小説 | ナノ

※マライア戦を男装主人公&花京院のタッグで戦う(戦ってない)ifストーリーです
腐要素とは思っていませんが、男と思っている相手に花京院がどきどきしてる話ですので苦手な方はご注意ください。



「分かった、彼女のスタンドの正体が!僕らが昨日から引き寄せていたものとこの状況……どうやら僕たちは磁石のような性質をもってしまったらしい!」
「なにぃ!?じゃあ俺たちがくっついちまったのは……」
 花京院がこくんと頷く。
「あの足の綺麗な女性のせいだ!」
「あの赤いフードの女のせいか!」
「……あ、うん」
「花京院、オメー……」
「し、仕方ないだろ!?見るよ、あれは!主人くんだって、そうだろ!」
(何やら騒がしいようだけど、アンタらみたいなガキにゃ興味ないのよねぇ……。しかしどうしよう。近づいて磁力を強化するには花京院のエメラルドスプラッシュが邪魔だし、かといって物を投げつけても主人のスタンドの前じゃ意味がない……まあ、もう少し観察しましょうか)
 助けを呼ぼうにも人気のない路地裏は仲間どころか地元住民すら通らない。公子と花京院の体質の変化にスタンド使いが関わっていると踏んだ二人は隠れている本体を誰にも連絡せずに探し出してしまったのがまずかった。
「磁力を弱める方法ってどうすりゃいいんだ」
「衝撃を与えるか加熱するか」
「俺らの生命力が先に弱まりそうだな」
「まずは僕達が離れることが先だ。少しずつ体をずらして接地面を減らそう。僕がこっちにずれるから、君は右側に向かって動いてくれ」
「了解。せーの!」
 実際に体が磁石になってしまったのではなく性質を受け継いだだけなのに、なんだかガチンッという音がなったような気がした。公子の足に、意外と太さのある花京院の足が引っかかる。
 今の二人の体勢は、お互いに向かい合って密着していたところを左右にズレて離れようとして、互いの左足が絡み合った状態だ。勢いよく体を動かした公子の膝が持ち上がってしまい、花京院の股間をぐりぐりと刺激している。
「おい!何してるんだ!」
「う、うるせぇ!そっちこそとっとと離れろ!」
「ん……君が力を抜けるようなことをするから……」
「変な声出してんじゃあねぇー!」
「男だったら分かるだろ。そ、そんな動かし方しちゃまずい……」
「そっちこそ手!手を!」
 横にズレるとなると、花京院の左手が公子の胸をなぞる様に動いていくことになる。包帯で押さえつけているとはいえ遠慮なく這いずり回れば多少感じるものがあるはずだ。
(マズイ!このままじゃバレる!えーい、もうアレだ!とにかくゴリ押しだ!)
 公子が無理に力を入れたせいで花京院のバランスが崩れる。片足を浮かせた花京院は公子を突き飛ばすようにして盛大に転んでしまった。背面と前面は磁力の関係上反発するようになるはずなのだが、そばで様子を見ていたマライアの指の合図と同時に、花京院のSとNが反転した。
「うわあああ!」
 つまり、四つんばいになる公子に花京院が吸い寄せられ、腰をガッチリと掴んで膝立ちの状態で身動きが取れなくなったのだ。
「ちょっとおお!なんだこの状況!」
「し、知らない!違うっ!僕は決してそういう趣味があるわけじゃないんだ!信じてくれ!」
「落ち着けって!ま、まずは助けを……いや、この格好でかぁ?」
 とりあえず自由になった手で何か出来そうにないか、スタンドも使って辺りを探ってみるが拾えそうなものも掴めそうなものも何もない。公子が手をバタバタさせる後頭部を見ながら花京院は冷や汗をかいていた。
(違う、本当に違うんだ!確かに主人くんは中性的な顔立ちや体つきだと思ったことはあるが、性的な目で見ていたわけじゃない!大事な友達だ!さっきのぐりぐりやられたのと、このポージングが悪い!)
 公子がこちらを見ることが出来ないのがせめてもの救いか。思い切り勃起している股間を見られずにはすんでいるが、こうも強く押し当ててしまえば気づいてしまうだろう。
「えーと、主人くん。これは、その、違うんだ」
「え?」
「あの、君の尻に当たってるもの……」
「ああ、ナイフかなんかか?持ち歩いてたもんな。刃大丈夫?」
「……それは大丈夫だ」
 花京院は生後一年にも満たない赤ん坊に、おれのモノより小さいナイフと言われていたことを思い出した。そんなものは当然単なる口の悪い罵倒の言葉で、実際に赤ん坊にナイフよりも大きなものがついているわけではないのだが。
(なんとなくショックだ。もう少しサイズがあると思ったんだが……いや、主人くんに思われたのがショックなんじゃなくて、こう、男としてだな……もしかして主人くんはもっと立派なものがついているのかもしれない)
(随分大型のナイフなんだな。折りたたんでこの大きさって、警察に職務質問されたら終わりなんじゃないかな。エジプトの法律知らないけど)
「と、とにかく移動するぞ」
「主人くん、急に、動かない、で!」
 足を動かせば尻が揺れる。公子の尻に挟まれる形の花京院のそれが縦の刺激を受けて変な気分が押し寄せてきた。
(主人くん、まるで女の子みたいな括れと、ゴツゴツしてない丸い腰……やばい。目を閉じたらイケそうとか思えてきた。そもそもこんなことしてる場合じゃないのに……)
「花京院、あっちの柵に俺が捕まるから、何とか引っ張って引き剥がせないかな」
「分かった。やってみよう」
 四つんばいの公子を見下ろしながら移動する花京院。なんだか彼を征服したような気分に、先ほどまで頭を支配していたイヤらしい想像が更に妙な気持ちをかき立てる。
「よしっ。いつでもいいぜ花京院」
(これは、引っ張るのがいつでもいいってだけでだな)
「どうした」
「あ、ああ。今行く……んっ」
「あっ……いたっ」
「ご、ごめん」
「気にするな!もっと強くしてくれて構わない」
「そんなことっ……あ、うん。ガンバリマス」
「あとちょっとだ。花京院、もっと強く!」
「はぁっ……主人、“さんっ!”い、いけそう」
 パチッと静電気が走るような音と衝撃が二人の間に走った。それが体が離れたことの合図だとわかると、互いに咄嗟に距離をとる。
 まるで虫のように地面をカサカサと這い、くっつかないことを確認してなんとか立ち上がることができた。
「よし、本体を探しに行こう!……花京院?」
「あ、うん。ただ、一緒に行動するとまたくっついてしまうかもしれない。別れて捜索しよう」
「ああ。じゃあ俺西側中心に動くぜ」
 公子が走り去った倉庫内で、ようやく花京院も普通に立ち上がることができた。今まで前屈みだった理由は今もバッチリと勃ちあがっていたが、それを静める時間はない。
(ホテルに帰ったら抜こう……)
 多分、”主人くん”を妄想しながら。


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