「あっ……」
天上から吊り下げられた、紅い縄。肩をはだけさせ、着物を乱され、織は縛られていた。手を後ろ手に拘束され、胸を強調するような縛り方。さらに、下腹部にもぐるぐると縄が巻かれており、臍から下がぐっと締め付けられている。はぁ、と艶かしい吐息をこぼす織を見つめる玉桂の表情は、ご満悦。
「くく……いやらしいぞ、咲耶。おまえの白い肌には、紅がよく映える」
玉桂が織の周囲をゆっくりと円を描くように歩く。にたにたと笑い、前後左右から、淫らな織の体をじっとりと舐めるように見つめた。
「これから、何をされるか……想像がつくか?」
「……いえ……」
「ふふ、調教だ。他の男のことばかりを考えて乱れる、いやらしいおまえの体を、じっくり丁寧に私が調教してやる」
「えっ……」
「浴場で竜神の名を呼びながら、自らの体を慰めていただろう? その、仕置きだ」
「……っ!?」
にいっと笑って、玉桂が織の唇に指で触れた。
まさか、浴場での自慰を見られていたなどと想像もつかなかった織は、急激に恥ずかしくなって、そして恐ろしくなって玉桂から目を逸らす。あんな、はしたなくて背徳的な行動を見られていたなんて。そして、鈴懸の名を呼んでいたことを、玉桂に見られていた――それがバレたら。
「こうして、指をしゃぶっていたなあ? くく、切なかっただろう? そんなに、あの竜神の口付けが恋しかったか」
「うぅ、……申し訳、ありません……」
「善い、善いぞ。素直に言うといい。どうなんだ? お前は今、竜神をどう思っている」
「あぁ……」
玉桂が織の背後にまわる。そして、くっと反った織の胸に大きな手のひらを這わせた。つんと勃った桃色の乳首をきゅうっと摘み上げれば、織が頬を染めて体をくねらせる。
隠していた、潰していたはずの想い。それを口にしてはいけないと、そう思うのに――言わなければ、何をされるかわからない。鈴懸の名を呼んで自らの体を慰めていた、あの時の切なさを思い返し、織は震える唇を開く。
「……お慕い、申しておりました。鈴懸さまに、たった一度でいいから、口づけをして欲しかった……でも、もう、……諦めています。私はもう、玉桂さまのものです。鈴懸さまのことは、……」
「諦めているのに、竜神の名を呼んで尻穴を弄ったのか?」
「……っ、申し訳ありません……もう、二度と、しません……」
「口ではいくらでも謝ることができるぞ? おまえがやったことは、浮気だ。おまえはもう、私の女なのに竜神の名を呼んだのだ。それがどれほど罪深いことか……教えてやろう」
「あぅっ……! た、玉桂さま……おゆるしください……あっ……!」
ぎゅむっ、と乳首を引っ張りあげて、こりこりと強くこね回す。そして、それと同時に、玉桂は織を拘束する縄に妖力を流しこんだ。全身にぐるぐると巻きつけられた縄が、ぎゅうっと締まっていく。下腹部を締め付ける縄がぐぐっとキツくなっていけば、織のナカが圧迫されて、前立腺が疼きだす。
「あぁっ……玉桂さま……あっ……お、おゆるしくださいっ……あぁ……あっ――」
織は玉桂がにやにやと笑いながら見つめているなかで、達してしまった。がくんっ、と脱力して、性器からぼたぼたと潮を垂れ流す。がくがくと震える太ももを潮がだらだらと伝っていって、織の足元に水たまりをつくっていった。
「ふふ、誰が漏らして善いと言った」
「も、申し訳ございません……」
羞恥に涙を流す織。玉桂がべろりとうなじを舐めあげると、織は熱い吐息を唇からこぼし、天井を仰ぎ見た。
