INAGO
ネタ部屋


▽蘭拓



「ナイショだよ、」


頭の中でそんな声が響いた。
よく知っているけれど、霧野の声じゃない。この声は霧野じゃなくて、


「2人だけの、ヒミツだよ・・・」


・・・ああ、そうだ。
この声は幼い頃の、大切で大好きな、俺のヒーローだった“蘭ちゃん”の声だ・・・。


瞬間、暗く沈んでいた世界が反転し眩いほどの光に包まれる。真っ白な世界はやがて色と形を取り戻し、徐々に“あの頃”へと俺の意識を連れてゆく。


シロツメクサの花畑、地面にしゃがみこむ2つの小さな背中。土で汚れた手にあるのは“約束”の証―・・・。


「・・・蘭ちゃん、どうして秘密なの?」

「だって、男の子同士では結婚できないって母さんが言ってた」

「・・・え、それじゃあ僕、蘭ちゃんと結婚できないの・・・?」

「・・・わからない」

「・・・そ、なんだ・・・」

「・・・・・・でも俺は、あきらめない」

「え?」

「俺は拓人と、ずっと一緒にいたい!」


揺るがない瞳は、幼い子どものそれとは思えないほどに真っ直ぐで真剣で、とても力強いものだった。それに比べて俺はと言えばぐずぐずと鼻を鳴らして涙を浮かべて蘭ちゃんに抱きついて。ああやっぱり、適わない。きっと一生、離れられない。離れたくない。


「・・・・・・僕、蘭ちゃんが大好きだよ・・・っ」

「俺も大好き。・・・だから今は、2人だけでナイショの結婚式をしよう?」

「・・・うん、する・・・っ」

「じゃあこれ、“チカイ”のキスな!」


ちゅっ、とやわらかく降ってきたキスはくっつけるだけの拙い子供のキスで、でも精一杯背伸びをした約束のキスだった。指輪は無い、誰も知らない、シロツメクサの花畑の秘め事。爽やかなそよ風がそっと、俺達の短い髪の毛を揺らした―・・・・・・。


______



「・・・っ、ん・・・」

「・・・・・・あ、神童やっと起きた。おはよ」

「・・・あ、れ・・・・・・なんで、霧野がここに・・・?」

「まだ寝ぼけてるのか?せっかく俺が遊びに来たのに神童がいきなり寝ちゃったんだろ」

「・・・・・・ああ、そうだった・・・すまない」

「いや、疲れてたんだろ?気にしなくって良いって。・・・それに、神童の寝顔も堪能できたし」

「・・・・・・馬鹿」

「本気だって、」


そう言ってクスクスと楽しそうに笑う霧野は成長して多少の見た目こそ変わったものの、やっぱりあの頃の面影を色濃く残している。霧野から見れば俺だってそうなんだろう。変わったけれど、変わらない。俺達は今も、互いを想っている。


「・・・・・・なぁ、霧野。結婚って、いつになったら出来るんだろうな」

「え、神童いきなりどうした」

「・・・・・・何となく。と言うか、幼い頃の、・・・夢、を見て・・・」

「ああ、あの時の。・・・結婚の“約束”をした結婚式か・・・」

「・・・・・・そうやって聞くと何だかややこしいな」

「必ずするよ」

「え?」

「・・・いつか、俺が世界から神童を奪って結婚する。俺のお嫁さんは、ずっと昔から神童って決まってるからな!」



無理だ、とは不思議と思わなかった。
何の確証も無いけれど、霧野の瞳は強く輝いていて世界の理なんて簡単に変えてしまうような気がした。そんな夢みたいなことが、俺達2人になら出来そうに思えた。俺の欲目かもしれない。きっとそうだ。だけど、俺は今でも霧野と結婚出来ると幼かったあの頃のように信じていた。



