×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -

19 - 12



くすくす笑う玲央は俺を抱き込んだままリモコンでテレビを消し、ついでに煙草を灰皿に押し付ける。
それから、なんてことないように俺を抱き上げるとリビングの明りを消した。
少し驚く俺を余所に、自分の部屋に向かう玲央に落とされまいとしがみつく。
ひどく優しい手つきでベッドに降ろされると、そのまま――なぜか押し倒された。


「玲央……?」


真っ暗な部屋の中で、玲央の表情を窺うことができない。ここは怖がるはずなのに、不思議と恐怖はなかった。
見えてもいない暗闇の向こうで、玲央が穏やかに微笑んでいるような気がしたからだ。

背中に腕を回した玲央が、ゆっくりと俺の体を横たえる。そのままうつ伏せにされると、その手が服の中に入ってきた。
肌と肌の直接的な触れ合いに体が跳ねる。思わずシーツを握りしめると、そんな俺の手に玲央が自分の手を重ねてきた。

ゆっくりと、ゆっくりと時間をかけて、手の平全体で背中を撫でるもどかしさに恐怖はない。むしろ、ぞっとするほど気持ちが良い。
目を細めながら口を開くと、自分の意志とは関係なしに甘い息が漏れる。


「れ、お……」


まるで媚びるような甘い響き。
それを耳にしたであろう玲央は一瞬動きを止めるが、ふたたび動き出した手の平が、今度は服を捲ってくる。
昨日のようなゆったりとした動きとは違い、今日のそれはいささか強引だ。それでも俺の様子を見ながら捲る速度はあまりにも遅い。
そんな事実に背をのけ反らせると、背中の中心にそっと息を吹きつけられる。


「……んっ」


熱い。体が熱くて涙が出そうだ。お腹の奥の奥がジンジンして、すごく困る。なのにどうしてか、もっと先が欲しい。


「あっ……!」


ふいに背中を舐められた。たっぷりと唾液を含んだ舌が見える訳もないのだけど、その姿を想像して頭が真っ白になる。
ゆっくりと、味わうように舌を這わせながら、時折吸い付く玲央の動きに胸が痛くて仕方がない。




 


しおりを挟む / 戻る