バイバイマイシスター 4
「未央、今日泊まってく……?」
「いいの?」
「いいよ、もちろん。先にシャワー浴びていいから」
「うん!」
困ったような泣き笑いの表情で、未央ちゃんが風呂に駆け込む。俺は洗面所に、着替えのスウェットを置いて、思う。なんか、先にシャワー浴びるとか、今から、やるみたいだな……いや、俺は高校生の童貞か!
悶々としながらテレビを見ていると、風呂場のドアが開く音がした。
「渉くん、次どうぞ……渉くん?」
俺のサイズのスウェットがだぼだぼだ。……かわいい…………ハッ!
「あ、うん、入ってくる」
「うん……?」
駄目だ俺。全然余裕ない。今日はソファで寝よう。そうしよう。
風呂から上がってくると、未央ちゃんが深夜番組をつまらなさそうに見ていた。俺の足音に気づくと、振り向いた。
「寝る?」
「うん、未央ベッド使っていいよ、俺はソファで寝るから」
「なんで?」
「……」
心底不思議そうな顔をした未央ちゃんに、その後もなんやかんやで押し切られ、一緒に眠る羽目に。
俺の腕の中ですよすよと幸せそうに寝息を立てる未央ちゃんに、俺はあふれ出る煩悩をなんとかしようと必死だった。
やわらかい身体、縋りつく人肌、安らかな寝息、触れる足の爪先。
これはなんていう名前の拷問なんだろうな?
END
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