「・・・俺も男だからどっちかって言うとお嫁さんのほうが欲しいんだが」

「・・・悪いけど、俺は神童の嫁じゃなくて婿にしかならないからな。絶対幸せにするから我慢して」

「ははっ、何だそれ」

「・・・・・・結婚、してくれるだろ?」

「・・・嫌って言っても強引にするだろ、」

「まぁ、当然」


揺るがない瞳も、強引なところも、だけど頼りになってかっこよくって大好きなところも。何も変わらない。日々変わっていくけど、変わらない。ずっとこの胸にある約束と想い、誓いの結婚式。


「・・・霧野のお嫁さんなら、喜んで」

「・・・っ!」


遠い過去じゃない、今も続く未来への希望の物語。
柔らかな午後の陽射しが部屋いっぱいに広がる中で、俺達は何度目かの“誓いのキス”をした。


(stay with me)
(言葉よりも強く)
(抱き締めて、キスで伝えて)


*********************


冒頭はたっくんの夢の話です^^
って言うか久しぶりの蘭拓(小ネタ)がコレって!(爆笑)
意味不明な感じですみません・・・・・・でも蘭拓はいつかきっと結婚するって信じてる(笑)


2013/01/13 23:15 (0)


▽南倉



昔話をしようか。
今は昔、竹取の・・・・・・じゃなくって。昔々、と言ってもそんなに昔じゃないっつーかどっちかって言うとごく最近の話だけどあるところに、・・・・・・ああ、あるところって言うのはお前もよく知っている場所で今現在も通ってる、・・・まぁつまりはここ、雷門なんだけど。


とりあえず、あるところに成績優秀・容姿端麗、中学生にして類まれなる色気とサッカーの実力を持つ紫の髪のイケメンが居たわけだけど。


・・・・・・おいコラ、聞いてんのか。何だその間抜け面。


「いや、だって何言ってんのか意味不明ですし。つーか、マジで頭大丈夫ですか?」

「お前の数学のテストのほうがやばいだろ」

「ほっとけよ!・・・って、そうじゃなくて!さっきから様子が(いつも以上に)変ですけどどうしたんですか」

「・・・カッコのセリフはどういう意味だ」

「そのままの意味で受け取ってください」

「・・・・・・・・・うっせぇな、俺だってする側は慣れてねぇんだよ」

「はい?」


昔々、とは言ってもごく最近。
あるところの有名な中学サッカー部に、成績も容姿も実力も完璧な10番とひとつ年下の後輩でクソ生意気な可愛げのない11番がおりました。


・・・・・・そして不覚にも、南沢篤志はそんな倉間典人に恋をしてしまいましたとさ。


この物語の続きは、まだまだこれから。



(告白5秒前)
(あと少し、もう少し)
(不器用さんの昔話)


*****************

南沢さんのキャラ崩壊も甚だしいですね(^q^)
しかもほぼギャグ(笑)
でも最近、今までと違う書き方をするのが結構楽しかったりします(笑)


2013/01/09 23:43 (0)


▽蘭拓←茜


すきすきすき。


シン様だいすき。


昨日も今日も、明日もずっと。シン様は素敵。


凛々しいのに繊細で、力強いのに優雅で、王子様みたいにかっこいい。
シン様を好きな他の女の子達の気持ち、私よく分かる。
だって私も、かっこいいシン様を素敵だと思うもん。


だけど、


「神童!」

「・・・・・・霧野、」


レンズ越しのシン様は私じゃなくて、名前を呼んで駆け寄ってきた霧野くんに微笑んでる。ふわっと柔らかく浮かべた微笑みは、他の女の子達が見ているどんなシン様よりもずっと素敵。私しか知らない、霧野くんしか見れない、シン様の“特別”な表情。


「・・・・・・シン様、笑って」


小さく呟いた私の声は、きっとシン様には届かないの。でもそれで良いの。
シン様へのこの気持ちは水鳥ちゃんと錦くんみたいに恋かもしれないし、大好きだけどもしかしたら恋じゃないのかもしれない。難しいことは考えない。わからなくていいの。だって私は、こうやってシン様を見つめているだけで幸せだもん。


