×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -

10 - 7



トランプの山からスペードの2を抜いた司さんがカードを混ぜる。それから一枚ずつ俺と自分にカードを配った。
手元にある計、十七枚のカードを見て、一瞬顔が歪んだかもしれない。


「んじゃパス(交換)しよっか。三枚選んで」

「はい」


手元にある十七枚に目を向ける。スペードのキングはあるが、それ以外の罰点カードはない。
司さんの手にあるか、残ったトランプの山にあるか……。とりあえず柄が均等になるように三枚のカードを排除する。
同じように三枚選んだ司さんが伏せたまま、こちらに差し出した。俺も伏せたカードを彼に送る。

司さんから渡されたのはハートの7、ダイヤの2、そしてハートのクイーン。


「じゃあ、ゲームスタートだね。最初のリード(カードを出すこと)は小虎くんでいいよ」

「はい」


にこり。笑った司さんに笑みを返す。

まずは様子見として、彼から受け取ったダイヤの2をリードした。彼が出したのはダイヤの7。このトリック(プレイの1勝負のこと)は司さんの勝ち。
勝った司さんが今度はハートの3をリードする。俺はまた、彼から受け取ったハートの7をリードして今度は勝つ。


「集中できないようなら話しかけないけど、どうすればいい?」

「いえ、構いません。どうぞ」

「そう、じゃあ……小虎くんはブラックマリア初代総長って誰だと思う?」


クラブの8を出せば、司さんはクラブの10を出した。また、司さんがトリックを取る。


「仁さんかなと思ってましたけど……司さんなんですね?」

「うん、そう。俺が総長で、仁が副総長だった」

「……そうですか」

「ていうか、仁かなーって思ってたのに、本人には聞かなかったんだ?」

「……聞く必要がないと思ったので」


彼がハートのジャックを出す。俺はハートのクイーンを出した。今回は俺の勝ち。




 


しおりを挟む / 戻る