小説 | ナノ

 カイロ市内、路地。花京院と承太郎は久々の再開に言葉数は少なかったが固く握手を交わして互いの無事と仲間意識を確認しあった。
「あ、そうだ。花京院、ホルホースの野郎見なかったか?」
「え?何でまたその名前が……」
「俺たちをしつこく狙ってきたんだよ。これで三回目か」
「他にもしつこい女がそういやいたな」
「ああ、彼女でしたらおそらくもう襲撃してこないでしょう。ここに来る前にきっちりと懲らしめておきましたから」

 花京院が退院した翌々日。一人で居るところにDIOの刺客が来ないはずはないと警戒していたところにあからさまな人影が現れる。その人物の襲撃はこちらもこれで三度目である。人気のない場所をわざとえらんで障害物のない荒野に簡単に誘い出せば、向こうから襲撃してきた。
「言ったはずだよね。次に姿を現せば、僕が“おしおき”する……って」
「ぐぅっ」
 攻撃能力皆無の公子はホルホースと同じように誰かとコンビを組んでやってきた。最初は肉の芽の刺さったポルナレフと。次はジョースター一行を二分して戦ったダン。だがそれだけではまだ諦めていないらしい。
「ポルナレフは騎士道がどうのと言って私の奇襲作戦に反対したから戦う前にコンビ解消した。ダンは調子に乗って私がアンタたちの時間を稼いでる間に承太郎を始末できなかった。だからサシならどうとでもなる……はずだったのにぃぃぃ!」
 それが両手足をハイエロファントに縛り上げられ、体でXの文字を作るようにして自由を奪われている。通行人に助けを呼ぼうにも荒れた土地の廃墟の中だ。誰かが通りかかることはまずない。
「僕は男に二言はないという考えなんだ。宣言したとおり、お仕置きさせてもらうよ、Baby」
 公子の顔が青ざめた。前回の襲撃時、ジョセフの脳内で自身もスタンドを小さくすることで本体同士の接触なく妨害をしてきたつもりなのだが、逃走時に花京院にばれて拘束されたことがある。そのときは敵という立場にしては随分と熱っぽい目で見つめられ、警告と称して唇を奪われたのだ。
 そのときに触れていた体が、発汗し、股間が勃起していたことも知っている。まるでそうなっていることをこちらにわざと伝えるようにこすり付けてきたから。そして最後に、これ以上されたくなければ近づくなと言われ、なんとかそこまでで済んでいたのだ。
(だけどそこで引き下がるほど私のDIO様への忠誠心は薄くないのよ。いや……それより、本当にここまでしてくるなんてっ……思って……なか……)
 下着の上から触れられて思わず吐息が漏れる。純潔というわけではないが、そこはDIOに捧げたいと守っていたものが、いとも簡単に貫かれた。自分の体内で指が暴れまわるように動く。
「それとも、こういうことをしてほしくてわざわざ僕の方にきたのかな?」
「あ……ん……ちがっ……今頃っ、ジョースターは、オシリスにぃっ……あっ……」
「そう。あくまでも言い訳をするのか。でもその方がいいよ。僕は抵抗する女性を甚振る方が好みなんだ。せいぜい嫌がってくれよ」
 まだ濡れていないそこに、むりやり自分の雄をねじ込んだ。痛みに思わず小さな悲鳴をあげるが花京院の腰が動きを緩めることはない。自らに先走るカウパーだけを潤滑油にし、一番奥まで一気に貫く。
「あはっ……繋がったね。どうだい、殺すべき相手の男のモノを受け入れている気分ってのは……」
「Fuck you!」
「ファックされてるのは君のほうだけど」
 そう言って腰を更に突き出した。公子の下腹部が容量外のものを受け入れて膨らんでいるのが分かる。だが恐ろしいことに、花京院が公子の苦痛の顔を見るとその体積は更に増えた。
「アンタらまさか、刺客の女全員にこんなことしてたの!?」
「ハイプリエステスの彼女はなかなかに男を誘う格好だったなぁ」
「ミドラー……っ」
「してないよ。少なくとも僕がこんなことをするのは、君だけ」