「・・・・・・これ、霧野くんにあげたら喜んでくれるかも」


だからねシン様、ナイショのキスシーンをもう一枚。


(ぱしゃり)
(いつでもずっと)
(シン様の幸せを願ってる)


****************

拓茜は苦手(地雷)なんですけど、シン様大好きな茜ちゃんは大好きです。
でも拓茜は地雷((大切なので2回言う
それにしても茜ちゃんのキャラ難しい・・・!!!ものすごく書きづらかったです^^;
この小ネタの背景(イメージ?)としては蘭拓のいちゃいちゃを隠し撮りしてる茜ちゃんです(笑)


2013/01/07 21:51 (0)


▽蘭拓+京天


※ベストマッチネタ








霧野「やばい俺と神童の子が美少女すぎてどうしよう」


神童「出来てない出来てない」


霧野「俺と神童の子供…!!!!」キラキラ


神童「だから違うって言ってるだろう!!?」


剣城「そうですよ霧野先輩。何言ってるんですか」


霧野「何だ剣城。お前も神童とベストマッチだからって調子に乗りやがって…!お前と神童の子なんて認めない!!神童とピー<自主規制>でピー<自主規制>の末のピー<自主規制>で子供を作っていいのはこの俺だぁぁぁぁぁぁあああああ!!!!」


剣城「……なんでこの人はミキシマックスを自主規制で説明してるんですか」


神童「さぁな、新年早々病院送りになりたいんじゃないのか?」ゴゴゴ…(化身アームド中)


霧野「白タイツたっくんhshs!!!!」


神童「!!?」ビクゥッ


剣城「……全く、1番可愛いのは俺と天馬の子に決まってます」ぼそっ


霧・神「「あれっ、まさかの新年早々ボケ要員だった!!?」」



***************

何がしたかったんですかねこれ(笑)
新年早々ボケてるのは桜兎です(笑)
とりあえず京馬くんと蘭拓ミキシが可愛すぎて辛い(^q^)


2013/01/01 19:16 (0)


▽蘭拓+マサ輝



神童「ん゛ー!ん゛ー!!!」


狩屋「……ちょっ、何やってるんですか……」


霧野「よぉ狩屋。元気か?」


狩屋「は?いや、はい…じゃなくて!」


霧野「そうか。無駄に元気で痛いネーミングセンスの持ち主な狩屋と違って俺には複雑で繊細な悩みがあるんだ…」溜め息


狩屋「ちょっと待ってください本当色々待ってください」


霧野「ずばり、男が女装して似合いすぎるのは本来の面白みとして如何なものか…!!?」


狩屋「何言ってんのか全然わからないですけどとりあえず霧野先輩が女装したらガチで女子ですよね」


霧野「…そこで俺は考えた!男が女装するなら敢えて絶対に似合わない女装をするべきだと!!!!」くわっ


神童「ん゛ん゛ん゛ん゛ーーーーっ!!!!!?」びくっ


狩屋「そう言いつつ何であんたは神童先輩の口をクッションテープ(愛ゆえの妥協)で塞いで馬乗りになってメイド服着せようとしてんだよぉぉぉぉおおおおお!!!!?」


霧野「男が女装するなら笑いを取るべきだろ!!?」真剣


狩屋「話聞いてます!!!?」


霧野「っつーわけで狩屋、お前はまつげバッサバサの女子高生の女装しろ」(衣装を渡す)


狩屋「だから話聞けよ!!!!!しかもアンタ男は似合わない女装をするべきだってついさっき言ったばっかりですよね!!!!?」


影山「マサキくん……似合う自信があるんだね……」


狩屋「いやそうじゃないけど!って言うか輝くん居たの!!?」


影山「そうだよね…霧野先輩に夢中で僕のことなんてアウトオブ眼中だよね……」しょんぼり


狩屋「ねぇよ!!!!俺はいつだって輝くん一筋だよ!!!!!!」


影山「…えっ!!?」かぁぁ


霧野「さーて、バカップルの邪魔が入ったから向こうで似合わない女装について実戦形式で語り合おうか、神童^^?」ひょいっ(お姫様だっこ)


