INAGO
ネタ部屋
▽サルフェイ
手離せないのは、
「好きだよ、フェイ」
「・・・うん、僕もだよ。サル」
どっち、
どっち、
「・・・もう引き返せないね」
「戻る気なんか、最初から無いくせに」
重ねた手は、どちらかがひどく冷たくて。だけど重ねた唇は、互いにとても熱っぽくて。
「ねぇ、好き?」
「好きだよ」
どっち、どっち、嘘を吐けないのは、どっち?
「これは気紛れなの?」
「まさか。運命だよ」
泣いているのは、君なのに。何故か僕の心も痛むんだ。
(言えないよ)
(好きだけど)
(だけど、)
****************
雰 囲 気 文!!
黒皇帝SARU様すてき!すき!
でもこの文のモノローグはサルなのかフェイなのかわからないですきっとどっちも。
後半の会話もどっちがどっちなんだか←
▽蘭拓
霧野「もういーくつねーるーと♪」
神童「だいぶ前にお正月どころかひな祭りさえも過ぎたぞ、霧野」
霧野「何言ってるんだよ神童。俺がカウントしてんのは3月9日、待ちに待った蘭拓の日!」ドヤァ
神童「そこでドヤ顔する意味がわからない」
霧野「神童との公式記念日に浮かれない俺なんて存在する意味がわからない」
神童「そこまで言うか!?」
霧野「お前のことが大好きだからだよ、神童」にこっ
神童「・・・こっ、こここここ告白するないきなり!馬鹿!」かぁぁ
霧野「(可愛い・・・)」
神童「・・・だ、大体、いくら楽しみだからって48時間52分前から浮かれてどうするんだ・・・」
霧野「・・・え?」きょとん
神童「・・・あっ」
霧野「・・・・・・」
神童「・・・・・・」
霧野「・・・・・・」
神童「・・・・・・」
霧野「・・・・・・」
神童「・・・だ、黙ってないで、何か言ったらどうなんだ・・・」ごにょ
霧野「・・・・・・神童、」
神童「・・・な、何だ・・・」どきっ
霧野「もしかして、神童も蘭拓の日楽しみにしてんの?」
神童「・・・ち、違う!そんなんじゃない!違うからな!」かぁぁ
霧野「やばいどうしよう俺の拓人が可愛すぎて理性ぶっ飛びそう」
神童「・・・それっていつもと全く変わらないんじゃないか?」
霧野「たった今までツンデレモードだったのに急に冷静になるの止めてよしてマジで(泣)!!」
*****************
蘭拓の日まであとちょっと・・・!
ネタはあるんですけど何しようか悩みます。
って言うか時間無い(^q^)
▽サルフェイ(+ギリメイ)
「ギリス」
「メイア」
恋人たちが笑う。
残された時間を、たった一人の愛する者の為に生きると誓って。
この世界の全てを、君と迎える最後の為に捧げると誓い合った二人が今日も愛を育む。
あとどれだけ、時間が残されているかわからないのに。
「ギリスとメイアは今日も仲睦まじいね」
「フェイ」
「・・・ほんと、羨ましいくらい」
「・・・・・・へぇ、フェイにも恋愛願望があるんだ?」
「なっ、別にそういう意味で言ったんじゃないけど!・・・ない、けど・・・」
「けど、“否定はできない”?」
「・・・・・・サル、また勝手に心を読んだでしょ」
「読まなくてもわかるよ」
フェイの考える事くらい、全部ね。
そう言おうかと思ったけど、止めた。きっと言うまでもなくフェイにも分かってる事だろうし、それに。
フェイの視線は、さっきからずっと窓の向こうのギリスとメイアに向けられたままだし。
「憧れる、なぁ・・・」
「・・・僕も、あの二人の絆は本当に尊いなと思うよ」
「・・・え、サルが?」
「何だい、その反応。僕だって、僕に出来ないことを出来る人はすごいと思うさ」
誰かを愛する、大切に想う。
相手はわかってる、だけどやり方がわからない。
この力では、皇帝としての命令では、心の全部までは支配できない。
どれだけ心が読めても、相手の気持ちをも分かってても、僕が本当に誰かを愛せるかどうかはまた別の事。
「・・・サルにも、出来ない事とかあるんだね?」
「まぁね。だからこそ、この世界を支配する意味があるのさ」
君と生きる世界、僕が僕である世界。君が君のままで、笑い合って生きていける、そんな愛しい世界。
あとどれだけの時間が残されているのかやっぱりわからないけれど、
「フェイ、君にやってほしい任務があるんだ。もちろん、できるよね?」
「・・・・・・仰せのままに、我等が皇帝」
せめて、君と僕の見ている世界がもう少しだけ優しくなるように精一杯足掻いてみせるさ。
(陽だまりの氷)
(君も僕も)
(同じくらいに寂しい)
*******************
記憶を消される前の出来事、みたいな。
ほとんど雰囲気文ですね(笑)
サルフェイには素直に愛し合えるギリメイが眩しく見える、そんな感じ?
