マサ輝
2013/07/01 15:03
声に出して願えばきっと、君はそばに居てくれるんだろうけど。
でも“もしも”を考えると、もしも君に手を振り払われたらと思うと、それが馬鹿みたいに怖くて。君に限ってそんなこと絶対に無いって、ちゃんと知っているはずなのに。
そう、知ってるから。
過ごした時間は、たくさんのものを俺にくれたから。君がとても優しい事を、俺だけじゃない、みんながわかっているから。
だから、だからきっと、俺の勝手な望みを伝えたら、優しい君はきっと、無理してでも叶えてくれようとする。だけど、その優しさは悲しくて寂しくて、苦しいよ。親切心や同情に似た優しさが欲しいんじゃ無い。欲しいのは、君の気持ちで、俺は君に、想いに答えて欲しくて。優しさじゃなくて、好意の上に成り立つ返事が欲しいんだ。
あぁ、矛盾してる。わかってるよ。俺は欲しがりで我が儘で、ガキだよ。だから素直に言えないんだよ。
本音を隠して笑う事はそんなに難しくなくて、だけどそれを認める事は難しい。君は真っ直ぐに俺を見つめてくれるのに。
祈るだけ。気づいて欲しいと、願うだけ。君の優しさで君を苦しめないように、そう思ってるのに、俺は
「……まだ帰りたくないな」
「えっ?」
「だってほら、今日っていつもより早く練習終わったから…だから、えっと……」
「…どっか寄り道する?」
「でも、狩屋くん門限が」
「ちゃんと瞳子さんに電話するから!」
いそいそと携帯を取り出す俺の横で狼狽える輝くんは、まだ気づいてない。俺が今とても嬉しくて口の端が釣り上がってる事も、暮れ始めた空の合間に一番星が輝き出した事も。
(今はまだ、このままで)
(2人の放課後は)
(まだ終わってないから!)
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久しぶりにもだもだしてるケミストリーが書きたかったのです
友達だけど、隣に居るのは君が良いよみたいなうんごめんなさい違う(笑)
そして言うまでもなくマサ→(←)輝
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