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「巴さん、でしたっけ? あんまよく分かりませんけど、以前兄がお世話になりました」

「……は?」

「でもあんまりからかうのは止めてくださいね? あとから八つ当たりされるんの俺なんで」

「……あぁ?」


ちょっと眉をしかめながらそう言うと、呆気に取られたように口を開いたままの巴さんが俺を凝視してきた。
なにか間違ったことをしただろうか? 首を傾げる俺に仁さんと隆二さんはため息をつき、司さんと豹牙先輩は声を抑えて笑っている。


「おい……おいおい、小虎よぉ。俺が玲央にしてたこと散々見てたよな? なんだよ、今の」

「なにって、挨拶ですけど。まぁ遅れたのは悪いと思いますけど……?」

「は? いやいや、普通むかつかねぇ? 反省はしねぇが俺、結構失礼なこと言っただろ?」

「へ? あぁ、まぁ。信じられないこと言ってましたけど、それとこれとは話、別でしょ。つーか反省はしたほうがいいと思いますよ」

「…………はぁ?」


なにか信じられないものでも見るような様子の巴さんは、周りの皆に目線を向けたが欲しい答えは見つからなかったのか、もう一度俺を見つめるなり、また「……はぁあ?」と一言。


「お前、本当に玲央の弟か? 異母とか異父とか、そういうオチじゃなくて?」

「……まぁ顔は似てませんけどね、正真正銘兄弟です」

「…………マジかよ?」


先ほどまで散々俺たちをイジっていたというのに、今の巴さんはなんだか間抜けだ。思わず口元を緩めた瞬間、目の前の男が熱く潤んだ。


「……ますます気に入った」


いや、気に入らなくていいんで、これ以上玲央を怒らせないでください。
そんな考えが顔に出ていたのか、仕事の話が終わった玲央が俺を引きはがすまで、巴さんは俺にばかり絡んでいた。




 


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