あなたの元へ還りたい
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「あっ、先ぱーい!」
「おはよ」
「おはよーございまぁす!」

 くしゃくしゃの笑顔で下駄箱に靴を突っ込んで上履きに足を通しこちらにかけてくる比奈ちゃんに、笑って答える。

「もう身体大丈夫ですか?」
「うん、昨日一日家にいたら、すっかり」
「よかった!」

 今回のことで、比奈ちゃんにはだいぶ迷惑をかけてしまった。本人が聞いたらそんなこと気にするなと言うのだろうけど、気にするなと言われてはいそうですかと言えるほど図太い神経は持ち合わせていない。
 このあたたかい場所にいる資格なんて、俺は持っていない。
 きっといつか失う。壊れる。いられなくなる。
 そのことはよく分かっているつもりだから、だからどうかと初めて神に祈る。
 いつかのそのときがくるまで、ここにいさせてほしい。

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