玉桂の手のひらが、大きく織の体を撫でる。火照る体はひどく敏感で、撫でられるだけで織の体からは玉のような汗が吹き出てきた。汗でしっとりとした肌はくねる度にてらてらと光り、行燈の紅い光を反射する。
「抱かれるために生まれてきたような体だなあ……いやらしい体よ。きつい仕置きもきっと、悦ぶんだろう?」
「そんなこと……」
「では……やってみようか?」
「あっ……」
玉桂ががばっと織の着物をめくりあげた。そうすれば織の白い臀部が顕になり、その可愛らしさに玉桂は目を細める。
「形の良い尻だ」
「や……」
「ふふ、この尻を竜神の前で振って誘惑などはしなかったのか?」
「し、してません……!」
「勿体無い……そら、私が堪能してやろう」
「ぁんっ……」
玉桂のごつごつとした手が、がしっと織の尻肉を鷲掴みした。孔に響くくらいに激しく揉みしだかれて、織はふるふると睫毛を震わせながら耐えている。破廉恥な言葉を囁かれながらこんなことをされると、妙な気持ちになってきてしまう。
「ふっ……ん、んっ……」
「最高の揉み心地だ、はっはっは」
「や、やめて……ぁんっ……」
「んん? 何か言ったか、咲耶? 仕置きだ、と言っただろう。ほら、もっとイイものをおみまいしてやろう!」
「――ぁひっ……!」
顔を真っ赤にしていやいやとした織に、玉桂がわらいかける。
そして、ぐにぐにと揉みしだいていた手を尻から離したかと思うと――勢い良く、振り下ろした。
ぱぁんっ、と鋭い音が鳴って、織の臀部が玉桂にぶたれてしまう。
「痛いのも、善くなるんだろう?」
「いや、……いや……」
「くく、そら、もう一発だ!」
「あぁんっ……!」
ぱしぃっ、ともう一度、打たれる。
ぶたれたところが、ひりひりとして、痛い。ひぐひぐと泣く織を愛おしげに見つめて、玉桂は紅くなった尻を撫でてやった。
「うっ……ふ、……おゆるし、ください……」
「ん〜? 違うだろう? 「もっとしてください」、だろう?」
「うぅ……」
「そら、鳴け」
「んぁっ……」
はらはら。織が涙を流す。その雫に、玉桂はうっとりと微笑んだ。
愛らしい、織。なんて可愛いのか。はだけた肩に舌を這わせれば……しっとりとした熱気が、舌に染みてゆく。
ぱちん、もう一度、今度は優しく尻を叩けば、織の体がびくんっと震える。もう一度、もう一度……何度も何度も、叩いてやる。
「あっ……ん、……」
「ほうら、感じてきただろう? また勃ってきたぞ?」
「ひっ……う、……」
叩かれると、振動でイイところが刺激される。そのせいで、織の下腹部は熱くなってしまって、なんと尻を叩かれただけで感じ始めてしまったのだ。
ぱし、ぱし、とゆるやかな速度で、玉桂が尻を叩いてくる。こんなことをされて感じてしまう自分に恐ろしくなって、織は何度も何度も「いや」と言ったが、玉桂の責め苦は止まらない。叩かれるたびにゆらゆらと織の体は揺れ、縛り上げる縄がきしきしと音をあげている。
「ぁんっ……あっ……」
「乳首もぷっくりと膨らんできた……いやらしい気分になってきたんだな、咲耶」
「そんなこと、……あぁんっ……」
「体は素直だぞ? ふふ」
ずくん、ずくん、と下腹部がうずく。もう内ももはびしょ濡れ、勃ったものからの先端からはとろとろと蜜が溢れ続けている。
こんなことをされて感じてしまう……いやなのに、はしたないのに。玉桂に開発されきってしまった自分の体が嫌で仕方なかったが、そんな織の想いとは裏腹に体は濡れ続ける。
「あっ……あぁんっ……」
「くく、ほら、ねだってみろ「もっと叩いて」、と」
「やっ……そんな、はしたないことっ……あんっ……」
