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7 - 10



「俺はどっちでもいいぜ? お前がどうしても俺に着いてきて欲しいっつーなら行ってやる。どーする?」

「……」


胡散臭い。胡散臭い、けど。
なんか今の兄貴はすげー上機嫌だし、明日になって「やっぱり連れてって」なんて言ったところで一蹴されるのがオチだろうし。つーか兄弟とは言え遊園地って……。あぁ! もう!

俺は席を立ち、自分の部屋から紙とペンを持って戻った。それを兄貴の前に置いて一言。


「じゃあ連れてって。んで嘘じゃないって、書いて」

「……くっ、了解」


喉を鳴らしながら笑う兄貴に、俺は顔を赤くしつつ走るペンに胸を躍らせた。
これであとから「やっぱなし」とか、絶対言わせない。

言わせたりしない。だから――、


「うわーん! 意味分かんないー!」

「うっせぇ! 甘えんじゃねぇよ!」


だから雄樹、今日からみっちりテストまで、スパルタで行くぜ!

翌日の調理室にて俺は雄樹にスパルタ教育を徹底していた。
時間のかかる問題は諦めるとして、最初の数式だけでも点を稼げるようにまずは因数分解から。なのに雄樹よ、なぜお前はまったく解けないんだ。


「だからな、いいか? 15って数があったら、3×5 っていう素因数に分解されんだよ。これは分かるだろ?」

「うん。分かる」

「で、たとえば2a+6だったら、まずは2aと6に分けるだろ、そしたらそれぞれの素因数はなんだと思う?」

「……2a=2×aと、6=2×3?」

「そう! となれば、答えは……?」

「……えぇ?」

「2a+6=2(a+3)だよっ!」



 


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