×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -

19 - 13



「んっ、ぁ……はぁっ」


心臓が徐々に速度を上げながら脈打つ。重なる玲央の手を握ろうと動かすが上手くいかない。なのに次の瞬間、逆に握りしめられて泣きそうになった。


「あっ、……んんっ」


まるで毛づくろいでもされているような感覚に戸惑う。
多分、玲央は俺を安心させようと行動しているのだろうけれど、俺の脳はそれを素直に受け取ることはできず、なんだか淫らな気持ちにさせる。
最低だとは思う。けれど与えられる熱はどこまでも俺の体を卑しくしていった。

いくら俺を安心させまいとするにしても、こんな触れ合いは兄弟として度を超している。それだけは確かに分かるのに、玲央を振り払うことができない。
それを気持ちが良いからという最低な理由で済ませる気はないのだけど、もっとはっきりと形にするだけの感情が追いつくこともなくて。


「小虎……」


だけど優しく、甘く俺を呼ぶ玲央がいれば、それだけで良いと思うのは卑怯だろうか?

今はもう消えかけた、けれどそこにあるトラウマを癒すように何度も舌を這わせる玲央が、どうしようもなく愛しい。
親父と同じように、いや実際はまったく違うのだけど、俺を殴っていた玲央に施される優しささえあれば、きっと俺はなんでも出来ちゃうんだろうな。


「……ありがと、れお……」

「……」


処理しきれない淫らな熱に体を丸めながら、俺に覆いかぶさる玲央に感謝の気持ちを告げる。
突然背中を舐めはじめたのは確かに玲央なのだけど、それでも俺を大切に扱うその気持ちが嬉しいんだ。


「どういたしまして」


軽く息を吐き、服を直した玲央が横に寝転ぶ。
そのまま俺の頭の下に腕を回し、腕枕をするともう片方の腕で抱き寄せられた。


「……悔しいけど、すっげぇ好き……」

「知ってる」


いつぞやのような会話を交えると、玲央はくあぁと大きな欠伸を一つして、額に唇を寄せてきた。
高まった卑しい体はいつのまにか毒気を失い、うっとりとするほど甘美で柔らかな世界の中、俺は玲央に身を寄せた。




 


しおりを挟む / 戻る