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 ……別に言わないけどな、お前と見つめ合ってるそいつは犬じゃなくて猫だ。

「あ、の……真中君?」

 疑問系で、しかも名字で呼ぶから、あゆむだって念押して、昨日より深いキスをしてみる。んー、と少し苦しそうにうめくのがなんだか可愛くて面白かったから、いやいやと振る頭を固定してさらに深く掻き回してやった。
 手早く服を脱がして体のいたるところに触ってキスをして、電気消して、と小さく泣き声で言われたけど、そんな余裕もなく貪った。だって、その声も顔も、恥ずかしそうなのがたまらなく可愛かったし。
 嫌がることはわざわざ繰り返してみたり、耳元で今どうなっているか教えてやったら、かわいそうなくらいに真っ赤になっててそれがまた可愛くていじめたくなる。
 ……ゴム、切らしてたんだったか……もしなかったら姉ちゃんの部屋に彼氏が置いていったキャラものの可愛いやつのがたぶんあるよな、と今さらな懸念を巡らしながら、ヘッドボードの引き出しを開けると、箱ごと未開封のものがあった。ラッキー。これでなかったら俺は死んでもよかった。

「あん、あ、やだ」
「お前、やだやだばっかだな」
「だって、あ、ゆむが」
「……やべ……」
「……っあ」

 声にならない悲鳴を喉の奥で上げて、ひよこが小さく痙攣した。
 目も口も半開きで、頬がとろりと溶けそうなほどに熟れたその顔が、腰と脳にダイレクトに効いて、もっと泣かせたいもっと壊したいもっと狂わせたい、そんな嗜虐的な感覚に火がついた。
 あゆむ、と切れ切れの甘い声で呼ばれるのが、たまらなく心地良かった。

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