 ハイエロファントがくるりと旋回すると、公子の体も正面から背後へ百八十度回る。挿し込んだままの体勢変更なんて今まで感じたことのない感覚に、公子の声がさらに漏れた。
 顔の見えなくなった花京院が、遠慮なく腰を打ち付ける。右手は公子のクリトリスを、左手はまるで心臓を掴んでいると言いたげに胸をもみしだく。実際、ここから殺してしまうのは容易いことだ。散々弄べばさっさと息の根を止められるかもしれない。恐怖が公子の膣内を締め上げるが、それは皮肉にも花京院に更なる快楽を与えてしまう。
 きっとニヤニヤと笑っているのだろうという公子の考えとは違い、花京院は顔を真っ赤に染めて切なく息をしていた。
(こんな顔、見られたくない。君にしかこんなことをしていないなんて……まるで告白じゃないか。まあ、全然気づいてないようだけど)
 中途半端に下ろしていたズボンが邪魔になってきたのか、完全に下着も取り払い、下半身だけを裸にした状態で腰を加速させる。とうとう意地悪なことばかり出ていた花京院の口からも、甘い吐息とあえぎ声が絶え間なくでてきはじめた。
「も……出そうだ……」
「お、お願いよ!中は、中はやめて!なんでもするからっ!」
「……なんでも?」
「え、えぇ」
 ずるりとペニスが引き抜かれる。まだ達していない、大きさを保ったままのそれは互いの体液でヌラヌラとあやしく光っていた。この男の中性的な甘い顔立ちの下に、このような血管が浮き出る雄雄しいものがついているというミスマッチを、入れられた今でも感じでしまう。
「自分で、して」
「……何を」
「マスターベーション」
「うそ……」
「きちんと出来たら考えてあげる。それとも、中出しがいい?」
 花京院が手を動かすのに呼応して、ハイエロファントが公子の両足を持ち上げた。M字開脚のかたちになり、先ほどまでペニスを受け入れていた部分が丸見えになっている。
「僕のをオカズにしながら、いつもしてるみたいにして」
 右手の触手が外れ、自由を与える。そして体がバランスを崩して倒れないように上半身に撒きつき、先端は乳首を優しく刺激する。
 奇襲をかけても勝てなかった相手に片腕一本で勝てるわけがない。公子は妊娠のリスクと自分の羞恥を天秤にかけ、そっと指で茂みをかきわけた。
「んっ……ん」
「ちゃんと僕の見ながら」
(こんな長いモノが……入ってたなんて……)
 花京院もゆるゆるとみずからのものに触れている。擦るというよりは、勃起状態を維持するための最低限の刺激を与えているだけ。だが、破れたストッキングの向こうで自慰にふけるそれと恥ずかしさで泣き出した公子の顔を見ているだけで、達してしまうのではないかと思い始めた。
「何をオカズにしてるか、言って」
「あ、あんたよ……」
「名前。典明っていうんだ」
「ノリ……アキ……の……」
「僕の?」
「……………………あそこを……」
「ちゃんと言って」
 空いている左手で公子のアナル付近をなぞれば、そちらもイヤなのか首を振って拒否をする。これ以上進んで欲しくなければ、言葉で満足させろと指が語る。
「あっ、の、典明の、おちんちん……」
「よく言えたね。ご褒美に本物をあげるよ。やっぱり我慢できなくなったから、考えた結果、ナマで中出しってことで」
「う、うそ!やめて、やめっ……」
 だが体はそれを待ち望んでいた。空っぽの部分を埋めるように、今度は愛液でぬるぬるとすべるように侵入したそれを、きゅぅと締め付けて離さない。声は完全に嬌声となり、ブルッと身を震わせて自ら腰を動かそうとする。
「気持ちいいんだね。僕もだよ」
 もう抵抗の言葉すらない。自らのもので感じ、快楽へ落ちていった公子を満足そうに見ると、キスをしながら精を吐き出した。
「次に姿を見かけたら、今度はこんなもんじゃすまさないよ。でもDIOを倒したあとに、君を探しに来るからね」


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