▽マサ輝
好きな子にはいつだって笑ってて欲しいと思うし、自分が守ってやりたいとも思う。
んで、俺にとってその相手って言うのは今更言うまでもなく輝くんで、そんでもってこれも言うまでも無いけど輝くんも俺と同じ男なワケで。
なんていうかまぁつまり、上手くいかないことのほうが多かったりする時もあったりなかったり。
「・・・マサキくん、マサキくん!ねぇ、どうしたの?さっきからずっと怖い顔してるよ?」
「・・・・・・別にー」
「別にって・・・嘘でしょ?何で怒ってるの?」
「俺は輝くんがどんな女子にも優しくって仲良く話してたりさりげなく重い荷物を持ってあげたりして好感度アップさせてても全然気にならないから」
「・・・・・・えっと、何の話?」
「・・・だから!輝くんのそーいうとこ、王子様みたいだなって褒めてんの!」
「マサキくんの表情のどこに褒めてる要素があるの!?」
まだうろたえてる様子の輝くんを背に、俺は廊下をずんずんと歩き進む。
ああもう、ムカつく。悔しい。かっこ悪い。
嫉妬なんて、もうずっと前から。
輝くんの誰にでも優しいところが好きなのに、輝くんの誰にでも優しいところが嫌い。
優しい、頑張り屋、意外と負けず嫌いで可愛いのにかっこいい。
輝くんの魅力は、俺だけが知ってたら良いのに。でも魅力だからこそ隠せない。
さっきから何言ってるんだろ俺。とにかく、俺が今言いたいのは。
「・・・・・・輝くん!」
「・・・わぁっ!?っえ、はい!?」
ピタリと足を止め、俺は必死に後を追いかけてきた輝くんに向き直る。
輝くんは一瞬ビックリしてたけど、俺の気迫に押されたのかすぐに真剣な表情になる。
「・・・・・・俺も、」
「・・・・・・俺も?」
「・・・・・・・・・かっこよくなりたい」
「・・・もう充分かっこいいのに?」
「えっ」
「え?」
キョトン、なんて。なんて憎たらしいくらいに愛らしい表情をするんだろうこの天然タラシ王子様は。
それでもこんな一言にどうしようもなく舞い上がってさっきまでの不機嫌なんか一瞬で吹き飛ぶ俺も俺だけど。これはきっと、惚れた弱みって奴だよ、多分。
・・・ああ、ダメだこりゃ。俺が輝くんよりかっこよくなる日はまだまだ当分先かも。
(王子様ウォーズ)
(まだ適わない)
(早く俺に振り向いて!)
