「遼夜、挿れていい？ このままイっちまうと最後までもつか微妙」
「んっ……ぁ、おわり……？」
「なんでちょっと物足りなさそうな顔すんだよ」
あまりにも可愛いだろその反応は。
ちゃんとイくところまでできなかった、と不完全燃焼っぽい表情の遼夜だったが、ただでさえ今日は第二ラウンドなのだからあまり飛ばしすぎると本当にバテてしまう。感謝の気持ちを込めて目尻にキスして、既に勃ちつつあった遼夜のものを軽く扱く。「ひんっ」突然だったからか大袈裟に肩が跳ねた。追加の潤滑油を少しずつ中に塗り込んで、だんだん息があがっていく様子をじっくりと眺める。
「ぁ、あ、っぅ」
「ほら、遼夜の中まだ柔らかいの分かる？ お前体温高いからここもあったかい」
「はぅっ……ん、ぁぁ、あっ、おく、」
小さな、けれど確実に快感を拾っているのが分かる声。いつもだったら声が漏れないように頑張って我慢してる感じなんだけど、今日はかなり素直に声をあげてくれている。嬉しい。
ぐにぐにと中を広げて、元々ある程度柔らかくなっていたそこはすぐ挿入できそうなくらいにほぐれていく。時折遼夜が感じやすいところを軽く叩くように探ると、気持ちよさそうな涙まじりの声がこぼれた。
「っぁ、おく、おく、そこ」
「きもちい？」
「う、ぅぅ」
「言うの恥ずかしいなら頷くだけでいいぜ」
遼夜は掠れた声で、小さく「きもち、いい……」と言った。やはり恥ずかしかったのか真っ赤になって腕で顔を覆ってしまう。
恥ずかしいのにちゃんと伝えようとしてくれるところも、好き。まあ分かっててわざと言わせようとしてる俺は遼夜にちょっとほっぺた抓られるくらいだったら甘んじて受けなきゃなんねえかもだけどな。
「ごめん、からかいすぎた。顔見せて」
「んっ……ゃ、いま、ぜったいへんなかおしてる、から」
「可愛いよ」
「っ、ばっかじゃないのかおまえ……」
お前のそういう顔見られるなら馬鹿でもいいかも。遼夜は腕をどかしてくれたので、鎖骨の辺りにキスマークをつけてみた。うんうん、いい感じだ。
すぼまった穴にチンポを擦りつけると穴がひくひく痙攣するのが分かる。俺もこれ以上焦らしたりできるような状態じゃなかったので、「挿れるぞ」とだけ言って遼夜が頷いたのを確認してから腰を進めた。
「――っ、ぁ、ああ……」
「っ……あー、やばい、締まるっ……」
「ひっ、ぁ、おく、ゆっくりして、ゆっくり……ぁっ」
口をはくはくさせてそう訴えてくる遼夜があんまり可愛かったものだから思わず口元が緩む。ベッドのシーツを掴んでいたそいつの手を握ると、きゅううっと中がまた締まって危うく達してしまいそうになった。
「悪い、全然余裕ねえわ……っ」
「んんんっ……、んぁ、ふ、ぅうう」
前立腺を強めに刺激すると泣きそうな喘ぎ声が耳に届く。最初の頃は、痛くて泣いているのかと思ってたびたび中断したりもしたけれど、どうやら遼夜は快感がトリガーになって泣きそうになるらしいというのが分かってからはこの声が聴けるとちょっとした達成感を覚えている。
内壁を存分に擦って、穿って、興奮で頭沸騰しそうだ。じゅぷじゅぷとエロい音がひっきりなしにしている。遼夜はいつもよりちょっとだけ声が大きくて、大胆で、そのやらしい声だけでイきそうになる。
「んぁっ、あっ、ぁ、おく、も、いきそ、いく、いっひゃうぅ……んん、ぁ、っぁあ、っ」
「っ、俺もそろそろやばい、うっ、ぁ、ッ……」
「ぁあ、あ、あー……っ、っ、んんっ……ひ、ぁ、ああぁあ……」
びく、びく、と細かく震えながら遼夜は脱力した。ふにゃりと力を失ったチンポからとろとろ精液が流れていく。俺もゆっくりと中からチンポを抜いて、その拍子にまた甘い声があがるのを満たされた気持ちで聞いた。
やばい、ケツの穴から精液垂れてきてんのエロすぎるだろ。腹壊さないようにちゃんと処理してやんねえと。
そんなことを思っていると頬に手が添えられた。遼夜は、目元を柔らかく緩めて「……ふふ。かわいいね」なんて笑う。
「そりゃこっちの台詞」
「んっ……風呂、借りても？」
「当たり前だろ。無理すんなよ、ちゃんと俺が洗ってやるから」
「おまえ、おれのこと抱えられないだろうに……でも嬉しいよ、ありがとう」
遼夜はイった後の回復が異様に早い。これが基礎体力の差か。抱き潰すくらいの気持ちでヤっても数十分経てばけろっとしてるし、賢者タイムあんまり無い方なんだと思う。でも俺は終わった後はめいっぱい優しくしたいし、なんなら後始末も全部やりたい。
遼夜は何を思ったのか、体力が尽きてベッドに横たわった俺にくっついてきた。その表情はとても幸せそうだ。
「もっと練習して、上手になるよ」
「え、フェラの話？」
「うん。おまえが気持ちいいって思ってくれているのが分かって……嬉しかった、から」
与えられてばかりじゃだめだから、と遼夜ははにかんだ。俺、こんなにいっぱいお前から色々貰ってるのにこれ以上積み上げる気でいるのか。
目の前の体を抱きしめる。体格差のせいで抱きつくみたいになってしまったのはご愛敬。遼夜が「やっぱりかわいいね、おまえは」と幸せそうに笑ってくれたから、それでいい。
……その後、遼夜を風呂場に運ぶどころか逆にお姫様抱っこされそうになって「それだけは勘弁」と言ってしまったのは、全然ご愛敬じゃなかったけどな。