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「前にも言ったが、誰にでも作れる料理だからこそ上手い不味いがよく分かる。納得するまで色々試せよ。とことん付き合ってやる」

「はいっ! ありがとうございます!」


二択のうち一つを選ぶだけでもあれだけ悩んだのだ。これからお粥を美味しくするにあたって、俺はもっともっと悩むはずだ。たくさん失敗もするはずだ。
だけど挑戦することは少しも怖くない。むしろガンガン突き進んでいきたい気分だ。

なんだか無敵にでもなった気持ちになれるのは、もちろん仁さんと雄樹の二人が一緒に悩んでくれるからなのだけど、やっぱり玲央の存在も大きく影響していると思う。
玲央がいなきゃきっと、今はなかったから。

そう思ったら急に玲央に会いたくなってしまって、意識し出したら突然頬に熱が集まった。
そんな俺を訝しんだ仁さんの視線から逃れるように、俺は今日もお粥作りに励むのであった。


「うーん……?」


目指せ、お粥のてっぺん頂上! 雄樹命名、そんなアホな作戦名のもとバイト後も励んできたが、家に帰ってからも色々と試していたが、やはりまだ納得はほど遠い。

お米の品種はもちろんのこと、調理のひと手間は増やすにしても結局はどれくらいのお粥が一番いいんだろう?
ドロドロなくらいってのが好きな人もいるし、ちょっと粒感が残ってるのが良いって人もいるわけで。
そりゃまぁ万人受けする完璧なお粥は作れないだろうけど、目指してはみたいじゃないか、お粥のてっぺん頂上とやらを。

って、なんだよお粥のてっぺん頂上って。意味かぶってんぞアホ雄樹め。


「小虎」

「うおっ!?」


アホ雄樹に思い出し笑いをしていると、突然肩を叩かれて持っていた小皿を落としてしまった。




 


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