは結局連続で3回戦におよび、俺は失神するようにねむった。





夜は寂しいからといろんな女や男と寝ている。
流真のセックス中毒は本当だった。というか彼は中毒どころか依存症のレベルである。

流真は人肌の温度が感じられないと眠れない体質で、今までソフレもいたらしいが、ストレスが過度になるとセックスをしなければ精神が保てないほどの状況らしい。本当かどうかわからなかった時期に一度寝ている流真をベッドから突き落として、無理矢理彼から離れて寝たことがあるのだが、次の日の朝流真の全身の震えが止まらなくて「やべえやつだ」と俺は浅はかながら深刻さを理解した。(結局セックスしたら震えが止まったが騎乗位させられたことは今でも恨んでる)

そして、「ほかの人と辛いもの食べに行ったら浮気だからね」と謎理論の忠告もされている。
他のやつとセックスしてる方がよっぽど浮気だと思うが。最近はほぼ毎日俺と会っているから俺以外とはやってないらしいが、また他人の熱に再発してビョーキをもらってくることだけは流石に勘弁してほしい。俺の安全の為に火遊びはやめてくれ。

ちなみに、なぜこの話を知っているかって?
本人から堂々と直接聞かされたよ。





セックスしたあとはそのままホテルや俺の部屋で寝るのだが、流真は俺の意識があろうがなかろうがよく腕にしがみついたり顔面中にキスを降らしたり、まるで恋人のように甘えてくる。

ぶっちゃけそれは俺にとって結構キツイ。

こちらは辛いものを食べるという代償に寝ているだけ。割り切った関係なのに、恋人のようにベタベタと甘えられると変な情が浮いてしまいそうで嫌だ。しかし、流されやすい俺は流真から頭を撫でられることに抵抗を感じなくなっていた。

激しいセックスも恋人のように甘いドロドロしたプレイもいつのまにか平気になっていた。なんで男と…と思っていた頃がもう思い出せない。

結局流真の思う通りになってしまった…。



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