***************
ふふっ、なんだこれー(壊)
なんかマサ輝書きたいなあ・・・と思って気ままに書いた結果がこれですorz
残念無念すぎて泣きたい。輝くんって女子からの人気も高そうだよね!って話です^^;
▽蘭拓
霧野「こんな禁欲生活もう耐えらんない!!!!」
神童「・・・・・・お前はまた・・・いきなり何言ってるんだ」
霧野「だってだってだって!!!!」
神童「ああもう、耳元で叫ぶな!うるさいっ!!」
霧野「だって!神童を抱けるのは試合が無い土日か次の日がOFFの日だけってどういう事!?何だよこれ信じらんない耐えらんない有り得ない我慢できない!!!」
神童「そう言いつつ霧野が我慢できた試しなんて無いだろう!?」
霧野「神童を目の前にして欲情しない俺なんて俺じゃない」きっぱり
神童「真顔でさも正論みたいに言わないでくれないか?」
霧野「それに俺、神童が必殺技だけじゃなくて化身アームドまでして抵抗した時はさすがに襲ってないし・・・」
神童「気づいてくれ霧野、そこまで本気で抵抗しなきゃならない状況のほうがおかしい」
霧野「可愛く誘ってるくせにヤらせてくれない神童が悪い」
神童「俺がいつそんなことをしたんだ!!?」
霧野「神童は酸素吸ってるだけでエロいよ((キリッ」
神童「・・・霧野、すごく気持ち悪い・・・!」ドン引き
霧野「ああほら、またそうやって誘う・・・」にやり
神童「そんなつもりじゃないから調子に乗って押し倒そうとするな馬鹿!変態!南沢さん!」
霧野「さすがに最後の一言は聞き捨てなら無いんだけど・・・」
神童「・・・あ・・・すまない。口が勝手に本音を・・・・・・じゃなくて!どう考えても悪いのは霧野だろうが!!!!」
霧野「ぶー、いいじゃん神童。ちょっとくらい」
神童「お前のちょっとは俺の明日の生活にどれだけ影響が出ると思ってるんだ」
霧野「もし歩けなくなったら俺が一日中姫抱っこしてやるって!」ばちこーん☆
神童「霧野のすぐにそうやって都合よく事を運ぼうとするところが嫌なんだ!!」ばきっ
霧野「ぐはぁっ!!?・・・・・・し、神童!何もグーで殴らなくたって・・・!」(頬を押さえる)
神童「・・・・・・っ(泣)」ぽろぽろ
霧野「!!!? えっ・・・ちょっ、神童!?」ぎょっ
神童「うー・・・うぅ・・・っ、ひっく、ぐすっ」
霧野「(やばい・・・さすがにちょっといじめ過ぎたか・・・!!?)」顔面蒼白
神童「・・・・・・っ霧野、は」ぼそっ
霧野「・・・え、何?」おそるおそる
神童「・・・・・・霧野が、好きなのは・・・俺の身体だけじゃないのか!!!?」
霧野「○×▽□☆〒⇒◎◇!!!?」
神童「ふぇぇー・・・ぐすっ、うぅーっ」
霧野「(やばいどうしよう・・・今すっげー大胆なセリフだったなwwwとか笑って突っ込んだら多分ジ・エンドだよなうわぁどうしようそれでも俺の欲求は止まらない神童の泣き顔可愛いペロペロしたいぎゅーぎゅーしたい超可愛いっぃぃぃぃぃぃいいいい)」
神童「・・・・・・・・・聞こえてる、ぞ」ジロッ
霧野「(ビクッ) い、いやっ、ちがっ、ごめん神童!そんなんじゃなくて・・・・・・ええっと・・・って言うか、とにかく絶対違うから!!!!!」
神童「・・・・・・何、が」ぐすっ
霧野「俺は身体も心も神童だから好きなの!神童だから全部を愛してるんだよ!!!」
神童「なっ・・・!」かぁぁ
霧野「そりゃあまぁ確かに?お年頃だから?すぐそーいう雰囲気に持っていきたくはなるけど・・・・・・そんなの全部、相手が神童だからに決まってるだろ・・・」
神童「き、きりの・・・」
霧野「誰にも邪魔されずに2人きりの部屋で、一晩中神童を可愛がりたいって思うのは俺の我が儘か・・・?」
神童「そ、れは・・・」
霧野「神童は、俺とそーいうことするの、嫌で嫌で仕方ない?気持ちよくない?」
神童「・・・嫌じゃない、けど・・・」
霧野「俺は肌を重ねる事でほんのひと時でも拓人の全部を独占したいだけなんだ・・・」
神童「蘭丸・・・!」
霧野「拓人・・・・・・」
神童「・・・・・・でも今日は水曜日で明日も学校があるからお預けだぞ」きっぱり
霧野「ですよねやっぱり分かってた(泣)!!!!!」
**********************
蘭拓のありがち(?)ネタと言うか、こういうアホな会話文好きです・・・。
とりあえずひたすらいちゃつけばいい///
蘭拓ちゃん結婚しろー(*^^*)
▽南倉+浜速
倉間「う゛ー・・・・・・」
南沢「何だ倉間、負け犬の遠吠えみたいなみっともない声出して」
倉間「アンタそのうち俺のファンに刺されても知りませんからね」
南沢「大丈夫だ、俺のファンなら喜んで盾になってくれる」しれっ
倉間「冗談に本気のボケで返さないでツッコんでくださいよって言うかドヤ顔ムカつく!!!!!」
南沢「おー、小さい奴ほどよく吠える」
倉間「噛み千切りますよ」イラッ
