「****。」
「なあに、キラー。」
「……なんとかならないのかその格好。」

キラーが呆れ返るのも無理はない。目の前に居る少女は別の意味で目に毒なのだ。****はきょとんとした顔でキラーを見つめている。

「便利なんだ、これ。あたし、本読むの好きだし。」

黒いワンピースの正面にはまるでドラ〇もんのような大きなポッケがついていてその中には分厚い本が一冊入っている。ぼさぼさの髪には羽根ペンが刺さっていて、これはこれでアクセントになっていないこともないが、見た目綺麗とは言い難かった。そのあまりにも女性を意識していない姿にさすがのキラーも何か言わずには居られないらしい。

「…今度は何の本を読んでるんだ?」
「グランドラインの深海魚には、毛が生えてるんだっていう説が本当かどうか調べてるんだ。あたしは生えてる魚が居ると思う。だって、グランドラインは何でもありだもん。」
「そ、そうか。」

―キッド、俺にはさっぱりわからん。

顔立ちは可愛いし手入れをすれば綺麗な髪質、スタイルもいい****。しかしそんなことは彼女にとってはどうでもいいことに過ぎないのだろう。自分を美しく見せたり良く見せたり決してしない彼女がいいと、この海賊団のキャプテンは言っているのだから世も末である。

「あ。」
「?」
「キラー、最近眠れてないんだね。」
「?あ、ああ…」

そんなこと一言も口にした覚えは無いのだが…たじろいでいると****がキラーの手に触れる。

「うん、もう大丈夫。」
「……?」
「今日からはぐっすり眠れるよ。」

にぱっと無邪気に笑う****に、そうか…とキラーは思い出したように頷いた。彼女は森羅万象を戻すことができる能力を持っている。詳しいことは聞いていないが、幼い頃に悪魔の実を食べたとかなんとか。そんな悪魔の実は聞いた事がないが…。

―まあ、持っているのはそれだけではない、か。

「すまないな、****。」
「いーえ。」
「てめーら、何してんだ?」

機嫌の悪そうな声に2人が振り向くとそこにはキャプテンことキッドが立っていた。
「キラーとお話してたんだ、ね?」
「ああ。」
「話…だぁ?」
「心配するな。お前が思っているようなことは一切ない。」

だが何となく、キッドが彼女を傍に置く理由がわかった気がした―

「………おい。」
「なあに?」
「…気を付ける必要なんかねーと思ってたのに。」
「どうゆー意味?」
「****みたいに、女の欠片もねぇようなヤツは俺以外誰も興味なんかわかねえんだから。」

「俺だけ見てればいいんだよ。」

「………キッド……」

―気が付けば、あたしはキッドの腕の中に居たんだ。


物凄くわかりにくいけど、それって妬いてる?


(なっ…妬くわけねーだろ!!!///)
(なーんだ、嬉しかったのにな。)
(…!!///)





わかりにくいけどわかりやすい彼


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