神童「ん゛ん゛ん゛ーーーーっ(泣)!!!!!(いちゃついてないでどっちか俺の事助けろよぉぉぉおぉぉぉお!!!!)」




******************


お茶会でのネタをちょっと弄ろうと思ったら見事に影も形も無くなりました(^q^)www
つけまの話のはずが…あれ?((とぼけるな
昨日はクッションテープに大変お世話になりました(笑)


2012/12/31 12:24 (0)


▽蘭拓


霧野「神童!手つなぎたい」 


神童「は?何言ってるんだここは公衆の面前、・・・おいっ!?」


霧野「大丈夫だって。神童が可愛いから問題なし!」 


神童「可愛いのは俺じゃなくって霧、・・・あ。」


霧野「・・・何か言った?神童^^」 


神童「・・・・・・滅相もございません」 


霧野「はい、恋人つなぎけってーい」ぎゅっ 


神童「・・・っ!!?」   




*************


お茶会で盛り上がったネタ(笑)
あわあわするたっくんと男前に恋人繋ぎする蘭ちゃんって難しいですね(笑)
男前じゃなくて通常運転^^;


2012/12/30 01:00 (0)


▽蘭拓


※多分どっかのパラレル蘭拓







知りたくて触れたくて、君の事が大事だと告げたくて。
抱き締めたらきっと、もう二度と引き返せない。


・・・いや。本当はもうずっと前から、俺はお前を裏切ってたんだ。
『親友』だったお前は、俺は、本当はどこにも居なかった。全部演技で、全部が嘘だった。世界の平和、日常の象徴、ちっぽけな箱の中の、作られた偽りの関係だった。想いを殺して『親友』のそれだと、必死に納得して誤魔化して。
気づかない、気づいてないフリをしていたけど。本当はずっと、ずっと俺の中で『好きな人』だったんだ。


そばに居たい、守りたい、笑っていて欲しい。
だけど、


境界線を越えて、君の奥に入りたい。
全部、俺が良い。俺だけが、独占していたい。
なぁ、そんなこと言ったらお前は怒るだろうか泣くだろうか。気持ち悪いと罵るだろうか。・・・ああ、神童は優しいからきっとそんなことは言わない。でもきっと、今までみたいに当たり前のようにそばに居て笑ってくれる事なんて無いんだろうな。


わかってる。わかってるんだ。
そんなの全部、ちゃんとわかってるのに。


不安定な関係を、釣り合わない天秤を、守りたくて壊したくて。
止められないから、俺は。


「き、霧野・・・?」

「・・・神童、嫌なら今すぐ俺の事突き飛ばして」


何やってるんだろう俺。
神童の事を壁に追い詰めて、顔を近づけて。

今ならまだ、戻れるかもしれない。限界ギリギリでも、冗談だって笑い飛ばせるかもしれない。親友のままで居られるかもしれない。


なのに、


「・・・嫌じゃ、ない・・・」


震える声は拒絶じゃなかった。躊躇う唇は、それでも衝動を抑えられなかった。
逃げ場所なんて、もう何処にもなくて。2人の影が重なる、日常も関係も壊れていく。
幼い頃の俺の声でさよならと、頭のどこか片隅で聞こえた気がした。


この距離が0になったら、俺は。


君の事を好きだと言っても良いだろうか。


(この瞬間をずっと)
(ずっと、待ち望んでいたんだ)
(想いは君に、届いてた)


**************

お茶会の最中に完成させた古いネタです
ちょっと暗いですが最後はもちろんハッピーエンドです(笑)
両片想いな蘭→←拓も好き(*^^*)


2012/12/30 00:32 (0)


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