南沢「・・・どこを?」
倉間「アンタが今想像したお望みの場所をです」
南沢「・・・・・・全力で遠慮しとくわ」(顔面蒼白)
倉間「(何を想像したんだ・・・・・・)」
南沢「・・・で、何でそんないつもに増してしかめっ面な訳?」
倉間「ほんっと一言多いっすね・・・。あー・・・アレですよ、アレ」
南沢「・・・・・・お前、そんなつるぺたなのにまさかの女子だったのか・・・・・・」驚愕
倉間「南沢さん、そろそろ本気で反省しないと三国さんに頼んで雷門出入り禁止にしますからね」
南沢「俺が悪かったからオカンパワー使うの止めて。マジで止めて。あの母性に満ち溢れた図体に泣かれるとほんとめんどくさいって言うか居た堪れないから」
倉間「わかればいいんですよ、わかれば」
南沢「・・・で、話戻すけどアレって何」
倉間「あぁ、口内炎の事です」ずきずき
南沢「・・・・・・口内炎?」
倉間「口内炎です」
南沢「・・・・・・コウナイエン?」
倉間「・・・・・・口内炎、です」
南沢「・・・・・・こうないえん、だと・・・!?」
倉間「・・・・・・こうないえん、ですけど・・・!?」
南沢「よしわかった、それじゃあキスするか。深いやつ」
倉間「ちょっと待て何でそうなった!!!?」
南沢「いやだってほら、よくあるじゃん。キスのときに口内炎のトコを集中的に攻めると痛いけどなんか気持ち良い・・・ってやつ」
倉間「嫌ですよ痛いじゃないっすか」
南沢「だからそれが良いんだろ?」
倉間「俺はそんな変態じゃないですから」
南沢「・・・・・・え?」
倉間「オイコラ本気のキョトン顔止めろ首傾げんな目が笑ってねぇぇぇぇぇぇぇえ!!!!」
南沢「お前な・・・いくらツンデレだからって変態を否定するのは超次元サッカーで化身も必殺技も無しにシュート決めるようなもんだぞ?」
倉間「何すかそのわかるようでわからない説明は!!?っつーかツンデレ関係ねぇし俺はアンタと違って変態じゃねぇよ!!!!!」ブチッ
南沢「はいはい、素直じゃない子にはお仕置きが必要だな?」ニヤリ
倉間「無理やりそっちの雰囲気に持っていこうとすんな歩く18禁野郎!!!」バキッ(頬を殴る)
南沢「ずべしっ!!!!」(うずくまる)
倉間「はー・・・っ。ったく、アンタって人は本当に・・・・・・ん、どうしたんすかいつまでも口押さえて。そんな痛かったっすか?」
南沢「・・・・・・お、おもいっひりしひゃかんら・・・(※おもいっきり舌噛んだ)」
倉間「・・・へぇ」にっこり
南沢「!?」ビクッ
倉間「良かったですね南沢さん、俺、気が変わりました。今ならキスしても良いですよ。・・・もちろん、すっげー深くて気持ち良いやつ」
南沢「!!!?・・・い、いや、えんひょす・・・・」じりっ・・・
倉間「遠慮?何言ってるんですか、強欲と性欲とナルシストの塊みたいなくせして」
南沢「おいひょっろまてひまのは聞き捨てなりゃないひょっ」
倉間「え?何、舌噛んだトコをじっくり攻めて欲しいって?」じりじり
南沢「ひげぇよひかよんなぁぁぁっぁぁっぁぁぁぁ!!!!!!」逃げっ
倉間「あっはっはっはははははっはははは!!!!!ざまーみやがれぇぇぇぇぇっぇえ!!!!!!」(追いかける)
_________
浜野「・・・・・・なぁ、倉間気づいてんのかな・・・」
速水「いや・・・あの様子だと全く気づいて無いでしょう・・・」
浜野「どうせキスのテク的に南沢さんに敵うはずが無いんだから最後に泣かされるのは倉間だってのに・・・・・・ちゅーか、南沢さん狙ってたよね?」
速水「まぁ、南沢さんのことですから多分ほぼ確実に計画通りでしょうね・・・」
浜野「ちゅーことは倉間は今頃・・・」
速水「・・・・・・南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏・・・」
浜野「・・・・・・・・・口内炎って地味にすっげー痛いよな」
速水「はい。お刺身とか味の濃いものとか酸っぱいものを食べた時のあの痛みときたら・・・」
浜野「・・・・・・。」
速水「・・・・・・。」
浜野「・・・・・・速水、今口内炎できてる?」
速水「・・・いえ」
浜野「じゃあさ、舌噛んだりとかは?」
速水「特には・・・」
浜野「そっか、俺も!・・・・・・ちゅーか、キスして良い?」にぱっ
速水「・・・・・・はい」かぁぁ
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南沢「え、何これ散々引っ張るだけ引っ張っといてまさかのリア充オチ?」
倉間「みなみひゃわしゃ・・・しばらくの間キス禁止令っすからね(泣)!!!!!」ずきんずきんずきん
**********************
とりあえず口内炎は痛いって話が書きたかった^q^
浜速はアレです、友情出演(笑)
喉も口内炎も痛いよー(T_T)
▽(サル)フェイ+天馬
※ 完 全 捏 造 !