「んん〜? 言え、咲耶。もっと気持ち良くしてやるぞ!」
「あぁっ――!」
ぱぁんっ! と一際強く、織の尻が叩かれた。その瞬間、織はビクンッ! とのけぞって、甲高い声をあげてしまう。
ひくひく震える織を見て、玉桂がにたりと笑う。そして、もっと織をおかしくしてやりたい――そう思い立つ。がしっと織の尻肉を鷲掴みし、そのままぐいんぐいんと激しく揉みしだき腰を揺すってやった。そうすれば、織は顔を蕩けさせて甘い声を上げ始める。
「あぁー……! あぁ……あぁあー……!」
「楽になりたいだろう? 言え、言うんだ」
「はぁっ……ううっ……も、……もっと……」
「ほら、はっきりと言うんだ!」
「もっと……叩いてくださいぃっ……!」
「いい子だ。そら、鳴け! 咲耶!」
「はぁんっ――!」
焦らされ、じわじわとした快楽を与えられ続け。とうとう織は懇願してしまう。
言った瞬間に、玉桂が思いきり織の尻を叩いた。パァン! と鋭い音がなったが、織は痛がることはなく、たまらないといった顔をして儚い声をあげる。
「叩かれて、気持ちいいんだろう、咲耶!」
「ぁんっ! 気持ちいいっ、ですぅっ……あぁんっ……」
「そら! もっと鳴け! 仕置きをされてアンアン鳴く雌猫め!」
「ぁひっ……! あっ……! あぁんっ……! ぁんっ! あぁッ――……!」
ぴゅっ、ぴゅっ、と潮を飛び散らせながら、織は喘いだ。叩くたびに潮が飛び出すものだから、玉桂は楽しくなってしまってバシンバシンと何度も織の尻を叩く。ギチギチと縄が軋んで、織が藻掻いても藻掻いてもぎっちりと拘束して放さない。
何度も何度も織の尻を嬲って、潮も出てこなくなると、ようやく玉桂は叩くのを止めた。自分を吊り下げる縄を頼りにぶらんと力なく立っている織を見つめ、満足げに微笑む。
「くく、仕置きなのに悦ばれてしまったなぁ。いやらしい声をだしよって」
「ぁ……、ん……」
恍惚とした顔をして、はーはーと深い息をついている織。玉桂はそんな織の尻肉を両手で鷲掴みするとぐっと左右に広げ、隠れていた孔を曝け出させた。はく、はく、と息をするようにして疼くソコ、そして時折キュンッとヒクつくソコ。
「尻を刺激されてナカにも欲しくなったか?」
「んっ……」
「まったく……他の男のことを考えて自慰をして、仕置きをされて体を熱くして……実にいやらしい破廉恥な体だ、咲耶。ほれ、まだ体が疼くんだろう? 素直に言ってみろ、私の肉棒が欲しいと」
「あっ……!」
ずぶっ、と玉桂が指を一本、織のナカに挿入する。そして、ずぼずぼとナカを掻き回すようにして抜き差しをした。
「おお、締まる締まる。寂しがっているぞ、おまえの尻穴は」
「あっ、んっ、ぁひっ、」
「ほれほれ。ねだってみせろ」
「あっあっあっ」
どんどん激しくなってゆく抜き差し。たぱたぱと精液が垂れてきて、脚がガクガクと震える。もう立っているのが辛くて……そして、奥の方が熱くて。玉桂の男根にめちゃくちゃにされるのが嫌なのに、もう自分は純粋でないとわかっていても辛いのに。欲しくて欲しくてたまらない。奥に太いものをずぶりと突き刺して欲しい。
「ほしっ、……欲しい、ですっ……たまかつらさま……」
「何をだ? 何をどうして欲しい?申してみい」
「たまかつらさまの……太いものっ……あっ、はぁっ……私の、お尻に、……奥まで挿れてくださいっ……」
とうとう耐えきれなくなって。織は言ってしまった。
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