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そうして男だらけの飲み会は司さんが音頭を取り、仕切り直しに再スタート。
自己紹介でもしとくかー、と笑う司さんにこの時ばかりは感謝した。


「じゃあまず俺なー。初代ブラックマリア総長、現在デスリカのオーナーでーす」


と、司さん。相変わらず光る眼鏡の奥から覗く瞳は黒いそれである。


「んで、これが俺の悪友二人。元副総長の仁と、見張り役の西くんでーす」

「へ?」


つづいて仁さんと西さんに手で示しながら紹介を口にした司さんの言葉に、間抜けな声が漏れてしまった。いやまぁなんとなくそれ関係だとは思っていたが、この変態、じゃなくて西さんもブラックマリアの不良だったのか。


「西くんでーす。ちなみに下の名前は俺の女にしか呼ばせないんで、よろしくー」


俺の間抜けな声を華麗にスルーした西さんが軽く手を挙げながらそう言った。仁さんはつづく気がないのか、ため息をついて口を閉ざしたままである。


「んで、眉ピがチャームポイントの巴が二代目総長でー……あとはまぁ、いいか」


紹介が面倒になったのか、司さんがグラスを掲げた。


「はい、じゃあカンパーイ」


やる気のない声に、玲央以外がグラスを重ね合せる。そんな兄の姿に一抹の不安を抱えながらも、俺は自分のグラスを玲央のそれに重ねた。


「来週にしよっか?」

「……」


そのまま明日のことについて呟くと、玲央は眉間にしわを寄せたまま、なにも言わずに酒を煽るのであった。

司さん、西さん、巴さんのハイテンションに場は賑やかで、まだまだ宴の終わりは見えそうにない。
普段とは違う空気に酒を飲むペースは速くなるが、一向に酔えずにいるのは雄樹も同じようで、見かねた仁さんが別のテーブルに酒やらつまみやらを用意し、そこに俺たちを座らせてくれた。
ふてぶてしく俺の隣に座った玲央と、西さんたちに弄られていた隆二さんもこちらに参加し、いつもの雰囲気にホッとする。




 


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