君は自由に空を飛べるけど、僕は飛べないから。
必死に何度も何度も駈けるけど、空には到底届かない。
月にはもう帰れない。
君の隣りはあんなにも遠くて、僕は地面を跳ねるだけ。
手を離されて、月から堕ちて、真っ赤な瞳で夜空を見上げるけれど。
どれだけ待っても、迎えなんて、来る訳も無くて。
ねぇ、君は最後、どんな表情で僕を見ていたの?
―・・・そもそも、“キミ”は“ダレ”?
「・・・あれ、思い出せないや・・・」
「・・・・・・フェイ、どうしたの?」
「天馬・・・・・・」
ガサリと草陰を揺らして現れた天馬は一瞬だけ僕の表情に驚いていたけれど、すぐに穏やかな笑みを浮かべて僕の隣りに腰掛ける。
夜風は思っていたよりも冷たくなかったけれど、それでも僕は膝を抱える腕の力を緩める事が出来なかった。だって、よくわからないけれど、そうしないと今すぐにでも崩れ落ちてしまいそうな気がしたから。
「・・・・・・泣いてる」
「え?」
「フェイ、さっきからずっと泣いてるよ」
「・・・僕、泣いてるの?」
「・・・うん、どうしたの?・・・俺でよかったら、話聞くよ」
にっこりとさっきよりも柔らかく微笑んだ天馬は優しいけれど力強くて温かくて、不思議と誰かと重なる。誰なんだろう。僕の心を締め付ける、視界を歪ませる、ずるい人。頬を伝う滴は、確かに涙と呼ばれるものだった。
「天馬、・・・てん、ま・・・。僕、寂しいんだ。・・・よくわからないけれど、・・・月を見てると、寂しいよ・・・」
「・・・・・・そっか。きっと、フェイには好きな人が居るんだね」
「・・・すきなひと?」
「うん。フェイにとってすごく大切で、大好きな人。だから月を見て寂しいって、会いたいって心が呼んでるんだよ」
そんなの、わからない。
声だってもう、聴こえないのに。・・・聴こえない、のに?
ねぇ、君は何処に居るの。誰なの。どうして僕の中に居るの。教えてよ。淋しいよ、会いたいよ、どうして。どうして、僕を一人ぼっちにするの。
「・・・何も、思い出せないや・・・」
「フェイ・・・」
「きっと全部、気のせいなんだ。ちょっと疲れてるだけ。それだけなんだ。・・・・・・うん、こんな調子じゃダメだね。まだまだ旅は始まったばっかりなんだから。・・・よしっ、天馬、そろそろ皆のところへ戻ろう!明日の為にも早く休まなくちゃ」
「待ってフェイ、・・・フェイ!」
「・・・何だい、天馬」
「・・・・・・いつかきっと、必ず会えるよ」
「・・・・・・うん。ありがとう、天馬」
月を見ても、今はまだ心が痛むだけだけど。
天馬の言うとおり、いつかきっと、もうすぐ意味がわかるんだろう。遠い月の向こう、果てしない空の何処かに居る、僕だけの特別な人。
「・・・ねぇ、もしも僕の好きな人が宇宙人だったらどうしよう」
「えぇーっ、まさか!」
どうか今夜、君も同じ月を見ていますように。
(名前も知らない君)
(何処に居るの)
(僕はずっと、待ってるよ)
**********************
まぁ案外すぐ近くでSARU様はフェイ達をストーカー・・・じゃなくて監視してるんですけどね(笑)
サルフェイは甘いのも切ないのも好きです。最後はもちろんハッピーエンドですけど^^
フェイくんの無自覚なウサギっぷりを如何に表現するかで悩みました(笑)
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