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その大盛況の原因ともいえる兄貴はなぜか来るなり俺を呼び、両脇に可愛い女の子をはべらせながら言うのである。粥を寄こせ、と。
一体なにを考えているのか皆目見当つきません。理解したくもありません。それが俺の最近のもっぱらな思考であった。


「で? 今日はなににすんだよ」

「えー……とりあえず梅粥で。あの顔で梅って、なんか可愛くないですか?」

「嫌がらせだな」

「えぇ」


いつもなんのお粥かを言わない兄貴の注文に対し、俺はこんな感じで勝手に決めて持っていく。
すると文句でもありそうな顔をするが、それを口にすることなく兄貴は俺のお粥を食べるのだ。まぁ最後は日替わりで変わる両脇の女の子が食べてるんだけど。


「あー、なんか思い出したら腹立ってきた」

「なににだよ」

「女の子ですよ!? 日替わりで変わるんですよ!? しかもみんな可愛いとか! なにそれイケメン滅べ!」

「ははっ、ただの僻みじゃねぇか」


なんとでも言ってくれ仁さんよ!
だけど俺は納得できないのだ。日替わりで変わる女の子もそうだけど、なんでそんなコロコロ女の子変えてんだよ! 顔か!? 顔がいいのか!?


「でもよ、トラと玲央って、やっぱり兄弟だよな。似てる」

「似てないよ! 似てたら俺もモテてるよ!」

「はいはい。顔じゃなくて性格だ、性格」

「……肉食獣っぽいってことですか?」

「ちげーし」


クスクス。頼まれたいつもの倍以上ある注文をこなす仁さんが、ナポリタンの入ったフライパンをコンロから退かして皿に盛る。


「なんか男前なんだよな、お前ら」


げー……。どこがですかー……。
げんなりと、俺は感情を向き出しにしてお粥を火にかけた。


「けど俺は小虎のほうが好きだけどな」

「わっ!? 隆二さん!?」


そんな俺と仁さんの会話をいつから聞いていたのか、いつのまにか俺の前に座っていた隆二さんがニコニコと満足げな笑みを浮かべていた。




 


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