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そうして迎えた二十四日、クリスマスイブ。街には積もりはしない雪が降り、そこかしこにムードを漂わせた賑やかな装飾が見受けられる。
冬休みに入っていた俺たち仲良し三人組は、チキンやおつまみなどの買い出しを済ませてカシストへ急ぐ。俺だけミトンの手袋で恥ずかしいけれど、冬の寒さは半端ない。屈する俺を二人は(特に雄樹は)盛大に笑っていた。

エレベーターの前にはデスリカへ向かう人混みで溢れかえっていた。俺たちを見つけた少年少女が、どうして今日はカシストが休みなのかと口を尖らせていたが、雄樹が「クリスマスだからね!」と言うと納得していた。なぜ。

よし、クリスマスやるぞ。と意気込んだ四人の行動は早く、仁さんは貸切を拒んだくせに二十四日は休みにして、仲間内だけでパーティーを開くと場所を提供してくれたのだ。
司さんが用意してくれたツリーをみんなで飾り付けしたのも楽しかったけど、どこから持って来たんだこのモミの木は。などと司さんの謎の人脈を改めて思い知るのである。
巴さんは共通の知り合い全員に声をかけたらしく、そこから芋づる式のように人は増え、なんだか騒々しいクリスマスイブになりそうだ。


「ただいま戻りましたー」

「おー、ケーキ焼き上がったぞ。トラ、飾り付け手伝え」


カシストにつくと店内はいつもとは違う装飾でまさにクリスマス一色に染まっている。なんだか楽しい雰囲気に俺は笑顔で仁さんの元へ急ぎ、生クリームやらイチゴやらの装飾を仁さんにアドバイスを受けながら施した。
出来上がったケーキをテーブルへ持って行くと、長テーブル三脚繋げたそこはすでに豪華なご馳走でいっぱいである。雄樹が作ってくれたスペースにケーキをおけば、なんだか上々な出来にうずうずと胸が騒いだ。




 


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